第1章:「1000年先も継続できる森林経営」を目指して
ForestFolksは、森林を単なる木材資源ではなく、世代を越えて価値を生み続ける経営資産として捉えています。木を伐り、植え、育て、整え、その価値を地域へ還元する。この循環を持続させることが、当社の考える森林経営です。「1000年先も継続できる森林経営」という言葉には、森林が地域の環境・産業・暮らしを支える基盤であり続ける意思を込めています。
創業の背景には、長年林業の現場に身を置くなかで見えてきた森林の構造課題があります。木材を販売して収益を立てる従来の林業では、森林整備そのものが持つ価値を経営に取り込む仕組みづくりが重要になります。山を守るためには、木材としての価値だけでなく、CO2吸収や生物多様性、災害に強い森林づくりなど、多面的な価値を経営へ組み込むことが重要です。当社は、森林そのものが持つ環境価値を経営に組み込むことで、山を守り続ける新しい利益のつくり方を探ってきました。
森林を資産として経営するためには、現場の経験や感覚に加え、判断に使える情報を整える視点が重要です。森林の状態や必要な整備、将来生み出せる価値を把握することで、所有者や地域、企業との対話も具体性を持ちます。当社は、森林の状態をデータとして捉え、整備計画や収益化の道筋を組み立てることで、森林経営をより開かれた事業へ育てようとしています。
地域との連携も、この取り組みを進めるうえで重要な土台です。南魚沼市や新潟県との関わり、木材の川上と川下をつなぐプロジェクト、林業の可能性を伝える講習会などを通じて、地域の実情に根ざした森林経営を形にしています。森林は今日の判断が将来の山の姿に表れる事業領域です。だからこそ、当社は、収益と環境価値を両立する森林経営を通じて、地域の森林を次世代へ受け継ぎ、「1000年先も継続できる森林経営」の実現を目指します。その実現に向けて、当社は森林の環境価値を社会へ届ける新たな仕組みづくりにも取り組んでいます。
第2章:森林経営の構造改革を支える脱炭素への取り組み
ForestFolksは、脱炭素を林業に新たな役割をもたらす機会として捉えています。企業が温室効果ガス排出量の把握や削減に向き合うなかで、森林が持つCO2吸収の価値は、地域資源として改めて注目されています。当社は、この流れを森林経営の収益構造を見直す契機とし、森林整備と企業の脱炭素経営を結び付ける取り組みを進めています。
森林整備を継続するためには、森林が持つ環境価値を経済価値へつなげる仕組みが必要です。その一つがカーボンクレジット(※1)の活用です。森林整備を継続可能な事業とするためには、企業の脱炭素への取り組みと森林経営を結び付ける仕組みづくりが重要です。当社が目指しているのは、森林整備によって地域に収益を戻し、山の手入れを継続できるモデルとして成立させることです。
林業の構造改革では、脱炭素を森林の価値を社会へ伝える共通言語として活用することが重要です。企業が求めるのは、排出量削減につながる根拠あるデータです。森林側も吸収量や整備状況を示せるようになることで、企業との対話はより具体的になります。
排出量削減の考え方も、林業の実務と結び付いています。たとえば、広い面積をより効率的に整備できれば、作業の流れが整い、移動や搬出に関わる負荷の低減にもつながります。木材の搬出経路を整理し、販売や輸送の流れを一括して考えることも、林業全体で脱炭素に向き合うための実務です。当社は、個別の現場に加え、地域全体の動きやパートナーとの連携まで含めて、森林経営のあり方を変えていきます。こうした森林の価値を社会へ伝え、継続的な森林経営につなげるためには、森林の状態や環境価値を客観的なデータとして可視化し、企業へ分かりやすく示すことが重要になります。
第3章:森林価値を可視化し、地域へ還元する仕組みづくり
ForestFolksは、放置林を適切に整備し、その環境価値を可視化することで、新たな地域資産として活用する取り組みを進めています。当社では、森林整備からカーボンクレジットの創出、販売までを一体で進めることで、森林の環境価値を継続的な収益へつなげる仕組みを構築しています。
その実務を支えるのが、点群データ(※2)を活用した森林把握です。森林の整備前と整備後の状態を示し、森林が持つCO2吸収の価値を把握することで、環境価値を説明しやすい情報へ変えていきます。広い森林を継続的に管理するためには、現場の状態をデータとして捉え、整備の優先順位や将来の管理方針を考える材料を持つことが大切です。
点群データなどのデジタル技術を活用することで、森林の状態を客観的に把握し、整備計画やカーボンクレジット創出の判断精度を高めています。
当社では、森林を長期的な経営資産として管理・運用する「森林アセットマネジメント」の考え方を取り入れています。森林は、当社が資産として把握・整備し、価値を示して必要な相手へ届ける運用によって、経営資産として機能します。森林所有者、地域、企業の間で価値が循環するように、データと実務を組み合わせた管理の仕組みを育てています。
カーボンクレジット事業は、森林の多面的な価値を社会の判断材料へ変えるための取り組みです。可視化した情報を、整備の計画、クレジットの創出、企業との対話、販売後の関係づくりへ生かすことで、森林経営の継続性を高めますこうして可視化した森林の環境価値は、企業との対話や脱炭素支援にも活用されます。当社では、森林価値を社会へ届けるための共通基盤づくりにも取り組んでいます。
第4章: 森林と企業をつなぐ基盤としてC-Turtleを活用
ForestFolksは、森林の環境価値を企業へ届けるためには、自社自身も脱炭素経営を実践することが重要だと考えています。森林由来の価値を企業へ届けるためには、当社自身が排出量算定やCFP算定(※3)に向き合い、顧客企業との対話に必要な情報を整えることが大切です。そのための基盤として、C-Turtleを導入しました。
当社では、自社の排出量や製品・サービスごとの環境情報を継続的に管理し、顧客企業への脱炭素支援へ活用できる体制づくりを進めています。その基盤としてC-Turtleを採用しました。導入にあたっては、森林事業と脱炭素支援を並行して進める当社にとって、導入しやすいコストで運用を開始できる点も評価しました。現在はデータをまとめ、入力と運用を進める段階です。算定の実務を積み重ねながら、森林由来の価値をより具体的に示していきます。
顧客企業が排出量算定やCFP算定を進めることで、森林由来の環境価値を具体的なデータとして示しやすくなります。当社は、企業の脱炭素経営と森林整備を結び付ける役割を担っていきます。企業が自社の排出量を把握し、削減の方向性を整理する過程で、森林が持つ吸収価値や地域との関係を対話の中に取り入れやすくなるためです。C-Turtleは、こうした対話を支える共通基盤として位置づけています。
今後は、原木単位のCFPや環境情報開示にも活用領域を広げていきます。木材は森林から伐り出された後、加工、流通、利用の各段階で情報整理が求められます。原木単位で環境情報を扱えるようになれば、森林整備、木材利用、企業の情報開示を近い距離で結び付ける道筋が見えてきます。当社は、森林価値を企業や地域へ継続的に届けるための基盤としてC-Turtleを活用しながら、森林整備・木材利用・企業の脱炭素経営を結び付ける新たな価値創出に取り組んでいます。
第5章: 森林価値を未来へつなぐ新たな森林経営
ForestFolksは、これまで取り組んできた森林整備や脱炭素支援を基盤に、森林が持つ価値をCO2吸収だけでなく、生物多様性や地域資源の保全へと広げていきます。森林には、CO2を吸収するだけでなく、生物多様性の保全や水・土・景観を守るなど、多面的な価値があります。当社は、こうした価値をデータで捉え、企業や地域とのパートナーシップの中で扱えるようにすることを目指しています。
CO2吸収は、森林価値を社会へ伝える入口として有効です。さらに、生物多様性まで価値の対象を広げることで、企業が地域と関わる理由も多層的になります。
地域の森林整備は、脱炭素、自然資本の保全、地域活性化をつなぐ取り組みへと発展します。
こうした未来を実現するためには、森林と企業をつなぐパートナーとの連携が欠かせません。当社では、NTTデータとの協業を通じて、森林由来の環境価値を企業へ届ける取り組みをさらに広げていきます。当社は、排出量管理やCFP算定の取り組みを企業へ広げながら、森林由来の環境価値を活用した脱炭素経営を支援していきます。パートナーシップを広げ、企業が自社の排出量や製品単位の環境情報を把握しやすい環境を整えることは、森林経営の可能性を広げる取り組みでもあります。
当社が描く未来は、森林・企業・地域がそれぞれの価値を循環させながら、ともに持続可能な社会をつくる姿です。森林の環境価値を地域へ還元し、企業の脱炭素経営にも生かしていくことで、「1000年先も継続できる森林経営」を支えるエコシステムを育てていきます。
企業紹介
株式会社ForestFolks
ForestFolksは、独自の森林アセットマネジメントを通じて、林業産業の構造改革に挑むスタートアップ企業です。データに基づく調査・計画、効率的な施業・管理、そして新たな収益モデルの構築までを一貫して実行し、環境保全と経済合理性を両立させた新しい森林の価値創造の仕組みづくりを行っています。
【C-Turtle®】の概要資料は、こちらからダウンロードください。


https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/c-turtle/