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2026.7.30

株式会社武蔵野銀行
「可視化で終わらせない」脱炭素経営支援を経営戦略の中核に

――武蔵野銀行が取り組む地域価値創出

首都圏に隣接する埼玉県には、自動車関連産業、運輸業、化学・薬品関連産業など、多様な産業が集積しています。業種や企業規模によって脱炭素への取り組み状況が異なるなか、武蔵野銀行は排出量算定を入口に、削減計画の策定、省エネ・再エネ、設備投資、サステナブルファイナンスへと支援を広げています。

一方で、同行自身の投融資先排出量の把握においては、二次データを活用した算定では実態との乖離が生じやすく、投融資先企業の削減努力がファイナンスド・エミッションに反映されにくいという課題がありました。

こうした課題を踏まえ、武蔵野銀行では、投融資先排出量をより実態に近い形で把握し、情報開示やお客様との対話を高度化するために、C-Turtle FEを導入しました。一次データを活用したファイナンスド・エミッション管理の高度化を進めることで、可視化したデータを脱炭素支援へ生かす基盤づくりを進めています。

さらに同行は、農業と太陽光発電を組み合わせたソーラーシェアリングや、森林由来の環境価値創出など、地域資源を生かした取り組みも推進しています。排出量の可視化にとどまらず、地域企業の脱炭素経営と地域価値創出を支える取り組みへと発展させています。

第1章:サステナビリティを経営戦略の中核に、地域企業とともに脱炭素経営を推進

武蔵野銀行は、サステナビリティを経営全体に関わる重要なテーマとして位置付けています。
2026年4月にスタートした中期経営計画(第2フェーズ)では、「価値共創コンサルティングへの深化」「埼玉の新たな価値創出への貢献」「未来を支える経営基盤の強化」の3つの基本戦略すべてにサステナビリティの視点を織り込み、地域社会の持続可能な発展と銀行自身の成長を両立することを目指しています。
埼玉県には、自動車関連産業や運輸業、化学・薬品関連産業をはじめ、多様な産業が集積しています。一方で、脱炭素への取り組み状況は業種や企業規模によって異なります。排出量データの提出や情報開示への対応が求められる企業がある一方で、これから脱炭素経営に取り組む企業も少なくありません。
こうした地域特性を踏まえ、同行では、企業ごとの課題や成熟度に応じた伴走型の支援を進めています。排出量の可視化を入口として、削減計画の策定、省エネルギー・再生可能エネルギーの導入、設備投資、サステナブルファイナンスまでを一貫して支援しています。
その姿勢を象徴しているのが、2030年までのサステナブルファイナンス実行目標を1兆円から2兆円へ引き上げたことです。資金供給にとどまらず、地域企業の経営課題に寄り添うことで、地域全体の脱炭素を前進させたいと考えています。

第2章:可視化を起点に、企業の経営改善へ伴走する

武蔵野銀行では、排出量の可視化を脱炭素経営の出発点と位置付けています。重要なのは、排出量を把握することではなく、その結果をどのように経営へ生かしていくかです。
エネルギー使用量や排出量を可視化することで、どの工程や設備に改善の余地があるのかを把握しやすくなります。その結果をもとに、省エネルギー設備への更新や再生可能エネルギーの導入、設備投資へとつなげることで、CO₂排出量の削減だけでなく、エネルギーコストの低減や生産性向上にも結び付けることができます。
燃料価格や電気料金の上昇が続く現在、脱炭素は環境対応だけではなく、企業の競争力にも関わる経営課題です。同行では、お客様と対話を重ねながら、削減計画の策定や設備投資、資金調達まで一貫して支援しています。
企業によって、脱炭素への取り組み状況はさまざまです。すでに具体的な削減目標を掲げている企業がある一方で、何から始めればよいか分からない企業もあります。そのため、営業店と本部の専門人材が連携し、企業ごとの状況に応じて支援内容を組み立てています。
こうした伴走支援を通じて、同行は企業の持続的な成長と地域全体のGXを後押ししています。

第3章:脱炭素を地域価値創出へ、地域資源を生かしたGXの実践

武蔵野銀行の取り組みは、企業ごとの脱炭素支援にとどまりません。地域資源を生かし、新たな価値を創出する取り組みにも広がっています。
その代表例が、農業と再生可能エネルギーを組み合わせたソーラーシェアリングです。さいたま市岩槻地区では、地域サポート部の農業チームが営農を支援しながら、農地の上部に太陽光発電設備を設置しています。設備導入に必要な資金面では同行が融資を行い、発電された再生可能エネルギーは営業店で活用されています。
農業を支えながら再生可能エネルギーを創出し、その電力を地域の中で利用するこの取り組みは、「食とエネルギーの地産地消」を実現する地域循環モデルです。金融機関として資金を供給するだけでなく、地域資源を生かした価値創出にも取り組んでいます。
営農支援では、キノコやバニラビーンズに加え、コーヒー豆の栽培にも取り組んでいます。気候変動の影響を受けやすい作物の県内生産を支援することは、地域産業の可能性を広げることにもつながっています。
また、飯能市や秩父地域では、森林由来のJ-クレジット(※1)創出に向けた検討を進めています。森林が持つCO₂吸収量を環境価値として活用し、都市部企業の脱炭素への取り組みと結び付けることで、新たな地域内循環を生み出すことを目指しています。
同行自身も、営業店で使用する電力の再生可能エネルギーへの切り替え、省エネルギー設備の導入、LED照明への更新、営業車両のEV化、営業店へのEV充電設備の整備など、自らの脱炭素にも取り組んでいます。お客様に提案するだけでなく、自らも実践することで、地域とともに脱炭素を推進しています。

(※1) J-クレジット:省エネや再生可能エネルギーの導入、森林管理などによるCO₂の排出削減量・吸収量を、J-クレジット制度に基づいてクレジット化したもの

第4章:ファイナンスド・エミッション管理の高度化を支えるC-Turtle FE

地域企業の脱炭素経営を支援する一方で、武蔵野銀行では、自らの投融資先排出量(ファイナンスド・エミッション(※2))の管理高度化にも取り組んでいます。
同行では2022年度から投融資先のGHG排出量の算定と開示を進めてきました。当初は公開されている二次データを活用して投融資先排出量を把握していましたが、開示を重ねるなかで、より実態に即した排出量を把握する必要性を認識するようになりました。
特に課題となっていたのは、お客様が排出量削減に取り組んでも、その成果が投融資先排出量に十分反映されないことです。地域企業の脱炭素を支援しながら、銀行自身もファイナンスド・エミッションの削減を進めていくためには、企業ごとの実態をより正確に把握できる仕組みが必要でした。
こうした課題を解決するため、同行ではC-Turtle FEを導入しました。導入にあたって重視したのは、企業の一次データを活用できることと、開示データの信頼性を高められることです。企業が開示する一次データやCDPデータを活用することで、投融資先排出量をより実態に近い形で把握できるようになり、お客様の取り組みを踏まえた対話や、投資家への情報開示の透明性向上にもつながると考えています。
また、C-Turtle FEの導入により、算定から集計、開示までのプロセスを一つの基盤で管理できるようになりました。継続的な開示業務に必要な作業負荷の軽減に加え、算定根拠やデータの管理もしやすくなっています。今後求められる第三者保証への対応を見据えた体制整備にもつながっています。
今後は、蓄積した投融資先排出量データを分析し、埼玉県内で排出量の多い業種や地域の傾向を把握することで、より効果的な脱炭素支援へつなげていく考えです。
武蔵野銀行にとってC-Turtle FEは、単に投融資先排出量を管理するためのシステムではありません。地域企業の取り組みをより正確に把握し、お客様との対話を深めながら、脱炭素経営をともに進めていくための基盤です。

(※2) ファイナンスド・エミッション:金融機関の投融資先に係る温室効果ガス排出量 

第5章:地域企業とともに、次の価値へつなげていく

武蔵野銀行が目指しているのは、脱炭素を一時的な取り組みや情報開示への対応で終わらせることではありません。排出量を可視化し、その結果をお客様との対話に生かしながら、削減計画の策定や設備投資、サステナブルファイナンスへとつなげていくことを重視しています。
さらに、その取り組みを企業単位にとどめず、地域全体へ広げていくことも重要だと考えています。農業と再生可能エネルギーを組み合わせたソーラーシェアリングや、森林由来のJ-クレジット創出など、埼玉県ならではの地域資源を生かした取り組みは、その考え方を実践する事例です。
今後は、蓄積した投融資先排出量データを活用しながら、地域や業種ごとの特性を踏まえた支援をさらに充実させていく考えです。排出量の可視化から削減、設備投資、ファイナンス、地域資源を生かした価値創出へと支援の幅を広げることで、地域企業の持続的な成長と埼玉県全体のサステナビリティ向上に貢献していきます。
「可視化で終わらせない」ことは、武蔵野銀行の脱炭素経営支援における基本的な考え方です。可視化したデータを次のアクションにつなげ、お客様とともに脱炭素経営を前進させること。その積み重ねが、地域企業の競争力向上や新たな地域価値の創出につながると考えています。
地域企業に寄り添いながら、一つひとつの取り組みを次の価値へつなげていく。武蔵野銀行は、地域金融機関として、その歩みをこれからも続けていきます。

企業紹介

株式会社 武蔵野銀行

武蔵野銀行は、埼玉県に本店を有する唯一の地方銀行として、豊かな地域社会の実現に寄与し、地域とともに発展することを使命に設立・発展してきた地域密着型の金融機関です。経営理念として「地域共存」「顧客尊重」を掲げ、長期ビジョン「MCP(Musashino mirai-Creation Plan)」に掲げる「多彩な価値を結集し、地域No.1のソリューションで埼玉の未来を切り拓く」のもと、「地域になくてはならない銀行」を目指して事業を展開しています。今後も、こうした経営理念や長期ビジョンのもと、地域企業の成長支援、資産形成支援、デジタル・AIの活用、サステナビリティ経営の拡充などを通じて、いかなる経営環境の変化にも対応しつつ、地域社会とともに持続的な発展を目指していきます。

GHG排出量可視化プラットフォーム「C-Turtle®」
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/c-turtle/

【C-Turtle®】の概要資料は、こちらからダウンロードください。

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