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2015年7月3日技術ブログ

[第39回]顧客の経験価値をより効果的に高めるビッグデータ活用

顧客をより深く・より的確に知るためにビッグデータを活用することは、企業に大きな利益をもたらすといわれている。ただ、現実にはそうした企業はまだまだ少ない。

近年、ユーザーは大手ECサイトでパーソナライズされたオススメを受けることが一般的になっており、その経験に基づき銀行などの顧客接点がある企業からも同様のサービスが提供される期待を持っている。しかし多くの企業は以下のような問題を抱えており、ユーザーの期待に応えるのは決して容易ではない。

  • 不十分なターゲティングや無関係な商品・サービス提供により、機会損失を招いていること
  • マーケティング費用の割に、限られた顧客像しか理解できないこと
  • ビジネススピードに耐えうる状況把握ができず、競争力の喪失・顧客の離反が生じていること

では、よりユーザーの期待に応えるサービスを生みだすポイントとは何だろうか。

1.顧客360度視点なしでは大きな機会損失を招く

従来の顧客分析では、性別、年齢、居住地域、所得、職業、学歴、家族構成など、デモグラフィックデータを中心に、店舗チャネル、ネットチャネルなど個別に分析することが多かった。これでは限られた角度からしか捉えることができない。

個客を360度すべての角度から理解することができなければ、既存顧客の維持、成長、収益の向上を実現することは難しい。また、360度視点を得るためには、さまざまな情報を組み合わせた単一のビューであることと、行動に合わせてリアルタイムに情報が更新されなければならない。

従来からの「全社として何が起きたのか」を把握するためのBIにとどまるのではなく、個客に対し何をすべきかの「判断」の多様性を理解できることにこそ価値がある。その判断を導く分析・学習過程は、これまでの顧客の一義的な物差しに基づく分類を主眼とした統計手法とは異なる。

2.大量のデータの割には得られる知見が少ない?

企業は多くのデータをすでに保持しており、これからも指数関数的に増大していく。しかし、なぜ未だ十分に顧客理解が進まないのか。それには以下の課題があると考えられる。

  • 複数のシステムに内部データが散在している=情報が統合されていない
  • 外部および非構造データの増加=80%もの情報が活用し切れていない
  • データ生成速度と活用鮮度のギャップ=分析が終わる頃には興味が移っている
  • 目的ごとに顧客ビューが散在=同一顧客でも部門ごとに見え方が異なる
  • 組織の未整備とスキルセット不足=複雑なシステムとデータに対処する組織的な専門知識が追いついていない

顧客理解のためのデータや各種指標は常に変わりゆくものであり、顧客の経験価値のあり方も変化し続けるものである。そのため、単一の見方に固執すべきではない。逆に固執することから解放されることが、ビッグデータ活用においては重要となる。

3.リアルタイム×個客理解

以上より、ビッグデータを活用した顧客理解のためには、データ取り扱いの柔軟性、分析ロジック、指標設定の柔軟性が求められる。

NTTデータでは顧客経験価値を最大限に高めるために、「リアルタイム」に「個客を深く理解する」ビッグデータソリューションを展開している。要素としては3つあり、「情報収集」「分析・学習」「施策実行」から成り立つ。ゼロから作り上げるものではなく、既存の基幹系システムや情報系システムおよびマーケティングシステムの仲立ちをする仕組みであり、素早く導入し、即効性があり、NTTデータが持つ高度なデータ分析技術を組み込んでいることが特長となっている。

情報収集

デモグラフィックデータ、トランザクションデータ、行動データ(インタラクションデータ)などの企業内外のデータを、活用のために必要となる情報の鮮度に応じて、リアルタイム、バッチにて収集し、データのエンリッチ化を図る。

分析・学習

収集された顧客の情報を元に詳細なプロファイルを、機械学習などを利用して自動生成し、リアルタイムにプロファイル情報を更新し、学習し続ける。生成されたプロファイル情報は単一ビューとして営業部門、マーケティング部門などに共通的に提供される。

施策実行

リアルタイムに更新されるプロファイル情報を元に、個客が現在何に興味を持っているのか、何から興味を失っているのかを的確に把握し、精度の高いオファーをタイミングよく提供する。

なお、本ソリューションは単にシステムを提供するのではなく、継続的にビッグデータを活用していくために必要なコンサルティングやデータ分析支援も含まれており、共創のための仕組みと位置づけている。

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