NTT DATA

DATA INSIGHT

NTTデータの「知見」と「先見」を社会へ届けるメディア

絞り込み検索
キーワードで探す
カテゴリで探す
サービスで探す
業種で探す
トピックで探す
キーワードで探す
カテゴリで探す
サービスで探す
業種で探す
トピックで探す
2023年2月28日技術ブログ

ビジネスを変革するValue Stream Management

組織がサイロ化していると、ビジネス全体で見たときに何を改善するべきかという判断を行うことが困難になる。
Value Stream Managementは顧客ビジネスにおける“価値を作る活動”に着目し、その流れを可視化・分析することでこの課題を解決する。
目次

1.Value Stream Managementとは

ビジネスが多様化・複雑化していく中、各組織がサイロ化している状態だと、エンドユーザーへ価値を提供するまでに非効率や無駄が発生したり、サイロ間でのボトルネックに気づくことが難しくなったりします。また、ビジネスに対するトレーサビリティがない状態では、今後のビジネス拡大に向けて何を維持し、何を改善するべきかという判断が行えません。

こうした課題に対して、本来ビジネスの中心にあるべきプロダクト/サービスが要求されてから、エンドユーザーに提供されて“ビジネス価値”が生まれるまでの“価値を作る活動”に着目し、その流れ(Value Stream)を可視化・分析することで、顧客への提供価値を最大化していくプロセス改善の手法がValue Stream Management(以下、VSM)です。VSMを活用することによって、業務上のボトルネックを解消し、組織をまたがったコラボレーションが可能となります。

2.Value Stream Managementを導入するには

図:VSMの導入手順

図:VSMの導入手順

VSMを組織に導入していくにあたって大きく3つの手順を踏む必要があります。(図)

手順1:
要求を受けてから価値を届けるまでのValue Streamを特定し、そこから生み出される“ビジネス価値”を定義する

手順2:
“価値を作る活動”に関する情報を収集・メトリクスを生成してValue Streamを可視化する

手順3:
手順1で定義した“ビジネス価値”と手順2で生成したメトリクスとの関係を分析することでビジネスバリューを最適化する

最初の手順1では、Value Streamの特定と、“ビジネス価値”(Value:売り上げや業務上のKPIなど、Cost:人件費など、Quality:品質指標値など、Happiness:従業員満足度など)を定義することが重要となります。VSMではプロダクト/サービスを中心とした価値の流れをValue Streamと定義しており、そのプロダクト/サービスに関わるステークホルダーを集めて、Value Streamを形成するのに必要なプロセスを特定し、その一連のValue Streamから期待される“ビジネス価値”を定義します。

次の手順2では、特定したValue Stream上のプロセスに対応した組織・チームの“価値を作る活動”に着目し、それをインプットにしてメトリクスを生成していきます。具体的には、JIRAに代表されるようなアプリケーションライフサイクルマネジメント(以下、ALM)ツールなどで管理しているカンバンボード上の情報などをインプットとします。例えば、Value Stream上で行われている“価値を作る活動”を遂行するのにかかった時間や、待ち時間、作業量、またそれぞれがどのような種類の活動であるのか(新しい価値を作るためのものなのか、技術的負債に対応するためのものなのか、など)の分布を分析し、メトリクスの可視化やボトルネックの可視化を実現していきます。VSMツールを各種ALMツールと連携させることによって、Value StreamのEnd to Endでのリアルタイムな可視化が実現されます。

最後の手順3では、手順1で定義した“ビジネス価値”と手順2で生成した“価値を作る活動”から計測されるメトリクスとの関係を分析します。それにより組織をまたがってサイロ化しているValue Stream上でのボトルネックや課題を定量的に把握し、その改善を促すことで、最終的にValue Streamの改善、ビジネスバリューの最適化を実現します。

このようにして、プロダクト/サービスを中心として“ビジネス価値”を最大化するために、どのような“価値を作る活動”に注力すべきかを定量的に示し、組織に対して実行を促すことがValue Stream Managementの目的です。

3.NTTデータにおけるValue Stream Managementの取り組み

NTTデータでは、業界でのプレゼンス向上のためにValue Stream Management ConsortiumというVSMの実践に取り組む企業および個人によって結成されたアライアンスに、Global SIベンダーとして世界初の加入を果たしました(※1)。また、VSMツールベンダーであるPlanview社とパートナーシップを締結し、コンサルティングサービスからVSMツール導入までワンストップでのソリューションを提供する基盤を築いています。VSMの取り組みについてはホームページにも記載していますので、ぜひご確認ください(※2)。3/14-15開催のNTTデータテクノロジーカンファレンス2023(※3)では事例を交えながら、より詳しく本技術とその取り組みについて説明します。

(※1)VSM consortium: NTT DATA Becomes First Global System Integrator to Join Value Stream Management Consortium

https://www.vsmconsortium.org/news/ntt-data-becomes-first-global-system-integrator-to-join-value-stream-management-consortium

(※2)NTTデータ システム技術本部 ADM技術部 HP

https://www.nttdata.com/jp/ja/services/adm/

(※3)NTTデータテクノロジーカンファレンス 2023

https://oss.nttdata.com/techconf2023/

イベントのお知らせ

NTTデータ主催 オンラインイベント

NTTデータは、2023年3月14日~15日の2日間 「NTTデータ テクノロジーカンファレンス 2023」 をオンラインイベントとして開催いたします。

本イベントでは、NTTデータならではの先鋭的な技術トピックを、一緒に取り組んだお客さまとの事例を交えながら、NTTデータの技術者がご紹介いたします。

ぜひお気軽にご参加ください。

本稿に関する講演情報

この波は日本にも!「Value Stream Management」って…何?
(NTTデータ 技術革新統括本部 浅原 舜平)
(NTT DATA Americas, Inc. Daniel Presten)

イベント詳細、お申し込みはこちら
https://oss.nttdata.com/techconf2023/

お問い合わせ