1.次世代のグローバル経営とIT活用
既存型のグローバルIT導入・管理では、業務基幹システムを各事業拠点に導入し、販売管理などのベースライン業務、会計などのバックオフィス業務を標準的にIT実装することが主眼だった。
次世代サービスプラットフォームでは、Digital businessとの融合、オムニチャネル戦略、Cloud serviceの最大活用、ボーダーレスなIT活用など、一層踏み込んだ戦略の実行が必要とされる。もちろん、既存の仕組みやオペレーションもあわせてグローバル最適化させ、より競争力の高い仕組みを構築していくことも必要である。
2.グローバルオペレーションプラットフォームとは
NTTデータが提唱する「グローバルオペレーションプラットフォーム」は、グローバル競争環境に打ち勝つための次世代サービスプラットフォームである。製品/サービスをグローバル開発し、ボーダーレスに市場提供するための「業務オペレーション」、それを実行するための法人横断な「機能組織」、さらに実業・オペレーションから迅速に情報収集して次の一手を打つための「事業戦略」、実現手段としてのITから成る。拠点最適やリージョン最適ではなく、グローバル全体最適を志向し、さらなる成長を持続的に目指すための仕組みである。このプラットフォームは企業内のみならず、業界での企業間オペレーション、業界横断しての異業種コラボレーションをも実現できるものでなければならない。
3.業務パッケージの最大活用
グローバルオペレーションプラットフォームの構築には、業務パッケージのグローバル最大活用によるオペレーション統合と組織整備を進めることが重要である。
業務パッケージでは、企業の広範囲な業務オペレーションをサポートするERPパッケージの導入、とりわけ製造業ではSAPを利用する企業は多い。しかし、標準テンプレートが準備できていても、展開に時間がかかったり、実装では海外各拠点で個別バラバラになったりしていることも多い。結果的に異なるERPが導入されていると、IT費用の肥大化はもとより、オペレーションと業績を飛躍向上させることは難しい。
グローバルに業務標準化を進めるだけでなく、企業、業界、業界横断のビジネスオペレーションと、それらに対応するソリューションを標準化した業務パッケージを最大活用することが成功の可否を握る。
4.オペレーションとITの統合、お客様先進事例
グローバルオペレーションプラットフォームの成功事例として、NTTデータがグローバルパートナーとしてご支援したお客様のプロジェクトをご紹介する。
通例のようなグローバル基幹システムロールアウトプロジェクトではなく、国境横断でプログラムマネジメントチームを発足し、飛躍的なグローバル業容拡大のための戦略立案し、オペレーションとITを最大限アウトソーシングし、新規市場進出とお客様へのサービスの迅速化に取り組んだ事例である。
この取り組みでは、業務とITからの選抜メンバーが複数プロジェクトを束ねた戦略プログラムを入念に準備し、標準業務と標準ITを詳細にデザインし、実現レベルでのテンプレートにまで昇華させ、それから実装展開を行った。展開局面では1プロジェクトあたり100日でのGo-liveという実績になっている。
この事例でのキーポイントは、点(特定業務)だけでなく面(全業務)でのグローバル標準化、Talent management、パッケージの最大活用である。スピーディな戦略展開、実現手段としてのプラットフォーム構築という当初目的達成はもとより、短期導入によるコスト低減、業務ユーザーの負荷軽減を実現することができた。
5.NTTデータでの取り組み
NTTデータでは、業界別のソリューションをパッケージ化しており、導入時の負担を減らし、効果を最大化するための仕組みを用意している。具体的には以下のソリューションと導入するための仕組みであり、日本、アジア、欧州、米国、アフリカでの導入実績がある。
- 世界中の8,600名以上のSAPコンサルタントから成る"Global One Team"、業界別テンプレート、クラウドサービス
- グローバルオペレーションと経営を可視化し次の一手を示唆するBusiness Analytics
- 純国産ERPパッケージの"Biz∫"(ビズインテグラル)
- オムニチャネルをはじめシームレスな業界連携を実現するためのサービス"BizXaaS"(ビズエクサース)
グローバル競争新時代での、業務とITのあるべき姿を今後ともお客様にご提供し、ITシステムの導入コンサルティングから運用保守までを一気通貫でサービス提供できることがNTTデータの強みである。今後とも顧客のビジネス成功のベストパートナーとしてサポートを続けていきたい。