第1章:地域価値循環を支える、福井銀行のサステナビリティ経営
福井銀行では、長期ビジョンで掲げる「『地域価値循環モデル』の実現」に向け、地域企業や地域社会の持続的な成長に伴走することを目指しています。地域金融機関として金融サービスを提供するだけでなく、地域企業が抱える課題の解決を支え、その挑戦を後押しすることが、地域社会全体の価値向上につながると考えています。
福井県は、繊維や機械、眼鏡をはじめとする製造業が集積し、多くの企業がサプライチェーンを通じて国内外の企業とつながっています。近年は取引先からGHG排出量の把握や脱炭素への対応を求められる企業も増え、サプライチェーン全体で環境負荷を低減する取り組みの重要性が高まってきました。
こうした中、当行は、地域企業へ脱炭素を一方的に「要請」するのではなく、それぞれの企業が抱える課題や状況に寄り添いながら、ともに解決策を考える伴走型支援を大切にしています。企業同士のつながりを生かし、地域全体で脱炭素への取り組みを広げていくことが、地域金融機関として果たすべき役割だと考えています。
その考え方を形にした取り組みの一つが、「FUKUI B&B」です。地域企業同士をつなぎ、サプライチェーン全体で脱炭素を推進するための支援を通じて、企業価値の向上とともに、地域全体の持続可能な成長につなげることを目指しています。
第2章:地域企業をつなぎ、サプライチェーン全体へ広げる
福井銀行では、地域企業の脱炭素支援を進める中で、脱炭素を「求める」だけでは地域全体へ取り組みが広がりにくいという課題を感じていました。
特に製造業では、大手企業からサプライチェーン全体での脱炭素対応が求められる一方、多くの中小企業からは、何から着手すればよいか判断が難しい、優先順位を上げにくいといった声が寄せられていました。脱炭素は企業の成長を直接後押しするテーマとして受け止められにくい面もあり、経営課題として認識されていても、次の一歩を見極める段階にとどまるケースがありました。
こうした状況を受け、地域の中で実行可能な脱炭素の取り組みを仕組化したものが、地域金融機関がハブとなり、地域企業同士が支え合いながら、サプライチェーン全体で脱炭素へ取り組む「FUKUI B&B」です。
この取り組みのきっかけとなったのが、福井鋲螺株式会社の存在です。同社は、自社だけでなくサプライヤに対しても脱炭素への取り組みを働きかけていましたが、その姿勢は一方的な「要請」ではなく、ともに取り組もうという考え方に基づくものでした。
その姿勢に共感した当行では、地域企業同士をつなぎながらサプライチェーン全体の脱炭素を後押しする役割を担うべきだと考えました。まず企業同士をつなぎ、その関係性を育てながら、脱炭素への取り組みを地域全体へ広げていく。この考え方を具体化したものが「FUKUI B&B」です。当行では、企業へ脱炭素を「要請」するのではなく、一社一社の状況に寄り添いながら、排出量の可視化や補助金の活用、省エネルギー施策などをともに考え、地域企業が自走できる状態を目指した伴走型支援を進めています。
第3章:伴走型支援を支える、一次データ活用の基盤へ
地域企業への伴走型支援を進める上で福井銀行が重視したのは、企業ごとの実態を把握し、それぞれの状況に応じた支援へつなげられるデータ基盤を整えることでした。
従来広く用いられてきた排出量算定では、業種平均の排出係数を用いた推計が中心となるため、企業ごとの削減努力を反映しづらい面がありました。私たちが目指していたのは、地域企業一社一社の取り組みを的確に把握し、サプライチェーン全体での脱炭素につなげることです。そのためには、一次データを活用した、より実態に即した排出量の把握が欠かせませんでした。
この考え方と一致したのが、C-Turtle FEでした。企業ごとの一次データを活用した排出量算定に対応している点に加え、金融機関を起点として地域企業へ展開できる仕組みを備えていることから、地域企業への伴走支援に生かせると考えました。
また、排出量を可視化するだけでなく、地域企業との継続的な対話を支える基盤として活用できる点も、当行が重視したポイントでした。排出量の算定結果をもとに現状を把握し、課題を整理し、削減に向けた具体的な取り組みを話し合うことで、一社一社に応じた支援につなげることができます。
福井銀行では、C-Turtle FEを単なる排出量算定ツールではなく、地域企業との継続的な対話を支え、サプライチェーン全体の脱炭素を推進するための基盤として位置づけています。地域企業が主体的に脱炭素へ取り組める環境を整えることで、地域価値向上につながると考えています。
第4章:企業同士を結び付けながら、サプライチェーン全体で脱炭素を進める
C-Turtle FEの導入により、福井銀行では地域企業との対話をより具体的に進められるようになっています。
以前は、脱炭素への取り組みを提案する際に、企業ごとの現状や課題を十分に踏まえた支援へ結び付けるまでに時間を要していました。しかし、排出量を可視化し、一次データを活用できる環境が整ったことで、企業ごとの状況に応じた対話と伴走支援を進めやすくなっています。
また、「FUKUI B&B」を通じて、サプライチェーンでつながる企業同士を結び付けながら、それぞれの立場や課題に応じた支援も進めています。排出量を把握すること自体を目的とするのではなく、「どのように削減へつなげるのか」「サプライチェーン全体でどのような取り組みができるのか」を企業とともに考え、地域全体へ取り組みを広げています。
福井銀行では、脱炭素への取り組み支援を単なるソリューションとして捉えるのではなく、「事業性理解の高度化」や「金融仲介機能の強化」として取り組むことを重要視しています。それは、サプライチェーンをつなぎ、対話を通じて寄り添うことで、お客さまのビジネスモデル(お客さまのお客さまを知る)の理解の延長に、その裏側としてサプライチェーンでの排出量があるからです。ビジネスモデルを正しく理解することで、補助金の活用や省エネルギー施策など、それぞれの企業に適した支援を組み合わせながら、企業が主体的に取り組める環境づくりを進めています。
こうした伴走型支援は、一社だけで完結するものではありません。地域企業同士をつなぎ、サプライチェーン全体で脱炭素を進めることで、地域全体の競争力向上や持続可能な産業づくりにもつながっていきます。福井銀行では、金融機関ならではのネットワークを生かしながら、「『地域価値循環モデル』の実現」に向けた取り組みを進めています。
第5章:地域価値循環を支え、地域企業の未来へ伴走する
福井銀行では、脱炭素への取り組みを情報開示や排出量算定にとどめるのではなく、地域企業の企業価値の向上やサプライチェーン全体の競争力につながる取り組みへと育てていきたいと考えています。
長期ビジョンで掲げる「『地域価値循環モデル』の実現」に向けては、金融機関が地域企業へ金融サービスを提供するだけではなく、企業同士をつなぎ、新たな価値を生み出す役割を果たすことが重要です。地域企業が脱炭素への取り組みを通じて企業価値を高め、その取り組みがサプライチェーン全体へ広がることで、地域産業全体の持続可能性も高まっていきます。
その実現に向けて、福井銀行では「FUKUI B&B」をはじめとする取り組みをさらに発展させながら、地域企業への伴走支援を強化していく方針です。排出量の可視化や一次データの活用に加え、補助金や省エネルギー施策なども組み合わせることで、企業ごとの課題や成長段階に応じた支援を進めていきます。
C-Turtle FEも、そのための重要な基盤の一つです。排出量を可視化することを目的とするのではなく、企業との対話を深め、サプライチェーン全体で脱炭素への取り組みを広げていくための基盤として活用していきます。
地域企業が成長し、その挑戦がサプライチェーン全体へ広がることで、地域産業の競争力が高まり、地域価値が生まれます。福井銀行はこれからも地域企業に寄り添いながら、福井発の伴走型モデルを地域全体へ、そしてその先へと広げ、「『地域価値循環モデル』の実現」に向けた歩みを進めていきます。
企業紹介
株式会社福井銀行
福井県を主たる営業基盤とする地方銀行であり、銀行業務を中心に総合的な金融サービスの提供を行っております。
【C-Turtle®】の概要資料は、こちらからダウンロードください。


https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/c-turtle/