NTT DATA

DATA INSIGHT

NTT DATAの「知見」と「先見」を社会へ届けるメディア

カテゴリで探す
サービスで探す
業種で探す
トピックで探す
キーワードで探す
カテゴリで探す
サービスで探す
業種で探す
トピックで探す
2026.4.27事例

東京電力エナジーパートナーと挑んだ顧客接点再構築

東京電力エナジーパートナー株式会社(以下、東電EP)は、ブランドロイヤリティ向上に向けた重要施策の一つとして、ポイントプログラムを位置づけている。しかし従来は、システム面・運用面の制約により、施策の柔軟性やスピードに課題を抱えていた。
こうした状況を打開するため、同社はNTTデータの「CAFIS Explorer」を基盤にポイントシステムを刷新。これにより、新たな施策を柔軟かつ迅速に展開できる体制を構築した。
目次

顧客との“つながり”再構築

--注力している取り組みについて

平山 氏
当社は東京電力グループの小売会社として、電気・ガスに加え、くらしに関わるさまざまなサービスを提供しています。首都圏を中心に2千万口を超える契約をいただき、電気は販売電力量国内1位、ガスは販売ガス量4位という規模を有しています。電力自由化以降は新電力との競争が激化する中、シンプルでわかりやすいサービスと、安心・安全なエネルギーの安定供給という原点を重視してきました。加えて、「エネカリ・エネカリプラス」など新たな付加価値の創出にも取り組んでいます。

東京電力エナジーパートナー株式会社 お客さま営業部長 平山 学 氏

--顧客維持の課題は

平山 氏
電気やガスは形がないため、「なぜ東京電力なのか」という価値を伝える難しさがあります。省エネに関する情報を積極的に情報発信することを重視しています。こうした取り組みが評価され、経済産業省・資源エネルギー庁「省エネコミュニケーション・ランキング制度」の電気・ガス両部門において五つ星を4年連続獲得しました。

--ポイントの役割について教えてください

平山 氏
「くらしTEPCOポイント」は顧客とのつながりを支える重要な基盤です。「エコ・省エネチャレンジ」には約120万人が参加し、行動変容にもつながっています。また「長期利用ボーナス」はお客さまの声から生まれた施策です。ポイントを起点に双方向の関係を築くことを重視しており、今後もより貯まりやすく使いやすいサービスへ進化させることで、お客さまとの“つながり”を一層強化していきたいと考えています。

ポイントシステム刷新とSaaS変革の決断

--刷新の背景とSaaS化の経緯について

中村 氏
旧ポイントシステムは基幹システムに組み込まれ、周辺システムと密結合したモノリシックな構成となっていました。そのため、ポイント付与条件を少し変更するだけでも半年から1年ほどかかってしまう状況で、やりたい施策があってもスピード感を持って展開できないというジレンマを常に抱えていました。

東京電力エナジーパートナー株式会社 お客さま営業部 WEBコミュニケーショングループ 中村 奈央子 氏

羅 氏
さらに、大量ポイントの一括付与ができず、RPAを駆使して小刻みに付与する運用を行っていたのですが、処理が正しく完了しているか検証しづらく、現場としては不安が残る状態でした。運用面での課題も大きく、基幹システムからの脱却はまさに悲願でした。

東京電力エナジーパートナー株式会社 お客さま営業部 WEBコミュニケーショングループ 羅 亦成 氏

中村 氏
そうした背景を踏まえ、「今後のポイントシステムはどうあるべきか」という観点から、スクラッチ開発も含めて検討を進めました。その結果、ポイント業務に関する業界標準の知見があらかじめ組み込まれている点や、市場環境の変化にも迅速に対応できる保守性・運用性の高さを評価し、SaaSの利用を選択しました。

羅 氏
また、ポイントシステムは会員サイト「くらしTEPCO web」とデータ連携が前提となるため、基盤がオンプレミスとクラウドに分断されると、当社の厳格なセキュリティ基準を改めて満たす必要があり、その対応には大きな負担が伴います。そうした点を踏まえ、SaaSを選択することが全体として合理的であると判断しました。

--CAFIS Explorerを選んだ理由は

中村 氏
まずは、大規模会員への対応実績です。当社の2千万口を超える契約者を対象としたポイントプログラムを運用するためには、相応の信頼性が実証された基盤でなければなりません。また、NTTデータの豊富な知識で、ビジネスとITの両面で伴走していただけることに安心感がありました。

羅 氏
プロジェクトマネジメントの手腕も決め手の1つです。複数ベンダーの提案を比較検討した中で、NTTデータから提示されたスケジュールが最も実現可能性が高く、短期間でのプロジェクトを完遂できると確信しました。

--NTTデータが臨んだ提案・支援とは

藤田(悠)
単なるシステムリプレイスではなく、東電EPの事業目標への貢献や費用対効果を重視して検討を行いました。ITグランドデザインの設計に加え、旧システム課題を解消し、アジリティの高いシステムへの発展を見据えたアーキテクチャーを提案しました。また、ポイントプログラムの運用も見直し、くらしTEPCO webと連携したユーザー動線の最適化など、CX向上にも重点を置きました。

NTTデータ デジタルエクスペリエンス事業部 TEPCOポイント プロジェクトマネージャー 藤田 悠人

藤田(浩)
その基盤としてCAFIS Explorerをご提案しました。従来はEC・流通・交通分野での導入が中心でしたが、現在では公共・金融分野といった多様な業界への展開が進んでおります。今回に向けて大量ポイントの一括付与を可能とする高速バッチ機能などの商品改善を進めてきました。今回、エネルギー業界への本格導入という位置づけでもあり、当社としても大きな期待と自信を持って取り組みました。

NTTデータ コンサルティング事業部 CAFIS Explorer プロジェクトマネージャー 藤田 浩文

共創によるプロジェクト推進

--業務部門主導プロジェクトを振り返っての評価

中村 氏
システム開発経験がない状態からのスタートでしたが、実務の当事者として主体的に関わったことで、「すぐに必要な機能」と「後回しにできる機能」を自ら判断できました。この取捨選択は、コスト削減やスケジュール短縮にもつなげることができました。

羅 氏
業務側の立場でプロジェクトを主導したことで、システムに対する説明責任も含めたリーダーシップを発揮できました。NTTデータには伴走しながら支えていただいたことで、主体的に進めることができたと考えています。

--NTTデータが意識したことは

藤田(悠)
これまで情報システム部門様とのお付き合いが中心でしたが、今回は業務側の皆さまとの初めての協働プロジェクトとなりました。そこで、当社の業務支援メンバーを東電EP内のプロジェクトチームに参画させていただき、両社での意識統一を重視しました。上層部への資料作成や説明も共同で行うなど、より密着した形での支援を心がけました。

藤田(浩)
当初は現行業務の踏襲を前提としたご要望もありましたが、SaaSには制約もあるため、まずはCAFIS Explorerの仕様をご理解いただくことを重視しました。そのうえで、必要に応じた拡張は行いつつ、“Fit to Standard”による業務見直しを基本とした提案を行いました。

東電EPの成果と展望

--ポイントシステムのリプレイスを経た成果

野間 氏
最大の成果はアジリティの飛躍的な向上です。新システムでは施策実現のリードタイムが大きく短縮され、新たなマーケティング施策を迅速に実行できるようになりました。また、これまで制約のあったポイント交換先の拡大も柔軟に進められるようになり、施策の幅自体が広がっています。

東京電力エナジーパートナー株式会社 お客さま営業部 WEBコミュニケーショングループ 野間 雄貴 氏

--東電EPの今後の展望

野間 氏
「東電EPにしかないポイントプログラム」を実現することが目標です。競合する新電力やガス会社と比べた際、東電EPのポイントが魅力的だから選ぶ・継続するというインセンティブにつなげていきたいです。リワード機能のリリースを機に、提携企業との共同など、会員の皆さまのライフスタイルやニーズに合ったサービスを次々と展開していきたいと思います。

平山 氏
その実現に向けて、ポイントを単なる付加価値にとどめず、お客さまとの継続的な関係性を築く基盤として進化させていくことが重要だと考えています。NTTデータには、豊富な導入実績を通じて培ったノウハウや業界トレンドを踏まえた積極的な提案をいただきながら、共により良いポイントサービスへの進化を目指したいと望んでいます。

--NTTデータの今後の意気込み

横矢
ポイントは導入して終わりではなく、施策の積み重ねによって価値が生まれます。今回構築した基盤を活かし、東電EPの目指すポイントプログラムの実現と、ブランド価値向上に継続的に貢献していきます。

NTTデータ コンサルティング事業部 カスタマー&マーケティングユニット コンサルタント 横矢 萌夏

記事の内容に関するご依頼やご相談は、こちらからお問い合わせください。

お問い合わせ

お問い合わせ

記事の内容に関するご依頼やご相談は、
こちらからお問い合わせください。

お問い合わせ