第1章:地域社会の持続可能な発展を、本業を通じて支える
当社グループは京都銀行創立時からの経営理念「地域社会の繁栄に奉仕する」のもと、本業を通じた地域社会の持続可能な発展の実現に取り組み、2020年には新たにサステナビリティ経営方針を策定しましたが、これは新たな考え方を掲げたものではなく、これまで大切にしてきた経営理念を、社会環境の変化に合わせて整理し、より明確に位置付けたものです。
サステナビリティは、CSRや社会貢献活動として捉えられることも少なくありません。当社グループでは、それに加えて本業を通じて取引先企業の課題を解決し、その成長を支えることこそが、地域社会の持続可能な発展につながり、ひいては当社グループの発展につながる好循環を実現すると考えています。この考え方を組織全体で共有したことで、脱炭素への対応も一部のサステナビリティ関連部署だけではなく、お客さま向けの営業を担う法人総合コンサルティング部などが連携しながら積極的に取り組む体制へとなっています。
近年は、サプライチェーン全体で脱炭素への対応が求められる中、企業を取り巻く経営課題は複雑化しています。取引先企業の脱炭素化を支援することを地域金融機関として果たすべき重要な役割と考えていることから金融サービスの提供にとどまらず、企業ごとの課題に寄り添いながら、企業の持続可能な成長を支える取り組みを進めています。
第2章:金融サービスにとどまらない、企業の課題解決を支えるソリューション
当社グループでは、企業の持続可能な成長を支えるためには、融資などの金融サービスだけでなく、それぞれの企業が抱える経営課題に応じた解決策を提供することが重要だと考えています。こうした考えのもと、「総合ソリューション業」を掲げ、資金面の支援に加え、企業の成長につながるさまざまなソリューションの提供を進めています。
近年、企業を取り巻く経営課題は、人材不足や人的資本経営、健康経営、脱炭素への対応など、多様化しています。なかでも脱炭素は、サプライチェーン全体で対応が求められており、中小企業にとっても避けては通れない経営課題の一つとなっています。当社グループでは、こうした企業ごとの課題に応じて、サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)(※1)や脱炭素コンサルティングなど、多様なソリューションを展開しています。当社グループが重視しているのは、それぞれの企業の課題に寄り添い、状況に応じた最適な支援を行うことです。商品やサービスは、その実現に向けた手段の一つと位置付けています。
一方で、脱炭素への対応については、中小企業にとって専門知識や人材の確保が難しく、取り組みを進めるハードルが高いという課題もありました。当社グループでは、より多くの企業が脱炭素経営へ取り組めるよう、京都府や地域の関係機関と連携しながら、企業が活用しやすい仕組みづくりにも取り組んでいます。
第3章:京都府と連携し、企業が取り組みやすい仕組みを構築
当社グループでは、企業ごとに最適なソリューションを提供する中で、中小企業が脱炭素経営へ取り組むためには、制度や仕組みそのものを利用しやすくすることが重要だと考えていました。ポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)(※2)やSLLは、第三者評価の取得やフレームワークの策定など、多くの時間や費用を要することから、中小企業にとって導入のハードルが高いという課題がありました。
こうした課題の解決に向けて、京都銀行は京都府や地域金融機関と連携し、「京都ゼロカーボン・フレームワーク」の構築に参画しました。あらかじめフレームワークや目標設定を整備することで、企業は自社の状況に応じた目標を設定することができ、SLLをより活用しやすい仕組みを実現しています。これにより、脱炭素への第一歩を踏み出す企業を後押しするとともに、当社グループの主なお客さまである、中小企業へ支援を広げられる環境を整えました。
また、京都府や経済団体との情報交換に加え、京都を代表する企業と連携したセミナーや勉強会も実施しています。サプライチェーンの中核を担う企業と金融機関がそれぞれの立場から働きかけることで、企業が脱炭素を自社の経営課題として捉え、取り組みを進めやすい環境を整えています。当社グループでは、こうした地域のネットワークを生かしながら、企業が継続的に脱炭素経営へ取り組める仕組みづくりを推進しています。
第4章:営業店と本部が連携し、企業ごとに寄り添った提案を実現
当社グループでは、多様なソリューションや仕組みを整備するだけではなく、それらを企業ごとの課題に応じて提案できる体制づくりにも力を入れています。企業を取り巻く経営課題は年々多様化しています。脱炭素への対応もその一つです。営業店の担当者が日々の対話を通じて企業の課題を把握し、本部の専門部署が専門的な知見をもとに提案を支援することで、それぞれの企業に適したソリューションを提供しています。
営業店向けには、商品リリース時の勉強会や動画研修に加え、優良事例の共有や炭素会計アドバイザー資格の取得を推進しています。また、法人総合コンサルティング部ではエリアごとに担当者を配置し、営業店への情報提供や取引先への同行訪問を通じて提案活動を支援し、必要に応じ専門サービスを提供する京都総研コンサルティング等のグループ会社と連携しています。また、営業店で得られた知見や成功事例を組織全体へ展開することで、担当者による経験や知識の差を補い、提案力の向上につなげています。
こうした体制の背景には、お客さまは一人の担当者ではなく当社グループそのものと取引しているという考えがあります。営業店と本部がそれぞれの役割を担いながら連携することで、担当者個人の経験や知識に依存することなく、企業ごとの課題に寄り添った提案を組織として実践しています。
第5章:データを活用し、企業ごとに最適な支援へ
当社グループでは、企業の脱炭素経営を支援するうえで、排出量の可視化を取り組みの第一歩と位置付けています。企業の現状を正しく把握し、その後の経営課題の解決につなげるためには、信頼性の高いデータを継続的に蓄積・活用できる環境が重要だと考えています。
その基盤として活用しているのが、金融機関向けGHG排出量可視化プラットフォームC-Turtle FEです。導入にあたっては、企業ごとの排出量データを継続的に把握し、その後の提案や伴走支援へ生かせることを重視しました。一次データや企業の削減努力を反映できる仕組みも、その実現を支える要素となっています。排出量データを金融機関と取引先企業が共有することで、企業ごとの状況や取り組みを把握し、その後の提案やソリューションの提供につなげています。
また、第三者検証への対応においても、算定ロジックや排出係数の妥当性を個別に確認する負担が軽減され、収集したデータの正確性や内容の確認に注力できるようになりました。データの信頼性を高めることで、企業との対話をより深め、それぞれの状況に応じた提案にも活用しています。
今後は、C-Turtle FEを通じて蓄積されるデータを活用しながら、それぞれの状況や経営課題に応じた提案をさらに充実させていく考えです。排出量の可視化を起点に最適なソリューションを提案することで、持続可能な成長と脱炭素化の両立を支援します。対話を重ねながら、一社一社の課題に寄り添ったソリューションを提供し、企業の成長を支えていきます。
そして、金融サービスに加え、多様な経営課題の解決を支える総合ソリューション業として、地域社会全体の持続可能な発展につながるよう、企業とともに歩み続けていきます。
企業紹介
株式会社京都フィナンシャルグループ
近畿2府3県を主要マーケットに、愛知県、東京都にも拠点を置く広域地方金融グループ。京都銀行を中核子会社とし、銀行業務を中心に、リース業務、クレジットカード業務、金融商品取引業務等の金融サービスを提供するほか、コンサルティング業務等の非金融サービスの提供にも注力し、総合ソリューション企業として、地域価値向上により、日本の成長を牽引するトップ金融グループを目指している。
【C-Turtle®】の概要資料は、こちらからダウンロードください。


https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/c-turtle/