第1章:秋田県の自然を活用したGXの取組み
秋田県は、洋上風力発電事業の促進区域として全国で最多の海域が指定されるなど、風力をはじめとする再生可能エネルギーの供給地として注目されています。再生可能エネルギー事業は、部品製造や関連設備、メンテナンスに関する事業など、幅広い分野への展開が期待できるため、秋田銀行では、地元企業による風力発電プロジェクトへの出資やファイナンス組成に積極的に取り組んでいるほか、2024年7月には洋上風力発電関連事業を支援する専門部署を設置するなど、地域経済への波及効果の最大化を目指しています。
また、秋田県は、県土の7割を森林が占めており、全国でも屈指のCO2吸収量を誇ります。温室効果ガスの排出に対する規制強化が進むなかで、J-クレジット(※1)への需要もより一層大きくなっていくと予想されており、自治体等と連携した森林クレジットの創出・販売支援に取り組むことで、秋田県の新たな収益機会の確保や森林保全に貢献していきます。
全国に先駆けて人口減少が進む秋田県にとって、秋田県が持つポテンシャルを活かしながら、新たな価値を創出する取組みは非常に重要であると捉えています。GXを気候変動への対応にとどまらず、秋田県の豊かな自然をどのように将来世代へ継承し地域活性化に資するテーマとして捉え、引き続き積極的に取り組んでまいります。
第2章:脱炭素支援戦略を支えるデータ基盤の整備
秋田銀行が地域の脱炭素支援の取組みを進めるにあたって、FE(ファイナンスド・エミッション)(※2)の算定や分析の精度向上が課題でした。当行は、秋田県内の幅広いお客さまにお取引をいただいているため、融資を通じた間接的なCO2排出量を算定することで、地域全体の排出量の傾向をつかむことにつながります。
これまでは、表計算ソフトなどでFEを管理・算定していましたが、算定精度の向上や作業負担の軽減に加え、算定結果を戦略的に活用することを目的に「C-Turtle FE」を導入しました。業種や所在エリアといった属性ごとに排出量の傾向が分析可能であり、どの層のお客さまから重点的に支援していくべきか、戦略的な推進活動に役立てています。
今後、FEのさらなる精緻化と削減を進めていくには、お客さまのCO2排出量の可視化および削減をサポートしていく必要があります。現在、一定の条件を満たすお客さまに対し、CO2排出量可視化プラットフォーム「C-Turtle」を無償で提供(※3)しており、NTTデータのサポートも活用しながら、地域企業が脱炭素経営に取り組みやすい環境の整備を進めています。
第3章:省エネ支援を切り口に、地域企業の理解を深め、地域共栄の実現を目指す
脱炭素支援の取組みをこれまで進めてきましたが、脱炭素経営の普及に関しては、なお課題を残しています。秋田県では、現状、CO2排出量の算定義務化の対象でない企業も多く、排出量の可視化に対するニーズは企業によって大きく異なります。
一方、足元で続くエネルギーコストの上昇は多くの企業にとって負担となっており、お客さまのコスト削減への意識は非常に高いことも把握できました。通常、脱炭素経営は「知る」「測る」「減らす」のステップで進めていくのがセオリーとされていますが、お客さまの関心の高い「減らす=省エネ」を起点とした支援を進めながら、結果として脱炭素経営に取り組む企業を徐々に増やしていくことが、カーボンニュートラルの実現に向けた現実的なステップであると捉えています。
秋田銀行では、現在、NTTグループと連携し、お客さまの省エネ支援を中心に、CO2排出量の可視化支援や、地域事業者向けのセミナー・勉強会の開催などに取り組んでいます。また、行内向けの勉強会や研修も定期的に実施し、お客さま一社一社の状況に応じた提案が可能な体制づくりを進めています。
脱炭素支援の取組みにおいて最も重要なことは、脱炭素化をひとつの切り口として、お客さまとの対話を重ね、各企業が抱える課題や将来目指す姿を共有し、ともに成長していく伴走支援につなげることであると考えています。引き続き、地域企業や自治体、パートナー企業とともに地域の脱炭素化に挑戦し、秋田県の豊かな自然の維持と地域活性化に貢献してまいります。
企業紹介
株式会社秋田銀行
営業基盤である秋田県において最大の預貸金シェアをもつ地域金融機関。「地域とともに歩み、地域の発展とともに栄える」という「地域共栄」の経営理念のもと、地域の金融ニーズにこたえる総合金融サービス業を営む。
【C-Turtle®】の概要資料は、こちらからダウンロードください。


https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/c-turtle/