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2022年3月1日展望を知る

組織的な大規模アジャイルによる新規金融サービスの価値創出

DXの方法論として組織的なアジャイルの導入の取り組みが今後主流になる。不確実性の高い新規サービスの創出を、組織的な大規模アジャイルの取り組みを通じて実践しているOpenCanvas Atelier®の戦略や実績を通じて、組織的な変化を概観する。
目次

DX化を加速するアジャイルの原則とアプローチ

2021年10月にIPAが公開した「DX白書」(※1)には興味深い内容が掲載されています。DXではニーズの不確実性が高く、適用する技術も手探りの状態で推進することが多く、結果的に状況に応じた柔軟性と早い意思決定が求められます。DX白書では、これらを実現する領域をアジャイル原則とアプローチと定義しています。日本でもアジャイルを採用している事例は多く聞きますが、特に組織単位で適応するには至らない事がしばしばあります。組織全体に採用しているケースは、米国では40%~50%の全面的な採用率となっているものの、日本では僅か数%であり、各段に遅れを取っている事がわかります。特に海外ではIT部門だけなく、経営企画部門や事業部門への適用が高い採用率となっており、システム開発の領域にとらわれないアジャイルのアプローチ、つまりBusiness Agilityの導入が今後の成功にヒントになります。

図1:組織的にアジャイルの原則とアプローチを採用している割合

図1:組織的にアジャイルの原則とアプローチを採用している割合

アジャイルの原則を実施し新たな価値創出に挑戦する組織 OpenCanvas Atelier?

このアジャイルの原則とアプローチを組織的な規模で取り組むことは、ただの概念ではなく既にフレームワーク化されています。その中でも一番実績が高いフレームワークが、大規模アジャイル開発の方法論として米Scaled Agile, Inc.から提供されているScaled Agile Framework?(以下:SAFe?(※2)です。SAFe?は、アジャイル開発を中心に据えた組織的なBusiness Agility向上を目的としたフレームワークです。そしてSAFe?を適用して、金融機関の顧客に新たな価値提供を進めようとしている組織がOpenCanvas Atelier?(以下:OCA)です。OCAはミッションクリティカル決済サービスANSER?(※3)の信頼と安心を武器にしながら、先進性・アジリティ・構想力で新たな金融の価値創出に挑戦しています。

図2:OpenCanvas Atelier?のアプローチ

図2:OpenCanvas Atelier?のアプローチ

OpenCanvas Atelier?では、「企業が従業員や、取引先、顧客、地域社会などステークホルダーの利益に配慮すべき」というステークホルダー資本主義の価値観が原動力となり、非金融を通じた金融と非金融の相互連携が今後の金融サービスのビジョンだと考えています。

図3:OpenCanvas Atelier?が捉えている金融の未来像

図3:OpenCanvas Atelier?が捉えている金融の未来像

(※2)Scaled Agile Framework?

https://www.scaledagileframework.com/

OpenCanvas Atelier?によせる熱い思い

OpenCanvas Atelier?のキーマンに組織に対する期待を語ってもらいました。

第四金融事業本部 e-ビジネス事業部 事業部長 加藤 貴也

第四金融事業本部 e-ビジネス事業部 事業部長
加藤 貴也

OpenCanvas Atelier?は、先進的なサービスを超高速Agileにて、企画構想から開発しサービス提供を実現することを目的に2021年4月に創設しました。
当事業部が提供するミッションクリティカル決済サービスANSER?を、よりスピーディーに、より創造的に、魅力があるサービスへと進化させていくエンジンがOpenCanvas Atelier?です。ANSERがこれまで培ってきた社会インフラサービスとしての安心安全なサービスを高いレベルで進化させるとともに、OpenCanvas Atelier?の先進的なアジリティを掛け合わせることで、より豊かで調和のとれた社会の実現に貢献していきます。

第四金融事業本部 e-ビジネス事業部 技術戦略推進室 システムアーキテクト 渡邉 優作

第四金融事業本部 e-ビジネス事業部 技術戦略推進室
システムアーキテクト
渡邉 優作

OpenCanvas Atelier?は社員の自己実現の場とも言えます。自身で社会に必要だと感じるサービスを企画/提案/開発/運用して、社会貢献を実現できる場です。事実、SAFe?のマインドセットを踏襲し、スクラムメンバに裁量権を与え、フラットな組織として共通のゴールを目指すことをOpenCanvas Atelier?のポリシーに組み込んでいます。それゆえに製版一体/DevOpsと求められることも多いですが、各活動を支える専門性を持ったメンバーも多数います。こんなサービスを作りたい、新しい領域にチャレンジしてみたいという人は是非連絡してきて欲しいですね(笑)。

OpenCanvas Atelier?が創出した金融 PaaS, SaaS

OCAは既に金融サービスのプロダクトを提供しています。そこで各金融サービスのプロダクトオーナーに取り組みについて語ってもらいました。

第四金融事業本部 e-ビジネス事業部 技術戦略推進室 プロダクトオーナー 阪口 将

第四金融事業本部 e-ビジネス事業部 技術戦略推進室
プロダクトオーナー
阪口 将

ColorFruit?
2022年5月にローンチを予定している「ColorFruit?」は、既存の顧客接点サービス(顧客向けポータルサイト/バンキングアプリ等)からシームレスかつセキュアに、商談・契約を非対面で完結できることができるサービスです。
本サービスはOCAでの1st Scrum開発プロジェクトとして立ち上がり、金融分野に求められる品質を確保しつつ、アジリティ高く継続的にお客様に価値を届けるため、開発プロセスとサービスを支える基盤の刷新に取り組んできました。
その結果、「お客様に試作品を利用していただき直接対話をしながらUI/UXを改善する」、「CI/CDにより高頻度に商用ソフトウェアをリリースする」など様々な新しい仕組みが実現できています。以下で製品のコンセプトを紹介した動画を公開しています。

第四金融事業本部 e-ビジネス事業部 技術戦略推進室 プロダクトオーナー 寺本 遼平

第四金融事業本部 e-ビジネス事業部 技術戦略推進室
プロダクトオーナー
寺本 遼平

API Gallary?
2021年10月にローンチした「API Gallery?」は、API利用者とAPI提供者のビジネスマッチングを加速化させることを目的として、API・ソリューションの情報収集から、利用申請を行うまでのフローを、オンラインで完結可能なWebサービスです。以下でサービスの詳細を公開しています。
https://api-gallery.com/
本サービスは1年目社員4名の若手メンバー中心ながらも、足りない経験を周囲からサポートを受けてScrum開発を実施しております。また、2週間に1度の高頻度リリースを実現するなど、アジリティ高く開発しております。SAFe?の取り組みの中で、ビジネス価値を常に考える習慣が付き、スピード感を持ってマーケットへ価値を提供する重要性を理解するなど、新規事業創発のコアとなる考え方や基本動作が1年目社員に浸透してきていると感じてます。引き続き、SAFe?の取り組みを続け、2年目からプロダクトオーナーとして、主体的に動けるような若手社員を育成する予定です。以下で製品のコンセプトを紹介した動画を公開しています。

OpenCanvas Atelier?が目指す金融サービスの未来像

DX技術進歩が急速に進む中、我々は金融機関を中心としたお客様やその先のエンドユーザー様に対して、新しい価値を届け、より豊かな社会創りに貢献していきます。我々には既存サービス(ANSER)という強みがありますが、それにとらわれることなく、まずはユーザーセントリックに考え、DX技術を活用してお客様にとって真に必要なサービスを共創し、マイクロサービスとして汎化することでより多くのお客様に届けていきます。OpenCanvas Atelier?は多種多様な人財とともに、SAFe?を組織運営のベースとしてDX技術を早期に導入することで新しいサービスを創出していますが、創出したマイクロサービスを組み合わせてまた新しい価値を生むようなサイクルを回し、独自性をもった事業展開を目指します。

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