2021.12.15

新入社員がDigital Acceleration Program(デジタル人財育成施策)に参加してみた

NTTデータには、デジタルビジネスを推進する人財の育成を目的とした施策『Digital Acceleration Program(DAP)』があります。約2年間、デジタル技術の先端領域に強みをもつ組織へ異動し、研修(OFF-JT)を通して基礎知識を、実業務(O-JT)を通して技術力を習得することで、応用力の高い実践力を身に付けることが本施策の目的です。また、DAP対象者には出元組織、受入組織の上司が定期的に面談を行い、成長を支援します。今回は、そんなDAP施策に入社1年目で参加した井上と、受入組織・出元組織の各上長2名が、その魅力を語ります。

Index

Digital Acceleration Programとは

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NTTデータでDAPと呼称するDigital Acceleration Programとは、デジタル専門人財を育成するための施策。当時、入社1年目だった井上は、DAP施策の参加者に選ばれ、NTTデータでもデジタル技術のプロフェッショナルが集まる技術革新統括本部にて、約2年間先進技術を学ぶことになりました。受入先となる技術革新統括本部の部長の市川を筆頭に、様々な社員に助けられながらDAP期間を終えた井上は、出元組織である第四金融事業本部へ復帰し課長の奈良のもと、チームのハブとなり、活躍しています。

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井上 大輔
第四金融事業本部 e‐ビジネス事業部 第二開発統括部 個人e‐ビジネス開発担当

入社1年目でDAP施策に参画し、技術革新統括本部 システム技術本部 デジタル技術部 Agileプロフェッショナル担当に2年間所属。主にAgileとスマートフォンの技術を習得し、現在の組織に復帰して入社3年目を迎える。

市川 耕司
技術革新統括本部 システム技術本部 デジタル技術部 Agileプロフェッショナル担当 部長

DAP期間中の上長を務め、出元組織である第四金融事業本部からのニーズを踏まえ、技術習得や学習計画、プロジェクトアサイン等を通して成長をサポートした。

奈良 成記
第四金融事業本部 e‐ビジネス事業部 第二開発統括部 個人e‐ビジネス開発担当 課長

DAP修了後、出元組織にて上長を務める。DAP期間中も定期的に面談の場を設け、研修期間の学びを開発現場に活かすための橋渡しを行った。

座学と実務の両軸で学び、1年で開発案件のリーダーに抜擢

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奈良
今回、私が井上さんをDAP施策に推薦したのは、デジタル技術の最先端知識を持ち、実際に利用・活用する方法まで身に付けた人財になって欲しいという想いからでした。金融に関する知識は組織内で経験を積む中で身に付けることができますが、最新技術に関しては業務を通じて習得できる要素は限界があります。DAP施策はO-JTとOFF-JTの両面で幅広く技術を習得できるので、非常に魅力的に感じましたね。

井上
担当している金融機関のお客様は、さらにその先のお客様(エンドユーザー)を大切にしていらっしゃるので、ユーザーインターフェース(UI)やユーザーエクスペリエンス(UX)に関心のある方が多いです。当時は入社して間もなかったのでその重要性を深く感じ取れていませんでしたが、今振り返ると、時流に乗った提案を先導するためにも、自ら学ぶ必要のある技術であったと実感しています。

奈良
入社間もなくして高度な技術を学ぶ、DAP施策への参加はチャレンジングな出来事だったと思いますが、井上さん個人としても、組織全体としても、将来に向けた多様な人財確保を目指すには最適な時期だったと思います。

市川
受入組織である技術革新統括本部では、井上さんをスマートフォンなどのエッジコンピューティングを中心とした技術チームにアサインしました。
復帰先となる出元組織の第四金融事業本部ではスマートフォンや端末に関連する技術ニーズが高いと聞いていて、中でも1つのアプリがiOSとAndroidのどちらでも動作するクロスプラットフォーム技術などの後に役立つ経験が積めると考えたからです。まずは実際に手を動かすところからスタートしましたが、1年経った頃には商用システム開発案件のチームリーダーを担ってもらいました。

井上
1年目の12月末までは、研修を通して基礎からデジタル技術を体系的に学びました。Agile、SAFe、クラウドネイティブ、デザイン思考、スマートフォンアプリ、クラウド(AWS、Azure)、AIなど、正直、当時の自分にとってはレベルが高く、苦労することもありましたが、トレーナーや育成指導者と相談しながら、少しずつ習得していきました。

市川
井上さんのチームには、技術のスペシャリストやビジネスコンサルの経験が豊富な人、デザインの経験が豊富な人など、複数の専門性を持ったメンバーがいたので、「技術をビジネスにどう活用して、お客様に価値を届けるのか?」という点も鍛えられたのではないかと思います。

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井上
私は、学生時代に情報系を学んでいたものの、ビジネスに即戦力として活かせるほどITに関する高い知識や技術力がある訳では無かったので、市川さんやトレーナーに相談しながら段階的に目標を設定し、それを1つずつクリアするところから始めました。
第一段階は、プログラミングにおける三大要素「順次処理」「繰り返し処理」「分岐処理」を学ぶFizzBuzz問題のアプリを書けること。第二段階は、同アプリ内で完結するアプリの開発。第三段階は、ネットを介さずアプリ外とやり取りできるアプリの開発。第四段階は、ネットを介してやり取りするアプリの開発……といったようなイメージです。

市川
目標設定のアップデートの際には、私だけでなくメンバーも参加し、フィードバックを経て、取りこぼしなく着実に成長できるよう支援しました。結果的に、早い段階からチーム内での関係構築が進み、井上さんにとって学びやすい・成長しやすい環境づくりができたと思います。

井上
さらに他の先輩方からは、おすすめの学習プロセスやツール、学習領域を広げる際の考え方など、技術革新統括本部ならではの文化やノウハウも教えていただきました。学んだ内容を実際の案件で活用するなど、力を発揮する場面は多々あり、会社に貢献できているという手ごたえがやる気につながりました。また、同時期にDAP施策を利用しているメンバーと一緒に研修を受けたので、切磋琢磨できる仲間もできて嬉しかったですね。

市川
技術革新統括本部メンバーや他のDAP対象者とのつながりは、社内の多方面に力を貸してもらうための基盤になっていますよね。

井上
はい!DAP施策が修了した今も、業務上はもちろんプライベートでも交流があります。本当に様々な方からフォローいただいたので、自分がいかに恵まれた環境に置いてもらえたか、貴重な体験ができたかを実感しています。

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研修修了後、サービス開発や組織のハブとなり活躍

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奈良
井上さんが第四金融事業本部へ復帰してからは、約30行の金融機関様、450万人超のエンドユーザーが利用するMy Pallete®という地方銀行様向けスマートフォンアプリパッケージの開発プロジェクトに参画しています。金融機関様のデジタルチャネル戦略にマッチさせるため、新機能における要件定義を主幹として任せました。銀行の運用負荷を軽減するため、スマートフォンアプリでお客様情報を収集・連携する機能について検討する役割です。難しい業務ではありますが、要件をデザインできる人財はとても貴重なので、一つ任せてみようと思いました。

井上
DAP施策で学んだ先端領域のひとつに「サービスデザイン」があったので、早々に習得した技術が活かせました。

奈良
機能・サービスとしてどうあるべきかがしっかり検討されていて、ユーザーインターフェースのフローや診断などについて知識があるだけでなく、ビジネスの現場で実践できるレベルで身に付けていることに驚きました。即戦力として予想以上の活躍です。

井上
今、頑張っていることとしては、技術革新統括本部という他部署の文化を学び、その視点から見つけた現組織や案件での課題に対する改善提案・改善活動も進めています。例えば技術面では、新規解析ツール導入の優位性を提案し、新たな解析環境を構築しました。エラー発生時により多角的な解析作業ができるようになったことで、解析作業のアジリティを向上させることができました。

奈良
コロナ禍でテレワークが当たり前になったとき、膨張したタスク管理のコストカットにも貢献してくれました。

井上
テレワーク環境下では管理者とメンバー、あるいはメンバー同士がお互いの状況を把握しながらプロジェクトを運営することが重要ですが、当時はチーム内のタスク管理方法が最適化されていませんでした。そこで新規ツールを導入することで日次イベントのコストを1/2削減するのに成功し、組織の課題解決の一助となることができました。DAP施策を通じて、技術革新統括本部ならではの考え方も学べたので、得た知識を活かすだけでなく、自分なりに思考して導き出した答えを今の組織に還元できていると思います。

奈良
井上さんの他の活躍として、新しいiOSが出た際のアプリへの影響範囲について、井上さんが技術革新統括本部と連携して迅速に情報収集してくれたので、早期に対処することができました。

市川
DAP施策による横串のつながりは、技術革新統括本部にとってもメリットになっています。第四金融事業本部に復帰した井上さんがキックオフに参加した際は、取り組みの事例などをこちらにも共有してくれたので、自組織の担当に展開することができました。これからは、事業におけるキーマンとしての活躍が期待できますね。

組織に多様性をもたらし、次のサービスへとつなげていく

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井上
正直DAP施策の前半期間は、学ぶべきことが多く非常に苦労しましたが、あるタイミングから吸収速度が指数関数的に伸び始め、気付けばまだまだ学びたいと思う自分がいました。IT業界や社会情勢について学んでいくにつれ、自分がいかに恵まれた環境に置かれているかを強く感じており、今はやりがいとやる気に満ち溢れています。

奈良
DAP施策は組織の人財に厚みや多様性をもたらすという点で、プラスになると感じています。お客様の業界・業務知識に詳しいメンバーだけでなく、デジタル技術に明るいメンバーが加わることで、今までにない発想が生まれます。例えば、チーム内で新しいサービスを考えようとなったときに「どういう機能があればお客様やエンドユーザーに喜んでいただけるか、使いやすいシステムを提供できるか」を起点に考えるメンバーが多い中で、井上さんは「どうすればユーザー数を増やすことができるか、ビジネスとして成り立つか」を起点に考えていました。
こうした志向性や価値観の違いは非常に興味深く、業務に深みを与えてくれます。今は、何か新しい仕事の話が上がったら、まずは井上さんを巻き込んでみよう!という空気がありますね。

井上
嬉しいです…!個人的にはDAP施策を通して自信がつき、積極的になった部分があると思っていて、学んだ知識や知らない用語をメモに残して、メンバーに公開しています。あとから参画するメンバーの役に立つように、小さなところからでも組織に還元していきたいと思っています。

奈良
日々進化するお客様のニーズに追随するうえで、技術力の向上は重要な要素です。私が担当しているMy Pallete®も、サービスを開始した2017年当時としては、スマートフォンアプリでのバンキング機能の提供にまだ珍しさがあったものの、昨今ではそれ自体が目を引くものではなくなっています。日進月歩しているIT技術をうまく取り込みながら次のサービスを考えていくことが、当たり前に求められる訳ですね。その点でDAP施策は非常に魅力的であり、勉強し続けられる環境と仲間がいるNTTデータらしい施策です。DAP対象者の方にはぜひ、この機会を通じて、お客様や市場の求めるサービスを実現する力を習得してもらいたいと思います。

人事本部からのメッセージ

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コーポレート統括本部 人事統括部 人事担当
写真右側:課長代理 中川 裕子
写真左側:主任 石川 絵梨奈

NTTデータがビジネスを展開しているIT市場では、現在デジタルビジネスが急速に拡大しています。デジタルビジネスの特徴として、これまでのようなお客様の業務の効率化だけでなく、ITを活用したお客様の業務変革や新しいビジネス創出などが挙げられます。そこで、NTTデータも今後のさらなる成長のためには「グローバル」で活用できる「オファリング」を迅速に整備していく必要があります。
NTTデータではデジタル変革を推進する人財を「デジタル人財」と定め、デジタルスキルと、そのレベルの高さによって人財を3階層(デジタルコア人財、デジタル専門人財、デジタル活用人財)に分けて定義しました。デジタル技術の知見を有し、サービスを設計・開発する「デジタル専門人財」を戦略的に育成する施策として、DAP施策を人事本部が主管となって2019年に開始しました。

既にデジタルビジネスを展開する組織ではデジタル人財育成に取り組んできましたが、人事本部が主管となり、育成プログラムが整ったDAP施策を開始することで、全社的なデジタル専門人財育成の促進に寄与しています。
2019年から開始した施策ですが、これまでに84名の人財を育成しています(2021年12月時点)。2019年4月の施策第1弾に参加したDAP対象者は2年間の育成を修了し、2021年4月に出元組織へ復帰しました。DAP対象者、受入組織(DAP対象者の育成を実施した組織)の上司、出元組織(DAP対象者を推薦し、育成修了後に復帰する組織)の上司に施策についてアンケートを実施したところ、多数の高い評価を得ることができました。アンケートの実施はDAP対象者が復帰して約半年後でしたが、既に多くのDAP対象者が学んだ技術や経験を活かして活躍しているとの回答でした。施策を通じ、多くの組織に効果的な働きができたことは、施策主管として大きなやりがいを感じています。

デジタル変革への課題は多岐にわたり、進歩をし続けています。DAP施策に関しても、全社としてさらなるデジタル専門人財育成を促進するべく、時代の流れを見極め、施策の改善に取り組んで参ります。そして、お客様のデジタルビジネスを牽引(けんいん)する人財をこれからも多数輩出していきます。

まとめ

様々な領域で新たなサービスやシステムを提供するNTTデータでは、社員に日々チャレンジングな業務を課すだけではなく、未来を見据えて研鑽(けんさん)を積む機会も積極的に提供しています。その一つが、今回のDAP施策です。

本施策では、出元組織と受入組織間でコミュニケーションを取り、DAP対象者の伸ばすべきスキルや知識について意識合わせを定期的に実施します。受入組織はその結果を踏まえ、多角的かつ芯を捉えた育成を実施します。
DAP対象者はOFF-JTにより基礎から体系的にデジタル技術について学習し、O-JTで実践的な経験を積みます。また、受入組織だけでなく出元組織や人事本部など、幅広い部門からの継続的なサポートを受けることによって、視野の広い技術者として、お客様のビジネスを加速させていく存在へと成長していけるのです。

2年という貴重な時間を、未来への投資として費やすことができるのは、NTTデータの「人財こそ財産」という考えがあってこそ。変化が激しく複雑化する時代に、進化し続けるIT技術を駆使してお客様のデジタル変革を牽引(けんいん)していくという強い意志が、色濃く映し出された施策だと言えるでしょう。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです