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2026.7.30

上六印刷株式会社
環境対応を企業価値へ。顧客から選ばれ続ける企業を目指して

―製品、素材、仕様の提案力の追及と弛まぬ創意工夫による工程改変で持続可能な成長を支える。 

包装資材業界を取り巻く環境は、顧客企業の気候変動対応や温室効果ガス削減への取り組みが加速するなか、大きく変化しています。上六印刷株式会社(以下当社)では、ISO 14001に基づく環境マネジメントシステムや省エネルギー活動を長年継続し、それらをサステナビリティ経営へ発展させてきました。環境配慮型製品の提案や仕様の研究や提案の充実を図り、製造工程の改変を進めるとともに、企業全体で環境配慮への意識と行動を変化させる事を持続の鍵と捉え、C-Turtleを活用したScope3の管理と情報開示を通じて、顧客から選ばれ続ける企業づくりに取り組んでいます。

第1章:長年積み重ねてきた環境への取り組みを、サステナビリティ経営へ

上六印刷では、環境への取り組みを事業の持続的な成長を支える経営戦略の一つとして位置付けています。印刷・包装資材を扱う当社にとって、製造工程で使用する電力やガス、原材料などは、事業に欠かせない重要な要素である一方、適切な環境管理が求められる対象でもあります。顧客企業の気候変動対応が進むなか、サプライヤである当社にも同じ水準での環境対応が求められるようになりました。
当社では、ISO14001に基づく環境マネジメントシステムのもと、省エネルギー活動やScope1・2の排出量管理を継続し、改善活動へ活用してきました。こうした取り組みは、サステナビリティという言葉が一般化する以前から、当社の事業活動に根付いています。
近年は、Scope3算定やCDP(※1)回答、環境関連アンケートへの対応が増え、原材料や物流などを含めた温室効果ガス排出量についても、信憑性の高い定量エビデンスの共有や開示ニーズが一気に求められるようになりました。当社では、これまでの環境活動をサステナビリティ経営へ発展させ、製品づくりや製造工程、情報開示へつなげることで、顧客から選ばれる企業を目指しています。そのためには、積み重ねてきた取り組みを可視化し、経営判断や改善活動に活用できる形へ整えることが欠かせません。

(※1) CDP:英国の慈善団体が管理する非営利団体であり、投資家・企業・国家・地域・都市による環境影響管理のためのグローバルな情報開示システム

第2章:環境配慮型パッケージと製造工程改善で新たな価値を創出する

上六印刷では、製品や素材、仕様の開発と製造工程の改変を両輪とし、環境価値の向上に取り組んでいます。包装資材には、品質や見た目、コスト、安定供給といった要件に加え、環境負荷の低減も求められるようになりました。当社では、顧客のニーズを踏まえながら、製品づくりと工場改善の両面から、持続可能なものづくりを進めています。
製品面で特徴的な取り組みの一つが、再生紙「Uボード」です。Uボードは、顧客から再生紙を使ったパッケージの相談を受け、当社がリサイクル業者と連携して開発した再生紙で、「U」には上六印刷(UEROKU)の頭文字Uをその品名に冠しています。営業活動を通じて採用先を広げる一方、再生紙特有の風合いや品質特性について丁寧に説明し、顧客と認識を共有しながら提案を進めてきました。また、非木材紙などの環境配慮型素材も提案できる体制を整え、顧客のESG戦略や品質基準に合わせた選択肢を提供しています。
製造工程でも、水性インキへの切り替えやVOC(※2)削減、廃液ゼロ化などの取り組みを進めています。グラビア印刷では長年有機溶剤を使用してきましたが、水性化への移行により、大型排気処理設備の撤去につながり、ガス使用量の削減や作業環境の改善、安全性の向上にも寄与しています。
さらに、貼り合わせ工程で発生する洗浄排水については、社内で凝集処理を行う設備を導入しました。行政との調整や水質確認を重ね、処理後の水を公共下水へ放流できる仕組みを整えたことで、廃液量と処理コストの削減を実現しています。
当社では、このように製品づくりと製造工程の両面から改善を積み重ねています。環境負荷の低減だけでなく、品質や安全性、生産性の向上にもつながる取り組みを継続することが、サステナビリティ経営を支える基盤となっています。そして、こうした取り組みを適切に発信し、結果としてその事がステークホルダーからの更なる信頼に繋がる事を期待し、そのための更なる努力、試行錯誤の継続が当社の次の重要なテーマとなっています。

(※2) VOC:揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)揮発性を有し、大気中で気体状となる有機化合物の総称

第3章:情報開示を、顧客から選ばれる価値へ

上六印刷では、情報開示を環境への取り組みを分かりやすく伝え、顧客との信頼関係を築くための重要な活動と位置付けています。近年、顧客企業では温室効果ガス削減だけでなく、サプライチェーン全体での環境対応が重視されるようになり、当社にもCDPスコアやScope3開示、環境関連や持続可能な調達についてのアンケートなどを通じた情報提供が求められています。
こうした要請に対応するために重要なのは、数値を保有することではなく、その根拠や算定範囲を社内で共有し、改善活動へつなげられる体制を整えることです。当社では、サステナビリティレポートを通じてScope3を含む環境情報を積極的に発信するとともに、CDPやISO14001認証に代表される外部評価で得られた結果を社内へフィードバックし、次の改善活動に活かしています。
情報開示は、一方的に情報を発信するだけではありません。顧客からの期待や要望を受け止め、より良い製品や取り組みへ反映していくための対話の機会にもなっています。実際に、サステナビリティレポートやWebサイトをきっかけに、新たな企業から環境配慮に関する相談や問い合わせを受ける機会も生まれています。
当社では、環境配慮型の製品、素材、仕様や製造工程の改変、Scope3の管理などの取り組みを継続的に発信することで、顧客が安心して取引先を選べる環境づくりを進めています。情報開示は、環境への取り組みを見える化し、企業価値を高めるだけでなく、顧客との信頼関係を深める重要な役割を担っています。こうした信頼を支えるためには、根拠あるデータを継続的に管理・活用できる基盤が欠かせません。

第4章:Scope3管理を高度化するデータ基盤としてC-Turtleを活用

Scope3管理や環境情報の活用を継続的に進めるため、上六印刷ではC-Turtleをデータ基盤として活用しています。これまでScope1・2は社内で継続的に管理してきましたが、購入品や物流など多くのカテゴリーにまたがるScope3は、Excelだけで継続的に管理するには担当者の負担が大きいことが課題でした。
当社では、担当者が本来業務と並行して環境関連業務を担っています。初めてScope3算定に取り組むにあたり、入力データの整理や算定方法の確認など、多くの作業が必要となるため、担当者の負担を抑えながら、根拠あるデータを継続的に管理できる環境づくりを重視しました。
当初、複数の算定ツールを比較した結果、導入のしやすさや運用性を評価し、C-Turtleを採用しました。これにより、Scope3のカテゴリーごとの排出量を把握しやすくなり、どの領域から改善に取り組むべきかを検討しやすい環境が整いました。また、CDP回答やサステナビリティレポートでも、根拠あるデータを活用できるようになり、環境委員会や関係部門との情報共有も円滑になっています。
現在は、可視化したデータをもとに、購買業務やエネルギー利用、廃棄物削減などの改善活動へ展開しています。今後は一次データの活用や算定精度の向上を進めながら、より実態に即したScope3管理を目指すとともに、継続的な環境改善と顧客への価値提供に繋げていきたいと考えています。

第5章:環境対応を競争力へ、2030年に向けた成長戦略

2030年に向け、上六印刷では環境対応力を企業価値へつなげる取り組みをさらに進めていきます。目の前の顧客要請に対応するだけでなく、非化石電力の利用拡大や設備更新、一次データの活用などを計画的に進めながら、環境対応と事業成長の両立を目指しています。
エネルギー利用では、非化石電力の導入を段階的に進める方針です。コストとのバランスを考慮しながら排出係数の低減を図るとともに、空調設備の更新なども計画的に進めています。近年は気温上昇への対応も重要になっており、省エネルギーだけでなく、働く人の安全や快適な職場環境の維持も重要な視点と捉えています。
製造工程では、これまで取り組んできた水性インキへの切り替えや廃液処理の改善などを継続し、コストや環境負荷の低減と、従業員や周囲の環境の向上を両立する取り組みを進めています。また、情報開示の面では一次データの活用を進め、より信頼性の高い環境情報を発信できる体制づくりを目指しています。
当社にとって環境対応は、製品の付加価値を高めるだけでなく、顧客との信頼関係を築き、企業として持続的に成長していくための重要な取り組みです。ISO14001で培った環境マネジメントシステムを基盤に、製品開発や工程改変、Scope3の管理をさらに発展させながら、顧客から選ばれる企業づくりを進めていきます。そして2030年に向けて、環境対応と経営の両立を図り、印刷・包装資材分野における持続可能な成長を実現していきます。

企業紹介

上六印刷株式会社

上六印刷株式会社は、1932年創業、1950年設立の紙器製造会社です。化粧品・医薬品業界向けの化粧箱やラベル、能書の印刷・加工・アセンブリを一貫して手掛け、高品質・高付加価値なパッケージ製造を強みとしています。長年培った高い技術力と一貫生産体制、豊富な実績を生かし、お客様の多様なニーズに応える製品を提供しています。奈良県生駒市に本社を構え、品質と信頼を大切にしたものづくりを通じて、お客様の事業を支えています。

GHG排出量可視化プラットフォーム「C-Turtle®」
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/c-turtle/

【C-Turtle®】の概要資料は、こちらからダウンロードください。

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