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2025.5.9業界トレンド/展望

HCM(Human Capital Management)とは?ビジネス変革のためのHCM最前線

企業を取り巻く環境変化が加速する中で、「人」の課題がクローズアップされている。生産年齢人口が減少し、人材不足が深刻化する中で、人材マネジメントに課題感を持つ企業は増えている。いまや「組織・人材」は日本企業にとっての“一丁目一番地”の経営課題だ。NTTデータグループはこの経営課題に正面から向き合い、専門的な知見とノウハウをベースに幅広いコンサルティングを提供している。
目次

HCM(Human Capital Management)とは

HCMはビジネス目標の実現をめざすための人事管理手法

HCM(Human Capital Management:人的資本管理)とは人材を「コスト」ではなく、企業にとっての重要な「資本」ととらえ、その有効活用を通じてビジネス目標を実現しようというマネジメント手法です。

経済産業省が2020年に公表した「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書(人材版伊藤レポート)」の影響もあってか、企業経営において改めて「人」の価値がとらえ直されており、「HCM」を実践しようとする日本企業が増えています。

HCMが求められる背景

背景にはさまざまな環境変化があります。まずは、日本における人材不足の深刻化や、リスキリングの重要性の高まりなどにより「人材こそが価値創造のカギ」との認識が高まっていること。さらに、市場サイズに着目すると、日本市場の相対的な縮小と海外市場の拡大も重要な観点です。多くの日本企業が海外拠点を拡大し、現地の従業員を増やしてきました(図1)。

「日系製造業の海外拠点は拡大しており、海外現地法人の従業員は大きく増加しています。外国籍の従業員に対して、適切なマネジメントを実行できるかどうかが問われています」と、NTTデータの三好 寛は語ります。従来に比べると、人材マネジメントの難易度は相当高まっていると言えます。

図1:日本企業が直面する経営課題

加えて、環境変化への対応という視点も見逃せません。ビジネス変革が求められる一方で、その変革を支える組織再編と人材の最適配置の仕組みの整備と個人に対する動機づけはまだまだ追い付いていない現状があります。NTTデータ経営研究所の長安 賢はこう話します。

「企業を取り巻く環境変化の速度・幅が広がる昨今、よりアジリティ高く組織・人材モデルを最適化していく取り組みと仕組みの有無がビジネスのパフォーマンスに与える影響がより大きくなりつつあります」(長安)

HCMを実現する上での課題とあるべき姿

リソース削減、業務負荷の増大に追われる人事部門

当然、人事部門にも進化が求められます。ただ、従来の人事部門の役割を考えると、その機能を一気にバージョンアップするのは容易ではありません。一般社団法人日本CFO協会/日本CHRO協会 シニア・エグゼクティブの日置 圭介 氏はこう説明します。

「これまでの人事部門は“制度の番人”という色合いが強かったと思います。人事部門の人員が減らされる中で、経営や行政機関からの要求事項は増える一方。制度対応にリソースを割かざるをえず、オペレーショナルな役割が大きくなるのはやむをえない面があります」(日置 氏)

2023年3月期からは、主に大企業を対象に人的資本の情報開示が義務化され、経営からはコンプライアンスやエンゲージメントの現状など、さまざまな報告が求められます。間接部門の人員削減、日常業務の負荷増大という重しの中で、苦闘している人事部門は少なくないはずです。

人事部門に求められるビジネスパートナーとしての役割

こうした状況を踏まえれば、一部の人事担当者が「『戦略人事』は経営層の仕事」と思うのも無理はありません。ただ、それを「あるべき人事の姿」ととらえている担当者はいないでしょう。人材の価値の重要性が高まる時代にこそ、人事部門の能力が問われています。

「人事部門には、ビジネスパートナーとしての役割が求められています。事業部門の要望を聞いて対応するだけでは不十分で、事業を勝たせてこそのビジネスパートナーです。では、そのために何をすべきか。CHROと人事部門は顧客や市場をもっと知らなければなりませんし、経営や事業部門に対して、人材面からの提案力を高めていく必要があります」(日置 氏)

経営変革に欠かせないコーポレート部門全体の強化

同じことは、ファイナンスやリーガルなどコーポレート部門全体にも求められています。日置 氏は「強いビジネスと強いコーポレート、その両輪によって強い企業経営が駆動されます」と言います。

「コーポレートとは人事や経理などのスタッフ部門である前に、CxO自身からなるマネジメントチームです。そして、そのCxOチームを支えるスタッフ部門がしっかり動いてビジネスを支えるかどうかが、経営の質を左右する。したがって、CxOの進化なしに、うわべだけの改革をやっても意味がありません。時間が経てば、また元に戻ってしまうからです。特に意識すべきCxO陣の進化の方向性は大きく3つ。オペレーショナルからストラテジック、ショートタームからロングターム、リアクティブからプロアクティブです」(日置 氏)

この3つの方向性を意識しながら、CxOは短期・中期・長期のリソースアロケーションの最適化をめざす。例えば、短期を優先して長期が犠牲になるようなことを避け、これらをバランスよく両立、鼎立させる必要があります。

HCMのあるべき姿

では、CHRO率いる人事部門の強さとは何か――。必ずしも権限の大きさを意味しません。高い専門性と事業への提案力を持ち、組織全体にポジティブな影響力を及ぼせるような人事部門。無理強いするのではなく、「人事がそういうなら、やってみよう」と思わせるような存在であるべきです。それには人間同士の信頼関係がものをいうのは当然のことと言えます。

「生身の人間を見るのが人事の仕事です。その意味でも、企業が個人に対して成長機会を提供し続けられるか、そこに人事がコミットできるかが重要なポイント。個々人に成長機会を継続的に提供しようとすれば、事業部門との協同にまで踏み込む必要があります」(日置 氏)

また、それを実践するためには、「個」をとらえたデータやシステムの活用が欠かせません。従業員が「自分のためになる」と思い、自ら進んでデータを入力するような仕組みづくりも求められます。

HCM実現のポイント(1):ビジネスの成果で差を生む戦略人事の実装

ビジネスモデル変革を進める上での“戦略人事”アクションとは

各企業における組織と人材マネジメントモデルは、それまでのビジネスの効率的な運営に対応して作り込まれていることが多く、より中長期・未来視点での事業モデルのシフトや戦略実現を想定した場合には機能不全を起こす可能性があります。各企業の戦略人事機能の強化とは、これらの変化を見越した各モデルの最適化を中長期目線で進めていくビジネス成果に影響の大きな取り組みとなります。

例えば、昨今のビジネスモデルへの影響を与える1要素であるDXについても、その手段としてのデジタルではなく、どの程度までビジネスに踏み込んだ活用をするのかのタイプによって、組織・人材マネジメントへのインパクトも異なります。

「現在各社において一通りの実装が進みつつある個別業務単体でのデジタルツール導入による効率化等、導入業務・範囲の狭いDXであれば、従来の人材モデルでの対応も可能です。しかし、よりValue Chain横断型や新規事業創出型といった大きなインパクトを狙うDXに挑む企業では、組織・人材モデルのリモデルはその成功のために不可欠な要素となります。その一方、この交通整理と実装がきちんとできている企業は少ない」と長安は言います。

その結果、旧来型の組織・人材モデルのままで限定的な業務DXのみを実施する企業においては、DXで生み出された効果が小さかったり、効果が出ているはずだが変わらなかったり、という状態に陥ることがしばしばあります。

また、自社のコアの強み×デジタルでのより大きなインパクトを出すビジネスへの進出を狙う場合にも、現在のコア事業ドメインと将来狙う事業ドメインの間での利害対立が起きたり、これらを統合したビジネスモデル・組織モデル設計が不足し、その移行プランが描けなかったりすることで事業機会を逸していくことに危機感をもつ経営者は少なくありません。

人事部門も悩みを抱えています。経営からは戦略的人事機能への進化を求められつつも、コーポレート部門としての効率的かつリーンな体制へのシフトを求められ、その一方で従業員や利害関係者との過去の約束や平等性・公平性の原則等に配慮するあまり、経営からの期待に対して抜本的な変革を支援する機能というよりはブレーキをかける存在と見なされてしまうこともしばしばです。

これらのボトルネックを突破している企業はどのようなアプローチでこれらの難題に挑んでいるのか、事例を通じて紹介します。

【戦略人事実践・突破例(1)】大手製造業A社

A社は伝統的なものづくり企業で、コアとなる製品のグローバルでの競争力に企業の成長が支えられてきていました。一方でデジタルビジネスへの機会という観点ではコア製品の周辺で関連データの習得が可能という恵まれた状況にありつつも、ものづくり文化と、リスクを取ってアジャイルにビジネスを作るデジタルビジネスのギャップを超えられずビジネスチャンスを徐々に逸している状況に陥っていました。

「そこで、A社は外部のデジタルビジネスのリーダー人材を登用した上で、デジタルビジネスと既存事業の組織運営モデルを切り離す形で意思決定スピードを向上。また従来の年功的なキャリアとは切り離し、デジタル人材向けに最適化された一国二制度の人材マネジメント体系を構築し、既存事業とデジタルビジネスをバランスさせる形でアジリティ高く新サービスを市場投入する事に成功しました」(長安)

【戦略人事実践・突破例(2)】大手エネルギー企業B社

エネルギー企業のB社のCHROは、自由化後の競争力強化のための事業運営の効率化と、新たなデジタルビジネス、顧客接点の強化等の機能強化、という相反する要求に応えていくことが求められていました。

「B社のCHROは経営トップに対して、単にコスト圧縮を優先することによる機能高度化の推進上のリスクを明確化。シェアードサービス拡大などによるコスト削減を約束する一方で、そこで生み出した効果の一部を戦略人事機能強化へ再投資するよう求め、変革ロードマップをコンサルティングチームの支援のもとで策定しました。このような形で戦略的なトランスフォーメーションを仕掛けていくこと、提案してビジネス戦略の確度を高めていく提案をすることも人事部門には求められていきます」と長安。その後、創出余力により人材ポートフォリオ管理やリーダーシッププログラム強化等の強化施策を導入するなど、B社の人事施策は効率化と高度化をバランスする形で進んでいます。

【戦略人事実践・突破例(3)】大手製造業C社

C社においては、業界構造として企業競争力の源泉となるケイパビリティが機械そのものからよりソフトウェアに急速にシフトする環境下に置かれていました。そのインパクトは大きく、企業内及びグループ会社を含めたスキルのミスマッチが数千人規模で顕在化する可能性がありました。その一方でいつ、どのようなペースでミスマッチが具体化するのかを予測することが困難という制約もありました。そこでC社は、求められる組織ケイパビリティ(スキルニーズ)がどう変化しても、アジャイルに対応できる人材マネジメントモデルを構築、この経営リスクに対処する仕組みを整えました。

「経営や人事部門が将来を予見することがより困難になる昨今、従来の戦略方針を固めてから人材シフトを組織的に計画し、研修を具体化することで組織的なシフトを促すアプローチではアジリティと柔軟性が不足することは多くの企業において想定されています。C社においては将来の組織モデルを描いた上で、将来キャリア(スキル)を明示し、それらを支える育成と経験メカニズムを個人の意思と連動させることで、トップダウンだけではなくボトムアップを含めたリスキリングの迅速化を実現しました」(長安)

ビジネス成果最大化のカギは戦略を支える組織・人材モデルへの変革・最適化

各社アプローチに共通するのは、社会/業界/自社固有の条件を踏まえたビジネスを支える枠組みをどう現実的に組み立てるべきかの正しい構想力及び、その現実的な具体化・実装力です。単に局所的な改善ではなく、経営テーマとしての「組織・人材変革」に挑んだ企業は、中長期的な成長のボトルネックを突破しつつあります。(長安)

HCM実現のポイント(2):AI活用で叶える戦略人事へのシフト

戦略的な業務に時間を割けない要因とは

「人事部門の役割は大きく3つ。第1に、経営層に対しては戦略実行のパートナーとして、経営リソース最大活用の意思決定支援を行います。第2に、事業部門に対しては成長加速の支援者として、部門ニーズに応じた人材マネジメントをサポートします。第3に、人事部門において、デジタル活用による人事施策を実行し、戦略人事へのシフトを推進することです」と語るのはクニエの住田 祐二です。

おそらく、人事担当者の多くが「そんなことは分かっている」というのではないでしょうか。しかし、なかなかできないのはなぜなのか。

「日常業務に追われている、知識が不足している、体制が整っていないなど、さまざまな要因があると思います。優先すべき定型業務もあります。戦略的な業務に時間を割くのは難しいというのが、多くの人事部門の実情でしょう。限られたリソースの中で、戦略人事にシフトするためにはデジタル活用、複雑な手続きやルールの簡素化、不要な業務の削減などを避けて通ることはできません」(住田)

ここではデジタル活用、特にAIに焦点を当て、3つの事例をもとに考えてみます。

【生成AI活用事例(1)】D社

最初の事例は採用の効率化、人材の適材適所を推進するD社です。

「履歴書や職務経歴書などの文書をAIに読み込ませ、自社にマッチする人材を最初の段階でスクリーニングするといった使い方です。いわば、“AI面接官”。事前に絞り込むことで、かなりの効率化が期待できます。また、従業員のスキルなどさまざまな情報をAIに入力した上で、各部門の人材要件と照らし合わせる。AIに『こういう人材を5人ピックアップしてください』と要求すると、5人の候補者が選んだ理由とともに表示されます。適材適所の実現をAIがサポートしています」(住田)

【生成AI活用事例(2)】E社

2つ目の事例は、スキル管理を統合したE社です。

「全社的なスキルの可視化ができていない企業は少なくありません。人事部門は新人研修や階層別研修の情報など全社共通のスキル情報を管理していますが、業務の中で習得する個別スキルについては、部門で管理するケースが一般的です。そのため、全社共通のスキル管理基盤を整備する必要があります。その基盤上で、共通スキルや個別スキルを管理することで、全社的なスキルの可視化が可能になる。それがE社の取り組んだことです」と住田。スキル関連の情報が統合されることにより、今後、データを有効活用する領域が広がりAI活用の可能性も拡大していくことが期待されています。

【生成AI活用事例(3)】F社

3つ目の事例は、ピープルアナリティクスの仕組みを構築したF社。ピープルアナリティクスは、従業員の経験やスキルなど人事情報を収集・分析して、人材マネジメントなどに生かそうという考え方です。

「人材に関するデータは増え続けていますが、従来は、スピードと正確性を担保した上で、こうしたデータを活用することは難しかった。また、人の行動や意識を数値化する難しさもありました。例えば、離職とその原因を因果関係として説明することは困難でしたが、AIや因果推論ツールなどを適用することで、かなりの精度で因果関係を示すことができるようになりました」(住田)

離職の原因が明らかになれば、対策も立てやすくなります。AIをはじめデジタルツールの進化が、人事業務の新しい可能性を開いています。

ただし、注意すべきポイントがあります。(1)データの質と量、(2)セキュリティ・プライバシー確保、(3)AIスキルの育成、(4)人とAIの役割分担です(図2)。これらは一般的に指摘される点ですが、個人に関する機微情報を扱う機会の多い人事部門では、特段の注意が必要です。

図2:完全ではないAIを正しく活用するためには

HCM実現のポイント(3):人的資本情報開示で経営戦略と人事戦略メカニズムの連動を示す

企業のHCMに注目するステークホルダー

HCMへの関心を高めているのは経営者だけではありません。投資家をはじめとするステークホルダーもまた、企業の人的資本の現状と課題、将来などに注目しています。前述したように、人的資本の情報開示は義務化されました。

「NTTデータの考える人的資本経営には3つの要素があります。第1に、個人が持つ人的資本(スキル・ノウハウ)を十分に発揮できるような土台をつくること。第2に、それらを戦略的に収束・育成することで、企業の組織的な規模に昇華させること。第3に、1と2によって、中長期の経営目標を達成するための課題を解決する組織的実行能力・遂行能力を得ることです」と、NTTデータの高浪 司は語ります。

これらの能力を開示することで、経営戦略と戦略人事メカニズムの連動、持続的な成長と競争力強化に向けた一貫した取り組みを示すことができます。開示に際して、ステークホルダーからの評価を高めるポイントは2つ、と高浪は指摘します。

「理想に向かって進む上で、現状の組織の課題を具体的に記載すること。もう1つは、設定した課題の克服に関しての進捗を追えるようにKGIとKPIを設定することです。これらのポイントを押さえることが、今後の情報開示において非常に重要になるでしょう。ただ、いまのところ課題を率直に開示している企業はわずかです」(高浪)

人的資本情報開示のポイント(1):課題の特定と明確化

あらゆる企業は、人的資本に関する何らかの課題を抱えています。それを明確にした上で課題克服アプローチを示せば、ステークホルダーの理解は深まります。逆に、課題を曖昧にしたままでは、その企業に対する評価は低下するかもしれません。

第一歩は、課題を特定し明確化すること。そのために、全社的な調査やヒアリングを実施している企業もあります。高浪が提案するのは、次世代リーダーへの調査です。

「中長期の企業課題に対して、最も真剣に向き合っているのは次世代経営人材でしょう。経営層にとっては優秀な部下であり、“教え子”でもある。彼ら彼女らの声に耳を傾けることで、表面的な不満の下に隠れている本質的な組織課題を探ることができます」(高浪)

また、課題の特定や、課題解決に向けた実行計画の策定に際しては、「意思決定者の参加のもと、少人数・短時間で議論することが望ましい」と高浪は言います。参加する利害関係者が多すぎると、社内調整が優先され、「自部門に害が及ばないように」という意識が働きがちになるからです。

人的資本情報開示のポイント(2):KGIとKPIの設定

KPIは短期目標、KGIは長期目標と言い換えることができます。その事例として、高浪は2つのケースを示します。

まず、製薬会社のエーザイ。同社は経営戦略と紐付いた形で独自指標「E-HCI(Eisai Human Capital Index)」を開発し、30代以下の組織長比率などを開示しています。また、女性管理職比率の現状と目標を示し、その進捗を追えるようにしています(※1)

「潜在層、管理職志望率、管理職への昇進基準を満たした層、女性管理職比率という4階層のファネルで、各階層にどれくらいの女性がいるかが示されています(図3)。これを見れば、女性管理職比率を高める取り組みが、どの程度まで進んでいるかが分かります」(高浪)

図3:人的資本開示におけるKPIとKGI

次に、三井化学の事例。同社は後継者準備率を開示しています。重要な100のポジションに対して、どの程度まで後継者が準備されているのか。例えば、準備率200%なら、1つのポジションに対して平均2人の後継者がいるということになります。企業の持続的な成長に関心の高いステークホルダーにとっては、重要な指標です(※2)

人的資本情報開示は社内向けのメッセージ効果も

人的資本の情報開示で具体的な課題とその解決アプローチを明確に示すことは、その企業が理想と現状とのギャップを認識し、ギャップ解消に向けて努力している姿を見せることでもあります。それは投資家など社外だけでなく、社内に向けたメッセージにもなるはずです。

NTTデータグループの組織・人材コンサルティング:経営変革に伴走し、企業のHCM実現をサポート

NTTデータグループでは早い時期からHCMの考え方に基づき、自らの組織・人材の変革に取り組んできました。また、AIをはじめとする先端テクノロジーを、いち早く人事戦略づくりや人事業務に取り入れています。HCMに関する専門的な知見だけでなく、自分たちが試行錯誤を経て獲得したノウハウをもとに、多くの企業に組織・人材に関するコンサルティングを提供しています。

2024年10月、NTTデータ社はワークデイとの戦略的協業を発表しました(※3)。ワークデイはクラウド型人財管理プラットフォーム「Workdayヒューマンキャピタルマネジメント(Workday HCM)」を提供するなど、HCM分野の世界的なリーダーです。

「この協業を通じて、HCMにおけるコンサルティングからシステム導入・運用、さらにBPOなどを含めた一貫したサービスを提供していきます」と三好は言います。

NTTデータグループは今後も質の高い経営変革に伴走し、企業のHCM実現をサポートしていく考えです。

記事中の所属、役職は、ウェビナー「HCM Forum 2024 進化する日本企業のHR」収録時点のものです。

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