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1.ChatGPT Enterpriseから始まる、生成AI活用の基盤づくり
NTT DATAは「AI Driven Company」の実現に向け、2025年5月からOpenAI, Inc.との戦略的提携を開始し、OpenAI社内展開推進チームを設置しました。20カ国以上のグループ会社にChatGPT Enterpriseを展開するとともに、活用支援を進めています。本稿では、OpenAI主催の「Enterprise Exchange」というユーザー企業向けイベントで発表した取り組みをもとに、その実践をご紹介します。
Codexの導入および活用については下記の事例記事も掲載されておりますので、あわせてご参照ください。
https://openai.com/ja-JP/index/ntt-data/
生成AIを定着させるには、ライセンス配布後も継続的な改善が欠かせません。そこで推進チームが中心となり、利用状況、アンケート、ヒアリングから課題を把握し、イベントやユーザー会、技術検証、ユースケース発信へとつなげています。得られた利用者の声と実践知を共有し、次の施策とガイドの更新に反映することで、全社的な活用を支えています。その結果、ChatGPTの社内コミュニティは、数万人が参加するトップクラスの規模へと成長しました。
図1:生成AI活用を定着させる改善サイクル
図2:生成AI定着化のために推進チームで実施した主要施策
2.ChatGPTからCodex/ChatGPT Workへ-業務を「相談」から「実行」へ
ChatGPTは2025年上期の導入後、高い満足度と利用率を維持し続けていました。ただ、利用が進むにつれて課題も見えてきます。ChatGPTは、要件の言語化、論点整理、調査結果の作成など、対話を通じて考えを深める場面を中心に使われており、当時はタスク自体を人が実行する必要がありました。そこで、当時コーディングエージェントとして注目され始めていたCodexの自律型エージェントとしての機能に着目し、幅広い用途に活用できるのではないかと検討しました。生成AIの活用を「相談する」段階から、「成果物を作成し、タスクを前に進める」段階へ広げることを目指した取り組みです。
Codexの特性を理解してもらうため、障害解析、環境構築、システム操作などの代表的なユースケースを整備しました。さらに、セミナーや非エンジニア向けハンズオンを開催したことで、Codexへの注目度は徐々に高まりました。当初は200人前後だったウェビナー参加者が、現在では1000人を超える規模となり、7月にリリースされた同じくエージェント型のChatGPT Workも合わせて推進することで、日に日に関心が高まっています。一方、AIに任せる範囲が広がるほど、技術設定、利用者支援、お客さまとの合意形成も重要になります。次章では、これらをどのように乗り越えたかのか説明します。
図3:チャット型AIからタスク実行型AIへの進化
3.活用の裏側-導入後に直面した「3つの課題」
本章では社内導入で見えた3つの課題と、その対応を紹介します。
3-1.ChatGPTのWeb検索設定を最適化-利便性とガバナンスの両立
ChatGPT EnterpriseのWeb検索には、最新情報へのアクセスに適したライブWeb検索と、対象となるワークスペースでは、OpenAIがインデックス化・キャッシュしたWebコンテンツを利用するオフラインWeb検索を設定できます。両方式の特性を踏まえ、自社のガバナンス方針に適した運用としてオフラインWeb検索を選択しました。導入にあたっては、情報の鮮度や検索範囲を含め、社内で重視する主要なユースケースを検証し、対象業務に必要な利便性を確保できることを確認しました。
参考リンク
https://help.openai.com/ja-jp/articles/20001203-offline-web-search-for-chatgpt-workspaces
図4:Web検索における検索クエリの送信経路
3-2.利用者層の二極化-ライトユーザーの活用を後押しする仕組みづくり
利用状況を分析すると、ミドルユーザーやヘビーユーザーは新機能を含め幅広い活用を深める一方、使用頻度が低いライトユーザーは、推論モデルを使わないシンプルな活用が目立っていました。その背景には、「調査以外の用途が分からない」「今さら聞きづらい」といった声がありました。
そこで、初心者相談会や、ユースケースの整備、活用ガイドの整備を進めました。特にこの活用ガイドや初心者相談会は効果や満足度も高く、ユーザーの課題を直接ヒアリングできるため、運営側・ユーザーの双方にとって貴重な会であり、隔週から隔月の頻度で自由に参加できる恒例イベントです。
また、組織ごとに推進役を立てる方法も効果的です。ただし、全社的に実施しようとすると、インセンティブや運用の負荷等の考慮が必要であり、現在、制度設計を進めています。
図5:Codex活用ガイドを活用した利用者への展開
3-3.お客さまプロジェクトへのCodex導入の壁-利用許可を得るための仕組みづくり
お客さまに関する情報をCodexで適切に扱うには、社内ポリシーやガイドラインに加え、お客さまごとに利用条件や許可範囲を確認する必要があります。お客さまによって求められる条件が異なるため、製品の仕様、安全な利用に向けた対策、利用者と管理者それぞれの責任範囲を整理して説明することが重要です。
そこで推進チームにてセキュリティガイドを整備しました。ガイドでは、お客さまへの説明に活用できるよう、主要なセキュリティリスクと対策、利用者が確認・設定すべき項目、管理者が制御できる範囲を整理しています。これにより、プロジェクトごとに必要な確認事項を明確にし、お客さまとの協議や利用条件の整理を支援しています。
Codexは継続的に機能や仕様が更新されるため、ガイドを最新の状態に保つことも重要です。そこで、OpenAIの公式ドキュメントを情報源として、Docs MCP(※)を活用した定期的な整合性確認を行っています。変更点や改訂候補を効率的に把握し、担当者と関係部署が内容を確認したうえでガイドへ反映する運用を整えています。
図6:Codex利用時のセキュリティガイドの構成
AIが外部ツールやデータと連携するための規格である MCP(Model Context Protocol)を用いて、各種公式ドキュメントをリアルタイムに検索・取得できるようにするドキュメント連携用MCPサーバーの総称
4.自社実践を起点に、お客さまの成果創出へ
NTT DATAでは、自社を「0番目の顧客」と位置付け、生成AIを実業務に適用する「Client Zero」を推進しています。今回の生成AI導入も同様の考え方で、個人活用にとどめず、業務活用まで推進し、これらの成果や知見をお客さまの成果創出への貢献に活かしています。
一例が審査業務です。申請書等から必要な情報を抽出し、審査の観点に沿って内容を確認します。低リスクの申請はOpenAI API等を用いて自動処理し、判断が必要なものは人が確認することで、効率と統制を両立します。この取り組みは、現場がAIを自らの業務を見直す手段として捉え、自律的に改善する契機にもなりました。
図7:生成AIを活用した審査業務の処理概要
株式会社NTTデータグループは、OpenAIの日本初の販売代理店としてChatGPT Enterpriseを提供しています。さらに、自社でChatGPT Enterpriseを展開・定着化してきたノウハウを生かし、お客さま向けに「GenAI アクセラレーションプログラム」を提供しています。このプログラムでは、お客さまの生成AI活用戦略に沿って、ツールの導入から、教育、活用促進、ユースケース創出、実装検討までを一気通貫で支援します。
図8:アクセラレーションプログラム概要


OpenAI ChatGPT Enterpriseについてはこちら:
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/chatgpt-enterprise-utilization-support/
OpenAIとのグローバルでの戦略的提携を開始についてはこちら:
https://www.nttdata.com/global/ja/news/release/2025/042400/
NTT データグループが進める AI 業務変革についてはこちら:
https://openai.com/ja-JP/index/ntt-data/
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