1.中国でも、より早く、効率的で、低コストの治験実施を目指し、EDCサービスの利用ニーズが高まっている
昨今のグローバル化の進展に伴い新薬開発の国際競争が激化し、新薬開発期間の短縮、開発コスト削減が製薬会社の重要課題となっていた。
欧米ではITを活用した治験業務(薬品の効き目や安全性について臨床試験を行うこと)の効率化・スピードアップを目的に、臨床試験情報を電子的に収集し、一元管理するEDCサービスが先行して普及し、その流れを受けて、日本でも同サービスが積極的に導入されてきた。
近年、製薬会社の販売戦略の一環で、中国での新薬販売を強化し、更に、中国は国土が広い事もあり、従来の紙ベースでの治験や、紙情報の収集には大変な労力と時間を要するため、EDCサービスの利用ニーズが急激に高まっていた。
2.日米欧で導入されたEDCサービスをNTTデータが中国市場にも展開中
NTTデータでは、製薬会社の戦略やニーズをいち早く捉え、10年以上に渡るEDC製品の開発・販売経験を有する米DATATRAK社と2008年に提携し、臨床試験電子化ソリューション「DATATRAK eClinical™」(現サービス名称は「DATATRAK ONE」)サービスの提供を、日本では2008年4月から開始し、中国では2012年5月から開始した。
図:DATATRAK ONE™サービスの概要
3.中国国内に営業拠点とサポート窓口を設置し、細かなサポートを実施
中国国内での営業を強化し、提案・販売活動を本格的に実施するために、中国上海にある当社の海外グループ会社のNTT DATA(中国)と連携中である。NTT DATA(中国)には、本サービスの専任部隊を配置し、中国国内における本サービスの初の営業拠点の位置付けである。
また、本サービスのユーザーへの細やかなサポートを実現するため、中国国内にヘルプデスクを設置済みである。ヘルプデスクでは、各ユーザーからの質問等に対しては、本サービス内容を熟知した中国人オペレーターが電話や電子メールにて対応している。
4.中国市場での展開計画とアジア地域への展開計画
2012年5月から中国市場にて本格販売を開始し、中国法人を設立している製薬会社やCRO(製薬会社の医薬品開発業務受託する会社の総称)に積極的な営業を実施してきた。
その結果、2013年12月現在、複数の製薬会社の複数の治験業務にて「DATATRAK ONE」サービスが利用され、大変好評を得ている。
この他、中国国内の販売パートナーとして重要な位置づけである、CROとの営業連携も実施しており、製薬会社への共同営業等の活動によって、本サービスのより一層の採用・利用拡大が見込まれる。
今回、最初のグローバル展開として中国市場への展開を行ってきたが、近年、中国以外のアジア諸国での進出を計画している製薬会社も増えてきている。中国以外のアジア諸国への展開に関しては、NTTデータのグローバルビジネス戦略とグローバル拠点連携施策と一致するため、今後、市場拡大が期待される、シンガポール、台湾、韓国等への展開も視野に入れている。