わずか18ヶ月で、5,000万ユーザ、10億ドルの価値
2012年4月、FacebookがInstagramを10億ドルで買収、という衝撃のニュースが流れました参考1。Instagramはスマートフォン向けの無料の画像共有アプリケーションで、FacebookやTwitterなどと連動し、写真を共有します。画像フィルタが人気で、スマートフォンで撮影した画像を手軽におしゃれに編集することができます。
Instagramは2010年10月にわずか2名で始動し、買収された2012年4月には創業者の2名と従業員13名で、5,000万人のユーザを抱え、10億ドルの価値がありました。このような急成長ができたのも、クラウドを有効活用したおかげだと言われています。
本稿では、みなさんもすぐに利用できる今日のITサービスの開発・運用を支える開発環境クラウドをご紹介します。
GitHubでソーシャルコーディング
ソフトウェア開発において、バージョン管理は欠かすことができません。バージョン管理をクラウドで提供しているサービスは多々ありますが、今最も勢いがあるのはGitHub参考2でしょう。先日もGitHubが1億ドルの資金調達を行ったことで話題を呼びました参考3。
GitHubは、比較的新しい部類に入るGit参考4というバージョン管理システムをクラウドで提供していますが、「GitHubを使いたいからGitを覚えた」そんな話もエンジニアからよく聞くほどです。GitHubはソーシャルコーディングをキーワードに、他の開発者やOSSのリポジトリをウォッチする機能や、バグや課題を管理するIssue機能や、Wikiによる情報共有機能を備えています。プライベートリポジトリも従量課金で安価に作成することができます。さらに、GitHubはjQueryやJenkinsなどの有名なOSSプロジェクトを無料でホスティングしています。
ビジネスの成長にあわせてスケール
サービスの成長や利用時間帯のピーク性にあわせてクラウドをうまく使うことで、ハードウェア調達のタイムラグ無しに、必要な時に必要な分だけコンピュータリソースを使うことができます。市場に受け入れられるかわからないサービスも、最小限の投資でスタートできるのが特徴です。
Heroku参考5はPaaSサービスの代表例で、Ruby、Node.js、Clojure、Java、Python、Scalaなどの実行環境がすぐに利用できるため、開発者はコーディングだけに集中できるようになります。先日salesforce.comに買収されたことで話題を呼びました参考6。
IaaS/PaaSサービスではAmazon Web Services(AWS)やWindows Azureもよく利用されています。
図:Herokuの従量課金シミュレーション例
開発の周辺を固めるツールもクラウドで
ソフトウェア開発では、他にも顧客からの要望管理やバグの管理、進捗管理のツールが必要です。これらのALM(Application Lifecycle Management)プラットフォームも多くがクラウドで提供されています。
JIRA参考7を中心としたエコシステムを形成しているAtlassian参考8や、アジャイル開発のタスク管理に特化したPivotal Tracker参考9など、多くのALM製品がクラウドで提供されています。
まとめ
IT業界はトレンドの移り変わりが大変早く、先行者利益が大きい業界です。FacebookやTwitter、スマートフォンなど10年前は存在していませんでした。クラウドの技術が成熟して、利用しやすくなってきたことで、素晴らしいアイディアをスピーディ・スモールスタート・ローリスクで始められる環境が整ってきています。
NTTデータでは、開発環境クラウドを効果的に使うことで、システム構築・サービス開発を効率化しています。