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2022年2月7日事例を知る

社員のホンネやスキルを見える化!新しい人材情報管理

テレワーク導入が進み、働く場所を選ばない柔軟な働き方が可能となってきた。一方、個人に割り当てられた仕事の範囲を明確に線引きしない従来の働き方ではうまく機能しないことや、各自の成果が見えづらいこともある。この糸口となるのが、点在する人材情報を横串を通して一元的に見られる仕組み作りだ。テレワーク環境下における最適な人材管理を探る。
目次

リモートワーク・システム内製化時代における人材管理の難しさ

リモートワークが定着し、同僚やチームメンバーの近況の変化や体調面などを把握することが難しくなったと感じる方は多いことでしょう。私自身もほぼ在宅勤務となったのですが、オンラインでの雑談が苦手なことも相まって、チームメンバーとの気軽なコミュニケーションが不足していることを寂しく思っています。
一方で、往復2時間以上の通勤時間の削減や、オンライン会議が主流になったことで以前よりも打ち合わせの設定がスムーズになるなど、テレワークへの移行当初に想像していた以上にメリットも感じています。
こうしてこれからの働き方としてリモートワークが定着する中、人材管理は従来通りでよいのでしょうか。

リモートワーク下での人材管理における課題の一つには、コミュニケーション不足やモチベーションの管理があります。Web会議システムを活用することで、会議は問題なく開催できるようになっていますが、オフラインでのコミュニケーション機会が少なくなり、チームで仕事をする一体感や達成感はこれまでよりも感じづらく、人によっては孤立感を感じる可能性があります。また、オフラインでのコミュニケーション不足の中でも社員が高いモチベーションを保ち続けられるよう、工夫も必要になってきます。
また二つ目の課題としては、社員のスキル・ノウハウの把握があります。従来のように、仕事のプロセスや姿勢を直接見る機会が減り、アウトプットや成果によって社員のスキル・ノウハウを把握し、育成や仕事へのアサインを行っていく必要があります。新しくチームを組成するにあたって、チームでスキルを補完しあうために求められるスキルや役割を明確化する必要が高まり、それにマッチする人材が社内のどこにいるのかを探すことも必要とされます。

人材管理の在り方に影響を与えるのはリモートワークをはじめとする働き方の変化だけではありません。たとえば、システムユーザー企業ではシステムの内製化の動きが広がっています。内製化とは、従来NTTデータのようなIT企業が担っていたITに関する領域を、お客さまが主体となって推進していくことです。内製化が進むと、社内に不足するスキルを補完するために社外からの人材登用や、社内の人材のリスキルなどの取り組みが必要になってきます。この取り組みに欠かせないのは、現在社内にいる人材のスキルを正しく把握することです。

では、社員の専門性や志向を正しく把握し、組織としての競争力を高めていくにはどうすればよいでしょうか。その一つの解決策が「人材情報の活用」です。

社員のホンネや隠れたスキルを発掘し活用

「人材情報の活用」といっても、簡単ではありません。人材情報には、勤怠関連や上司部下との目標設定に関するコミュニケーションシート、評価情報、資格・スキル情報等、さまざまなものがあります。ほかにも面談時のコメントを記載したメモ情報や、パルスサーベイ(※1)といった意識調査の結果など、データの種類もさまざまです。これらの情報は通常、目的に応じてシステムが分かれており、ある社員についての全ての情報を把握したい、という場合には個々のシステムへアクセスする必要があるのが多くの企業の現状です。

図1:人材情報管理の現状

図1:人材情報管理の現状

点在する情報を俯瞰的に見られないこうした状況では、

  • 評価情報からは順調そうに見える社員が、実はパルスサーベイの調査結果が低く、現在の仕事への適正に不安を抱えていた、といった問題に気付かない
  • 面談時のメモ情報(自然言語)の中にだけ特筆すべきスキル情報が記載されており、情報が埋もれてしまった結果、スキルを生かした配置につながっていない

といったことも起こりえます。

この課題を解決するため、グローバルに事業展開をしている製造業のあるお客さまは、システムと組織を横断して人事に関するデータを共有・可視化し、必要なタイミングと多様な軸で検索可能な仕組みづくりに取り組みました。この取り組みを支援したのが筆者の携わるABLER®(※2)です。具体的には図2の工程を実施しました。まず社内に存在するあらゆる人事にまつわる情報を統合し、情報に応じた適切な権限のもと、さまざまな軸で情報へのアクセスを可能にしました。

図2:ある製造業のお客さまの事例

図2:ある製造業のお客さまの事例

こうすることで、ある社員に関する評価や職歴、スキル、専門性、周囲からのコメントといったさまざまな情報を一元的に確認できる状態「社員360°ビュー」を実現しました。

社員360°ビューで一元化されたデータのなかで特にお客さまから注目されているのが、自然言語に含まれる情報です。自然言語解析技術を活用し、面談メモの中に記載されている「すぐには難しいが、グローバル業務への意欲がある」といったような上司部下とのコミュニケーション上の情報としてのみ活用されがちな社員のホンネにあたる情報に対して、「グローバル業務希望」というタグ情報を付与することで、人事部門や他部署のマネージャー層からも希望する人材が検索しやすくなるということが実現できます。また、「前職で●●に関する資格を取得」といった一見表にでにくいスキル情報やポジティブ情報といった注目すべき情報を抽出し、可視化および検索も可能です。その結果、お客さま社内では従来把握が困難であった国内外含めた全社員のスキル検索や専門性の把握が本システムへアクセスするだけで可能となり、チーム組成が効率化したという効果も出ています。

(※1)パルスサーベイ

会社が社員の満足度や心の健康度を把握するための調査

(※2)NTTデータのデータ活用ブランド

https://abler.nttdata.com/

バイタルデータなど、人材情報は多様化

近年は、働き方の多様化に合わせた健康管理に対応するため、バイタルデータの活用も注目を集めており、活用できる人材情報はさらに増えていくことでしょう。
ABLERでは、本稿での事例で活用した多種多様なデータの統合や自然言語解析などの技術を活用した人材情報活用に関するソリューションを提供しています。また、単なるソリューション提供にとどまらずお客さまの現状の課題に応じたユースケース検討なども含め、データ活用をトータルで支援しています。
NTTデータはお客さまが価値あるデータを活用し意思決定ができる環境を実現するDXパートナーとして、お客さまのデータドリブン経営に貢献していきます。

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