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2016年1月21日技術ブログ

[第44回]金融とITの最前線 ~Sibos2015にて~

今世界中の注目を集めている「金融×IT」すなわち「Fintech」を巡る動きについて、世界中の金融機関に決済インフラを提供しているSWIFT(国際銀行間通信協会)が1978年から開催している"金融とITの世界最大のイベント「Sibos2015」"の模様をリポートする。

1.Sibosとは?

Sibos(サイボス)は、各国中銀や金融規制当局、さまざまな金融機関のIT関係者、ベンダー等が集まる、金融とITの分野で世界最大の国際会議です。毎年アジア・オセアニア、北米、欧州を巡回しており、2015年の開催地はシンガポールでした。四日間にわたり、最新のソリューションから地政学・マクロ経済動向まで幅広いテーマで数百の講演、パネル、ワークショップ等が開かれ、さまざまなステートメントが発表されたりします。また面白いのは、100を超える各社の展示ブースと多くの商談スペースが併設されていることです。言わば会議と展示会双方の性格を合わせ持った巨大イベントで、今回は史上二番目に多い約8,000人が参加しました。

2.今回のキーワードは?

基調講演では、SWIFTの幹部達が揃って「今起きているのは破壊(Disruption)ではなく、変革(Transformation)だ」と強調しており、このフレーズは期間中、さまざまな場面で耳にしました。SWIFTは新しい技術を取り入れて変化していく、というメッセージに解釈できます。同時に、仮想通貨・ブロックチェーンといった大きな話題になっている新技術に対する、やや冷静な姿勢をも表しているように感じられました。その他の話題としては、バーゼル規制、日本と中国の経済、また今回初めてDiversity Forumという人材面の多様性を扱う一連のセッションが開催されたのも一つの変化だと思います。

3.何と言ってもFintech、特に仮想通貨・ブロックチェーンだったのでは?

確かに、最先端の取り組みを紹介する「Innotribe」という名物コーナーでは、連日さまざまなスタートアップが登壇して大盛況でした。中でもブロックチェーンは高い関心を集めたようです。参加者にブラックベリーを渡して、その場でアンケートしながら進めるタイプのセッションもあり、興味深かったのは「ブロックチェーンへのスタンスは?」という質問に、4割近くが「まだモニタリング中だ」と答えたことです。これまでのいわゆるバズワードとは明らかに何かが違う。大きな変化の波が来そうだ。でも、具体的にどうすべきか決めかねている。世界の最先端を走っている人達も、皆それぞれに悩んでいるようです。

4.その他興味深かったことは?

前職でコーポレートファイナンスを担当し、現在はISOの国内委員を務めているので、事業法人向けのCorporate Forumと、新しい金融サービスメッセージ標準ISO20022を取り上げたStandards Forumに主に参加しました。

前者では今回発表されたSWIFTへの接続サービスAlliance Lite2の機能追加に注目です。保有口座の残高一覧や資金予測等、これまでSWIFT接続の他に何らかのアプリケーションソフトが必要だった機能が、ブラウザだけで利用できるというもので、さらにExcel形式で出力できるオプションも開発中とのこと。提供されれば企業のキャッシュマネジメントは大きく変わる可能性があります。

後者では、「ISO20022協調憲章」が発表され、各国の中央銀行や証券取引所等「金融市場インフラ」を提供する組織が、新しい国際標準の普及に向けて協調することが表明されました。

金融とITの世界は、今大きな「変革」の時を迎えようとしています。私達NTTデータも、その変革の一翼を担うべく、Fintechを巡る多様なプレイヤーの素早い動きを見逃さないとともに、これらをリードすべく自らも加速していく所存です。

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