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2019.7.3技術ブログ

技術トレンド「パーソナルデータの追考」
NTT DATA Technology Foresight 2019シリーズ~Vol.11

情報社会を取り巻く大きな潮流とITのトレンドを示す「NTT DATA Technology Foresight 2019(※1)」を全12回で紹介。第11回は技術トレンド「パーソナルデータの追考」

パーソナルデータの流出と目的外利用

身の回りにある多くのデバイスは、我々の生きた痕跡を逐次デジタルな情報として残しています。自ら入力した氏名や生年月日等の属性はもちろん、Webページの閲覧履歴やGPSによる行動履歴、ECサイトでの購入履歴等、多くの「自分」にまつわるデータがデジタル空間上に蓄積され続けているのです。これらのログは本人の自覚、無自覚に関わらずデバイスからインターネットを通じて送信され、企業が提供するサービスの改善やパーソナライズに利用されます。
パーソナルデータの価値は非常に高く、これらを狙ったサイバー攻撃は後を絶ちません。また、企業によるデータの不正利用や不正収集も大きな話題を呼びました。個人に紐づくデータはその価値の高さゆえに、多方面から狙われ、そして利用される状況が続いています。

世界的に進むパーソナルデータ保護

サイバー攻撃や企業による情報の望ましくない収集や利用は、世界的な情報保護の流れを生み出しています。EUで採択されたGDPRは2018年5月についに施行されました。この規則はデータを生む個人に対しデータをコントロールするための権利を付与し、データを保有し利用する企業に対し様々な規則を定めています。EUではさらに通信の保護強化を目的とした規則も検討されており、一部業界団体と政府の間で激しい対立が繰り広げられています。EU以外の地域においても保護の動きは活発です。
こうした中、データ保護のための技術的対策はより重要性を増しており、防御のためのAI活用といった防御の質を高めるための努力は続いています。また、個人においてもデータを自ら守るという方向にシフトし始めました。履歴等を一切追跡しない検索エンジンは、利用数が増加しています。こういったプライバシーを重視したサービスや機能は今後さらに数を伸ばすでしょう。

期待が高まるデータの流通

データ保護が加速する一方、データを正しく流通させることで、その価値を最大限発揮できる環境を整えようとする動きにも期待が寄せられています。パーソナルデータストアは、欧州をはじめ日本を含む世界各地で実現に向け具体化され始めました。(※2)
データを流通させるためには、各企業が持つ個人のデータを容易に移動できることが必要です。サービスごとにデータの形式や保管方法が異なる場合でも、データフォーマットなどのデータ移動の際の統一的なルールに対応すれば、流通の敷居はより下がるでしょう。
技術の進展は、流通させるデータの幅を広げようとしています。個人のデータを個人と紐づかない形に加工する匿名化の技術、暗号化されたデータに対し、複合化することなく処理を可能とする秘密計算も注目です。こういった技術によって、これまで扱いの難しかった機微な情報も安全に活用できます。組織の枠を越えたデータ流通により、新たなデータ活用の可能性も生み出されるでしょう。

求められる保護と流通のバランス

行き過ぎたデータの流通は軋轢を生む可能性もあります。パーソナルデータを扱う際には、規則の遵守に加え、個人が受け入れやすい活用方法を模索することが課題です。
この課題解決の一つの方向性として、スマートフォンといったデバイス内に閉じたAIの処理が挙げられます。クラウドにデータを送信しなくてもよいため、個人のプライバシーに配慮しつつ、よりパーソナライズされたサービスの実現が期待できます。
本当に必要なデータの見極めも重要です。あるストリーミングサービスは、レコメンドの精度向上に国や性別、年齢といった個人のデータを利用しません。代わりに視聴履歴や利用時間等からユーザの特性を分析しサービスを改善することで、利用者や売上の拡大につなげています。既存の指標や慣習に捕らわれない新たな視点が、顧客の信頼獲得とサービス拡大への第一歩となるかもしれません。パーソナルデータの保護と活用という、相反する両者が均衡するポイントを模索し続けた先に、さらなる経済発展につながる新たなイノベーションが見えてくるでしょう。
※1 「NTT DATA Technology Foresight」特設サイト

http://www.nttdata.com/jp/ja/insights/foresight/sp/index.html

※2 情報銀行の仕組みを支えるプラットフォームの実証実験を開始

https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2019/021800/

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