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2020.4.16業界トレンド/展望

世界6位のデザイン手法を学ぶ!「Basics of UX Design研修」に参加してみた!

NTTデータでは、サービスデザイン手法の基礎を学ぶ「Basics of UX Design研修」を社員向けに開催しています。今回は、2019年QS世界大学ランキングのデザイン部門で世界6位に輝くミラノ工科大学の教授や准教授などを迎え、六本木のデザインスタジオ「AQUAIR」で5日間にわたって開催されました。SDDX事業部から参加した2名が、学んだことやその面白さをシェアします!

NTTデータのマーケティングDXメディア『デジマイズム』に掲載されていた記事から、新規事業やデジタルマーケティング、DXに携わるみなさまの課題解決のヒントになる情報を発信します。

UXデザイン

静 史恵
株式会社 NTTデータ ITサービス・ペイメント事業本部SDDX事業部マーケティングデザイン統括部デジタルマーケティング担当 主任
2010年にNTTデータ入社。アミューズメント領域における決済系システムの開発・維持/運用に従事後、現在はTwitter全量データなどのソーシャルメディアのデータ分析を通した企業へのマーケティング支援業務に従事。

UXデザイン

浅野 杏樹
株式会社 NTTデータ ITサービス・ペイメント事業本部SDDX事業部 プラットフォームデザイン統括部テクノジーサービス担当
2018年にNTTデータ入社後、スマートフォンアプリ開発に従事しているが、UXデザインに関しては初心者。自身の視野を広げることを目的に「デジマイズム」編集部員としても活動中!プライベートでは、自然を愛し、山と海を満喫中。

学び1:UXデザインの哲学とトライ&エラーの重要性

浅野:まず、5日間の研修カリキュラムをみなさんにシェアしましょうか。

:そうですね。この研修では、デザイン文化やメタデザイン、戦略的&サービスデザイン、UX(ユーザー体験)デザインといったデザインアプローチにおける重要な考え方を学びましたよね。1~2日目は座学、3~5日目はワークショップ。ワークショップでは、5~6人のチームごとにUXデザインを用いて「5Gを使ったVR/ARのための意義あるユーザーシナリオ」のプロトタイプを設計しました。講義、ワークショップ、最終プレゼンまで、全編英語での研修でした。

各日程の研修内容は以下のとおりです。

  • 1日目:デザイン戦略とUX設計の基礎についての講義
  • 2日目:ユーザーリサーチと成果物についての講義
  • 3日目:コンセプト設計についてのワークショップ
  • 4日目:UXプロトタイピングについてのワークショップ
  • 5日目:UXプロトタイピングについてのワークショップと成果発表

講師はミラノ工科大学の教授や准教授、NDDN(注1)のデザイナーの方々でとても贅沢でした!
注1) NDDN:NTTデータデザインネットワーク。NTTデータグループ内の世界15のデザインスタジオと500名以上のデザイナーのネットワーク。

UXデザイン

とてもフレンドリーで真摯に向き合ってくれた講師の方々と株式会社NTTデータ先端技術のみなさん

UXデザイン

研修中は講師の方からさまざまなアドバイスをいただきました、みんな真剣!

浅野:1~2日目の座学は、大学の講義のようで、ところどころ頭がパンクしそうでしたよね。でも、座学があったからこそ、デザイナーの考え方を理解した上で、3~5日目のワークショップに臨むことができました。あのインプットがあるかどうかで、ワークショップのアウトプットの質が全く違いますね。

:本当にそうでしたね。UXデザインというと、日本では手法やツールに寄りがちですが、今回の研修では、デザインの裏にある哲学も含めて講師の方々から直接学ぶことができました。プロセスを実施することが目的となりやすいため、プロセスの意味を全員がしっかりと理解して取り組めたのは良かったですね。

UXデザイン

講義のスライド。心理学者アブラハム・マズローの自己実現論。

浅野:私は、ワークショップを通して「ダメだったら何度もやり直す」ことの徹底が重要だと学びました。より良い・マッチするソリューションを生むためには、ユーザー起点で問題を正しく定義し解決すること、そして解決策の間違いに気付いたらプロセスをやり直し、解決策を再構築し続けていくことが欠かせないものと、教わったからです。

結果、何度やり直したことか……もちろん、息詰まることもありましたが、そこはAQUAIR。
開放的な空間で、素敵な景色を見て、頭にエネルギーを注入することでワークを続行できました。

:環境も大事ですよね。また、従来のシステム開発は、「やり直し・手戻り」が望ましくないとされているので、このアプローチをお客さま企業と一緒にやっていくのは結構チャレンジングなことだなと感じました。

UXデザイン

AQUAIRのお気に入りスポットから見える景色。夕暮れの富士山。太陽と富士山って最強。リラックスさせてくれる。

学び2:全員がユーザー視点を徹底することが不可欠

浅野:これは学びというか率直な感想なのですが、UXデザインって、何か特別なフローを踏むのかと思いきや、ウォーターフォール開発の要件検討や要件定義に似たものを感じました。ただ、普段と大きく異なるのは、誰の視点で要件を決めるのかということ。「ユーザー視点で!」と気を付けていても、技術者はどうしても技術ありきでユーザーの課題を解決しがち。一方で、デザイナーは必ずユーザーの課題起点で考えていくため、今回の研修では、ユーザーの課題に対して、真剣に向き合うことができました。

:結果、ユーザー視点でサービスを作るには、私たちが学んだデザインの哲学やプロセスの目的などをプロジェクトメンバーとお客さま企業、サービスデザインの有識者みんなが共通のマインドセットとして持つことが不可欠だって気付けましたよね。私も普段、技術起点で考えることが多いですが、エンドユーザー視点のアプローチ(ニーズやウォンツ起点)をもっと大切にしていかなければならないと感じました。

UXデザイン

ワーク。1つ1つの機能に対してペルソナが何を求めるのかを整理。

一番の難しさはユーザー具体化と理解にあり!?

浅野:研修で難しいと感じたことはありましたか?

:サービスをプロトタイプに落とし込む中で、特にペルソナを絞って描くことが難しかったです。ペルソナを具体化していないと、ユーザーインタビュー前に立てた仮説が当てはまらず、やり直しに。自分がペルソナと共通点がないと想像しづらいので、仮説は作るものの、調査やインタビューを通してペルソナ像をよりアップデートしていくことが不可欠でした。さらに、ペルソナから描くカスタマージャーニーにおけるペイン(ユーザーが抱える不満)がサービスに直結するため、一貫性のあるサービスを設計するという点でも講師の方々より何度もフィードバックをいただきました。

UXデザイン

カスタマージャーニーマップ

浅野:そうですね、ペルソナを描くところって肝心ですよね。ペルソナ次第で、提案するサービスが全く変わってきますし。

私は、ユーザーインタビュー時の質問事項の作成が一番難しかったです。ユーザーインタビュー前に考えた質問事項では次のステップに進んだときに情報が足りず、何度かインタビュイーに質問しに行ってしまいました。

UXデザイン

ペルソナへのインタビュー。これが難しい!

技術者にとってのUXデザインの活用方法とは?

浅野:研修を経て、今後活かしていきたいことはありますか?

:私は現在、Twitterなどソーシャルメディアの分析を通して、お客さま企業のマーケティング戦略策定・ソリューション開発・企画の立案/実行までを支援する役割を担っています。お客さま企業の多くがBtoC企業、かつTwitter自体がエンドユーザーの活用するプラットフォームなので、ユーザー視点を大切にするUXデザインアプローチは必要不可欠だと研修を通してあらためて実感しました。

例えばTwitter上で、いかにエンドユーザーによる発言を促し、話題化させて、エンドユーザーを巻き込んだブランディングを行うかは、エンドユーザーの体験設計なしには検討できません。また、Twitterを活用したソリューションの提供の場合、ソリューションを利用する体験の設計や継続的な改善で、UXデザインアプローチによる付加価値が生まれると考えます。

今後はより一層、お客さま企業とエンドユーザーの課題を起点として、その双方の体験価値向上を見据えたサービス開発にチャレンジしていきたいと思います!

浅野さんはどうでしたか?

UXデザイン

静チームの発表

浅野:静さんの考え、とても大事だと思いますし、素敵ですね!

私の場合は、現在携わっているスマートフォンアプリ開発の中で、今後はお客さま企業への新規サービスの提案や、お客さま企業との要件検討・定義段階においてUXデザインを活用していきたいと思っています。

今回の研修を通して、UXデザインの「モノだけではなくユーザーに対して経験を提供する」というポイントが私の所属する開発チームに役に立つ考えだと感じました。技術起点で課題解決を考えることや、お客さま企業の課題起点で良いものを作ることに加え、エンドユーザーに愛されるサービスを作りたいです。今後は、私たちのお客さま企業も巻き込んで、UXデザインのアプローチを取り入れたいと思います。

幸い、私たちSDDX事業部では、単にもの作りをするだけでなく、それがお客さま企業とエンドユーザーのどちらにもベネフィットをもたらすことを重要視しています。こうした背景から、UXデザインをどんどん活用させてもらえる組織的な後押しがあることがありがたいです。この環境を存分に活かしてサービス提案に挑戦していきたいと思います!

UXデザイン

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UXデザイン

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