第1章:複合化技術を強みに、事業とともに歩むサステナビリティ
藤倉コンポジットでは、2023年にサステナビリティ統括室を立ち上げ、本格的にサステナビリティ経営を推進する体制を整えました。それ以前はCSR推進室が中心となって取り組んでいましたが、外部環境の変化や情報開示への要請が高まる中で、経営としてより深くサステナビリティに向き合う必要性が高まっていました。現在は、中期経営計画においてもサステナビリティ経営の推進を重要な柱の一つに位置付けています。
一方で、当社にとってサステナビリティは、2023年に突然始まった新しいテーマではありません。サステナビリティという言葉が広がる以前から、「何のために企業が存在するのか」「すべてのステークホルダーにどのような価値を提供できるのか」を考え、事業に取り組んできました。
その考え方につながるのが、当社が長年培ってきた「複合化技術」です。異なる素材や技術を組み合わせることで、お客さまの製品や設備の省エネルギー化につながる提案を行うとともに、事業を通じた環境負荷の低減にも取り組んできました。
また、災害時に役立つ非常用電池の開発・製品化を進めたり、副資材の原材料の一部を植物由来に変更することなどでの環境負荷低減も行いました。
当社では、これまで培ってきた技術や事業とサステナビリティを結び付けながら、社会やお客さまに提供できる価値を広げていくことを目指しています。
第2章:削減目標を起点に、GHG排出量の把握を本格化
藤倉コンポジットがGHG排出量の把握を本格化させた背景には、TCFD(※1)に基づく開示や有価証券報告書への対応、CDP(※2)への回答など、企業に求められる情報開示への対応がありました。また、お客さまから寄せられる各種調査の中でも、徐々にGHG排出量に関する質問が増えていました。
これらを背景に、当社では2023年にGHG排出量の削減目標を掲げました。目標を設定したことで、次に考えなければならなかったのが、具体的にどのようなプロセスで削減を進めていくかということでした。
そのためには、まず当社がどこで、どれだけGHGを排出しているのかを正確に把握する必要があります。
各工場では以前から省エネ活動を行っており、電力や燃料などのエネルギー使用量のデータを把握していましたが、それぞれのデータは設備関連やISO関連など、異なる目的で管理されている状態でした。国内だけでなく海外工場も含めて当社全体のGHG排出量を捉えるため、これらのデータを集約し、整理することから取り組みを進めました。
削減目標の実現に向けて、まず排出量を正しく把握し、自分たちの現在地を明らかにすることが、具体的な削減活動を考えるための出発点となりました。
第3章:多様な材料の排出量を捉え、Scope3算定の高度化へ
藤倉コンポジットでは、Scope1・2については、各工場で管理していたエネルギーデータなどを活用しながら算定を進めていました。その中で、より難しさを感じたのがScope3、とりわけカテゴリ1の算定です。
当社では、ゴムをはじめ、さまざまな材料や薬品を扱っています。カテゴリ1を算定するためには、工場に加えて、資材部や経理部など複数の部門から必要な情報を集め、それぞれのデータに対応する排出係数を紐付ける必要があります。
C-Turtle導入前はExcelを使って算定していましたが、特に負担となっていたのが、材料や薬品に適した排出係数を判断する作業でした。
例えば、社内で管理しているデータでは、薬品について商品名しか分からないケースがあります。その場合、商品名からどのような化学物質が含まれているのかを調べ、主な成分を確認した上で、どの排出係数を使用するのかを判断しなければならないため、対応に多くの時間を要していました。
また、カテゴリ1の算定には、資材部や経理部をはじめとする複数の部門との連携が必要です。今後も毎年算定を続けていくためには、実務担当者の負担を抑えた上で、継続的に算定できる仕組みを整える必要があると考えるようになりました。
多様な材料を扱う当社にとって、Scope3を継続的に把握していくための算定方法や業務のあり方を整備することが、次の取り組みとなりました。
第4章:算定業務の負担を減らし、継続できる仕組みへ
藤倉コンポジットでは、Scope3を含めたGHG排出量の算定を継続していくため、算定ツールの導入を検討しました。ツールを選ぶ際には、排出量を算定できることに加え、実際の業務負担をどこまで軽減できるかという点も重視しました。
C-Turtleを選定した理由の一つが、一次データを活用するための仕組みです。C-Turtleでは、CDPなどの公開情報を含め、一次データを活用するための仕組みが用意されているため、一次データの収集のためにサプライヤと個別にやり取りをする必要がありません。将来的な一次データの活用も見据え、業務負担の軽さを選定時の判断材料の一つとしていた当社にとって、この仕様は非常に魅力的でした。
実際の算定では、C-Turtleの総排出配分方式を活用することで、購入先と金額のデータをもとにしてカテゴリ1を算定できるようになり、今までの作業に比べて軽減することができました。
当社にとってC-Turtleは、継続的にGHG排出量を把握する環境を整え、今後の目標設定や削減活動につなげていくための基盤の一つです。
第5章:一人ひとりの意識を、ものづくりを変える力へ
藤倉コンポジットでは、GHG排出量の可視化を、削減活動を具体化するための出発点と位置付けています。今後は、可視化したデータをもとに、国内外の拠点で実際の削減につながる仕組みづくりを進めていく考えです。
すでにScope1・2については先行して目標を設定しておりましたが、今後はScope3についても実態把握を進め、目標設定と削減活動につなげていく方針です。Scope3では自社だけで完結しない排出も対象となるため、サプライチェーンとの連携が重要になります。
その一環として、現在は排出量に加え、労働環境などESG全般に関するサプライヤ調査を実施しています。今後は調査結果をもとに必要に応じてサプライヤとの対話を重ねながら、持続可能なサプライチェーンの構築を図っていきます。
そして、当社がこれから力を入れていきたいことが、ものづくりにおける「どうつくるか」という視点です。エネルギー負荷の少ない生産方法や使用するエネルギーの見直し、環境に配慮した材料の活用などを、事業部、資材部、技術開発部門などと連携しながら進めていく考えです。こうした取り組みを進めるため、当社では社内の推進体制も広げています。2023年に少人数からスタートしたサステナビリティの推進体制は、現在では事業部長や工場長をはじめ、人事、情報システム、経営企画など、さまざまな部門が参加する体制へと拡大しています。
さらに目指しているのは、現場で働く一人ひとりからも、「こういうつくり方にすれば、もっとエネルギーを抑えられるのではないか」といった提案が自然に生まれる状態です。既存の小集団活動にも、工数やコストだけでなく、環境面での削減効果という視点を取り入れていきたいと考えています。
再生可能エネルギーの活用や太陽光発電設備の導入なども進めながら、従業員がサステナビリティを身近なものとして実感できる環境づくりにも取り組んでいます。
今後は算定したGHG排出量データを、実際のものづくりや日々の改善活動に活用することで、一人ひとりが「どうつくるか」を考え、私たち全員が「サステナビリティ経営」に取り組む力へと変えていきます。
企業紹介
藤倉コンポジット株式会社
藤倉コンポジットの「コンポジット」は「複合」という意味です。当社はゴム製品を製造する会社で「ゴム×金属」「ゴム×布」「ゴム×樹脂」等の複合化技術で「くらし」「エネルギー」「レジャー」「いのち」「ものづくり」の5つの【ささえる】で社会に豊かさを生み出し、よりよい社会づくりを目指す会社です。
【C-Turtle®】の概要資料は、こちらからダウンロードください。


https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/c-turtle/