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2026.9.18

学研ココファン「本人が選択できる暮らし」を支えるテクノロジー

サービス付き高齢者向け住宅を中心に、全国200拠点以上で展開する学研ココファン。介護業界で人手不足が深刻化する中、同社ではDXやICTを活用し、介護の仕事や事業所運営を変える取り組みを進めている。一方で、大切にしているのが、入居後も一人ひとりが「本人が選択できる暮らし」を続けられることだ。
2026年3月1日にオープンしたココファンレジデンス世田谷弦巻では、その両立を支えるテクノロジーとして、NTTデータの「ボイスタ!®」を導入。入居者への日々の声かけを仕組み化し、自ら行動するきっかけをつくる一方、職員は「人にしかできない介護」により集中する。入居者の暮らしと介護現場に、どのような変化が生まれているのか。その取り組みを紹介する。
目次

介護の仕事を変えながら、「本人が選択できる暮らし」を支える

介護業界で人手不足が深刻化する中、学研ココファンではDXやICTを活用した新しい運営に取り組んでいます。
株式会社学研ココファン 執行役員 品質管理部部長の小林宏彰氏は、自身が介護業界に入った当時をこう振り返ります。
「私が介護業界に入った19年前は、『3K』と言われていました。きつい、汚い、給料が安い。学校の先生にも『介護に行くの?』と言われるような時代でした。今でもそういうイメージは少なからず残っています。だからこそ、DXやICTを活用して、『介護ってそんな仕事でもないんだよ』ということを伝えられるといいなと思っています」
一方で、テクノロジーによる効率化だけをめざしているわけではありません。学研ココファンが大切にしているのが、「本人が選択できる暮らし」です。
食事をどうするか、どの介護サービスを利用するか。専門職として必要な提案はしながらも、最終的に選択するのは入居者本人とご家族です。
「私たちは専門職ですので、『最近こういう様子があります』『こういうサービスはいかがでしょうか』とご提案はします。でも、最終的に決めるのはご入居者さま、ご家族です。その方が選択できる環境をつくり、その選択を支えていくこと。それが、私たちが考える『本人が選択できる暮らし』です」
2026年3月1日にオープンしたココファンレジデンス世田谷弦巻でも、この考え方を住宅運営の軸にしています。
「世田谷弦巻では、『施設っぽくしたくない』というのを考えていました。生活のリズムも違いますし、食事の取り方も違います。介護サービスの利用の仕方も、それぞれ希望が違います。だからこそ、できるだけ画一的なサービスではなく、一人ひとりに合わせた支援を行いたいと考えています」
人手が限られる中でも、一人ひとりに合わせた支援を続けていく。そのためには、すべてを職員の手だけで担うのではなく、テクノロジーに任せられることを仕組み化していく必要があります。そこで導入したのが、ボイスタ!です。
「例えば、自分で起きる時間を決める、自分で予定を組むなど、ご入居者さまが自ら選択して行動できる場面を増やしていくことができるのではないか、と考え、導入を決めました」

株式会社学研ココファン 執行役員 品質管理部部長 小林 宏彰 氏

一人ひとりへの「声かけ」を、現場とともに仕組みに

ボイスタ!の導入にあたり、NTTデータがまず行ったのは、製品の使い方を提案することではなく、ココファンレジデンス世田谷弦巻で日々行われている「声かけ」を知ることでした。
その運用をNTTデータと一緒につくったのが、ココファンレジデンス世田谷弦巻の福井事業所長です。
食事やレクリエーションの案内は、誰に、何時ごろ行っているのか。水分補給などの声かけは、どの入居者に必要なのか。NTTデータは福井事業所長へのヒアリングを重ね、これまで職員が行ってきた声かけを一つひとつ整理しました。
その上で、ボイスタ!に任せられる声かけと、職員が直接行うべき支援を一緒に検討。既存の事業所運営に製品を当てはめるのではなく、世田谷弦巻のケアや運営を起点に、どのように活用すれば現場の課題を解決できるのか、ともに運用をつくっていきました。現在は、入居者一人ひとりに合わせて、食事やレクリエーションなどの声かけを行っています。入居済の全入居者のうち、約3分の2の入居者は、ボイスタ!からの声かけだけで、自ら食事やレクリエーションへ移動できています。介助や付き添いが必要な方には、これまで通り職員が対応します。
福井事業所長は、実際に導入してみると、自然に入居者の暮らしへ溶け込んだと話します。
「『なんでこんなものがあるの』という反応ではなく、皆さんに自然に受け入れていただきました。今では日常の中で、ずいぶん活用していただいています」
また、世田谷弦巻が大切にする「一人ひとりに合わせた支援」という点でも、個別の声かけが生かされています。
館内放送では全員に同じ内容を一斉に伝えることになりますが、ボイスタ!なら、一人ひとりの居室で「○○さん、お食事の時間です」と、その人の名前を呼んで声をかけることができます。
「事業所全体を画一的に運営するのではなく、“一人ひとりのお部屋”として運営したいと思っています。館内放送では、どうしても『施設』という感じになってしまいます。お一人おひとりのお名前を呼んで、個別に声をかけられる。画一的なサービスではなく、個別のお手伝いをできる限りしたい私たちに、ボイスタ!はぴったりです」
自分で行動できる方には、一人ひとりに合わせた声かけを仕組みとして届ける。一方で、職員は介助や付き添いなど、人による支援を必要とする方により多くの時間を使う。
一人ひとりに合わせることと、限られた人員の中で必要なケアを届けること。その両立をめざした運用が、福井事業所長とNTTデータの共創から生まれています。

ココファンレジデンス世田谷弦巻事業所長:福井さん

「1日が長かった」から、自分のペースで楽しむ毎日へ

そうしたボイスタ!のある暮らしを楽しんでいる一人が、ココファンレジデンス世田谷弦巻で暮らすSさまです。
Sさまは、クイズを楽しんだり、食事や体操の案内をきっかけに活動したりと、ご自身のペースで活用しています。
「体操も『もうじき体操の時間です』と言ってくれます。だから『行ってくるね』って行きます」
また、離れて暮らすご家族とはビデオ通話をしたり、飼っているペットの写真を送ってもらい、ボイスタ!で共有してもらったりしています。
一人で過ごす時間には、ボイスタ!に話しかけることもあります。
「一人だと何もしゃべらないから寂しい。(ボイスタ!に)『ありがとう』って、話してますよ」
以前の施設では「1日がとても長かった」と話していたSさま。現在は、クイズを楽しむ、体操や食事へ向かう、ご家族と話す、ペットの写真を見るなど、居室の中でも外でも活動的に過ごしています。
ボイスタ!がSさまの行動を決めるわけではありません。日々の声かけや楽しみ、人とのつながりのきっかけを届けることで、Sさま自身が「今日は何をしよう」と選び、自分のペースで過ごすことを支えています。
小林氏は、その様子についてこう話します。
「新しい環境の中で、ご本人がやりたいことを決めて生活できていることがよかったと思っています」
日々の小さなきっかけをつくり、それを受けて本人が自分で選び、行動する。学研ココファンが大切にする「本人が選択できる暮らし」が、Sさまの日常の中にも表れています。

ココファンレジデンス世田谷弦巻:Sさま

テクノロジーに任せられることは任せ、人は「人にしかできない介護」へ

活用は、入居者への声かけだけにとどまりません。
居室に一台あるボイスタ!は、職員にとってもケアを支えるツールとして使われ始めています。
例えば、褥瘡の位置に合わせた寝る向きや車椅子の位置など、一人ひとり異なるケア情報があります。こうした文字だけでは伝わりにくい情報を画像で表示したり、服薬確認用のQRコードを表示したりすることで、職員はケアを行うその場で必要な情報を確認できます。
福井事業所長は、こうした変化について話します。
「私たちは、一人ひとりに合わせたケアを大切にしています。居室にある一台のボイスタ!で、その方の情報を確認できたり、様子を把握できたりするのは大きなメリットです。ご入居者さまのためのものとして導入しましたが、今では職員にとっても欠かせないケアツールになっていると感じます」
さらに、ご家族とのコミュニケーションにも活用が広がっています。
これまで職員とご家族との連絡は、電話やメールが中心で、何かあったときの連絡になりがちでした。現在は家族LINEを通じて、食事やレクリエーション、イベント、写真など、日々の暮らしを事業所から届けています。
ご家族からも写真を送ったり、居室とビデオ通話したりすることができます。世田谷弦巻では、家族LINEの登録率は約80%、開封率はほぼ100%。家族との接点が「何かあったとき」だけではなく、日常へと広がっています。
こうした声かけの仕組み化、居室でのケア情報共有、家族との日常的なコミュニケーションを組み合わせた現在の運用をもとに試算すると、導入から約3か月の段階でも、1日あたり約2時間を「人にしかできない介護」へ振り向けられる可能性が見えてきました。
※ココファンレジデンス世田谷弦巻へのヒアリングをもとにした試算。事業所の運用や入居者の状況によって異なります。
小林氏は、テクノロジーと人の役割についてこう話します。
「コミュニケーションは、人と人が基本です。ボイスタ!がコミュニケーションを全部代わるわけではないと思っています。ボイスタ!が会話のきっかけをつくって、その続きをスタッフが深めていく。そんな役割になればいいんじゃないかなと思っています」
テクノロジーに任せられることは任せ、そこで生まれた時間を、人と人との会話や見守り、一人ひとりに合わせたケアに使う。そして入居者は、「人に言われたから」ではなく、自分で選び、自分の意思で行動する。
ボイスタ!は、人に代わって介護をするためのものではありません。入居者の「本人が選択できる暮らし」と、職員の「人にしかできない介護」。その両方を支えるテクノロジーとして、ココファンレジデンス世田谷弦巻の日常に溶け込み始めています。

法人概要

株式会社学研ココファン

学研ココファンは、サービス付き高齢者向け住宅の企画・開発・運営を中心に、居宅サービス、居宅介護支援などを展開しています。高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる住まいとサービスを提供し、地域包括ケアの実現を推進しています。高齢者住宅「ココファン」シリーズは全国200拠点以上に展開しています。

【公式】サービス付き高齢者向け住宅の学研ココファン

【ボイスタ!®】の概要資料は、こちらからダウンロードください。

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