
地域で暮らし続けるために、医療に何ができるか
「何よりも、地域に人がいるから私たちは必要なんです」
そう語るのは、医療法人大誠会グループ 本部 本部長の田辺祐己さんです。
群馬県沼田市を拠点とする大誠会グループは、病院や介護施設に加え、居場所づくりや障害者雇用、子ども支援など、地域を支える幅広い取り組みを展開しています。「私たちが大切にしているのは、病気を治療することだけではありません。その後も一人ひとりが住み慣れた地域で健康に暮らし続けられることです。」
一方、高齢化が進み、地域を支える人材も限られていく中で、これまで通りのやり方を続けるだけでは、地域の人々の暮らしを支え続けることが難しくなっています。
「職員にはいつも『今まで通りではダメ』と話しています。環境が変わっていく中で、私たちも新しいことに挑戦し続けなければいけないと思っています」
その挑戦の一つが、デジタル技術を活用した新しいケアです。
「DXは効率化だけでなく、利用者さん一人ひとりにもっと寄り添うための挑戦だと考えています」
まず、運営するサービス付き高齢者向け住宅の居室に「ボイスタ!®」を導入しました。
着目したのは、介護サービスを受けていない時間です。
「介護サービスを受けている時間は、職員やヘルパーがそばにいます。でも、それは一日の中の一部です。自分の部屋に戻って、一人で過ごす時間の方がずっと長い。その時間を、ただテレビを見て過ごすような受け身の時間ではなく、会話をしたり、好きなことを楽しんだりできる時間にしたいと考えました」

医療法人大誠会グループの地域の取り組み
「孤」独にはつながりを、「個」の時間には楽しみを
一人で過ごす時間をどう支えるのか。そこで田辺さんが大切にしているのが、「孤」独と「個」独を分けて考えることです。
「頼れる人がいなくて寂しい、誰からも必要とされていないと感じるような『孤』独は減らしたい。一方で、自分から一人の時間を選んで、趣味を楽しんだり、ゆっくり過ごしたりする『個』独は、その人らしい大切な時間だと思っています」
めざすのは、一人の時間そのものをなくすことではありません。
望まない「孤」独には、会話によるつながりを。「個」の時間には、自分で選べる楽しみを。ボイスタ!では、会話に加え、音楽や体操などを、その日の気分に合わせて楽しむことができます。
「それぞれの人が、自分で好きなことを選べる。それは、自分らしく生きていく中ですごく大事だと思っています」
一人で過ごす時間も、ただテレビなどを見て過ごす受け身の時間ではなく、自分から話したり、音楽を楽しんだり、その日の気分に合わせて好きなことを選べる時間にする。
大誠会グループでは、ボイスタ!を使って、一人ひとりの「個」の時間をより豊かにすることをめざしています。
ボイスタ!で生まれた笑顔とケアの変化
導入後、田辺さんが最も大きな変化として挙げるのが、利用者の笑顔です。
「一番違いを感じているのは、利用者さんの笑顔が増えたことですね。楽しそうにしている姿を見る機会も増えました」
ボイスタ!を利用する機会も徐々に増えているといいます。
ボイスタ!の活用で重視しているのは、全員に同じサービスを提供するのではなく、一人ひとりの状態や生活リズムに合わせることです。
「全員に同じことを案内するのではなく、その人の生活リズムに寄せた使い方が大切だと思っています」
例えば、夕方になると「家に帰りたい」という気持ちが強くなる利用者には、その時間に写真や楽しめるコンテンツを届ける。朝起きる時間やデイサービスなどの予定に合わせて声をかけるなど、その人の暮らしに合わせて活用しています。
また、食事の準備ができたことを伝えるときにも、行動を一方的に促すのではありません。
「例えば食事なら、『時間だから来てください』ではなく、『準備ができましたよ』と知らせる。いつ行くかは、利用者さん自身が選べばいいと思っています」
声かけをきっかけに、自分でできることは自分で行う。利用者の「自分で選ぶ」「自分でできる」を支える使い方です。
一方、日常的な案内や声かけをボイスタ!が補うことで、職員は利用者との対話など、人だからこそできることに力を使えます。
「人でなくてもできることはボイスタ!に頼って、その分、職員には人だからこそできることに力を使ってほしいと思っています」
テクノロジーに任せられることは任せ、人は人にしかできないケアに向き合う。利用者の楽しみを増やすことと、職員が一人ひとりに向き合うこと。その両方を、ボイスタ!が支えています。

入居者がボイスタ!を利用する様子
医療の先にある暮らしから、地域の好循環へ
大誠会グループがその先に見据えているのが、退院後の暮らしです。
治療を終えて自宅へ戻ると、普段どのように過ごしているのかは医療側から見えにくくなります。一人で過ごす中で、孤独や不安を抱える人もいます。
病院に戻ってきた人を再び治療するだけではなく、地域で健康に暮らし続けられるよう支えることはできないか。
「施設や病院から自宅へ帰った後は、本人だけでなく、ご家族も不安があると思います。そこを少しでも支えたいと思っています」
そこで大誠会グループでは、退院後の暮らしにもボイスタ!を活用し、会話や声かけ、見守りなどを通じて、本人や家族の安心につなげる取り組みを始めています。
「地域の方に健康で長く暮らし続けてもらうためには、病院や施設で待っているだけではなく、私たちの方から地域へ出ていくことも必要だと思っています。NTTデータさんにも私たちの考えを理解していただき、その先の在宅まで一緒に取り組んでいます」
そして田辺さんが描くのは、一人ひとりの健康から始まる地域の好循環です。
「地域の方が健康で長く暮らせれば、人が地域に残ります。人が残れば、地元の企業や働く場所も支えられる。そこから雇用が生まれるような、良い循環につなげていきたいと思っています」
病院から自宅へ。医療から普段の暮らしへ。
医療の先にある暮らしを守ることが、地域を笑顔にする。
医療法人大誠会グループとNTTデータは、一人ひとりの暮らしを支えることから、地域の好循環を生み出そうとしています。
法人概要

医療法人 大誠会グループ
群馬県沼田市を拠点に、内田病院をはじめ、介護老人保健施設、サービス付き高齢者向け住宅、訪問看護、訪問介護、居宅介護支援など、医療・介護・在宅サービスを幅広く展開。「笑顔で支える地域医療、それが私たちのまちづくり」を掲げ、地域の人々が自分らしく暮らし続けられるよう、医療・介護から日々の生活まで切れ目のない支援に取り組んでいる。
【ボイスタ!®】の概要資料は、こちらからダウンロードください。


https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/voista/
あわせて読みたい:
-HITOWAケアサービス株式会社の取り組みとは-