2023.09.19

前編:NTTデータの「外」にも「中」にも広がる選択肢を、「付加価値」を求めて渡り歩いた【カムバック社員特集】

NTTデータでは、組織力のさらなる強化のため、他企業に転職し、さまざまな経験やスキルを積んだキャリア人財の積極的な再雇用を行っています。新たな経験を求めてNTTデータの「外」を活躍の場に選んだカムバック社員は、どのような価値を感じて再びNTTデータに戻ったのでしょうか。カムバック社員特集第1回の前編では、2023年4月に新たに誕生したストラテジー領域のオフィサーを務める渡邊に、社内外で得てきた経験と、カムバックの理由を直撃。システム開発からコンサルティングでの価値発揮を通して追い求めてきた「ビジネスの課題解決」というコンサルティングのあり方に迫ります。

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渡邊 賢
法人推進部ストラテジー担当
ストラテジーオフィサー
ペイメント事業本部 カード&ペイメント事業部
戦略ビジネス企画統括部 統括部長

1993年にNTTデータへ新卒入社し、クレジットカード担当としてお客様である銀行系クレジットカード会社の次期システム開発案件に従事。1999年に社内公募を経てNTTデータ経営研究所に転籍し、コンサルタントとしてのキャリアをスタートした。プロジェクト完了を機に外部のコンサルティング企業に転職、多くの企業の再編や事業再生などを担当したのち、2014年にNTTデータにカムバック。ストラテジーオフィサーとして組織の戦略を取りまとめている。

「システムは自分が書いたようにしか動かない」。求めたのはビジネスの変革

――渡邊さんは2014年にNTTデータにカムバックされました。現在、統括部長とオフィサーを兼任されていますが、どのような役割なのでしょうか。

どちらも戦略を担当する立場であることは共通しています。特にオフィサーは、マーケットの動向を見極め、戦略策定を担うリーダーとして、NTTデータ法人分野において新たに誕生した役割です。私が担うのは、戦略という広い概念を具体的な施策まで落とし込めるよう、考え抜き、ひたすらアウトプットをするストラテジーオフィサー。現在は決済事業の分野で戦略や事業開発に従事しています。

――ご入社後、システム開発に従事する中で転職に至った経緯を教えていただけますか?

当時のシステム構築は、まだまだ職人の世界。初期の大型汎用機で構築された基幹システムから、次世代に推移したばかりでした。その頃は会社体制も開発主眼だった中で、“お客様の要望に沿ってシステムをつくるだけでは、必ずしも顧客の課題解決になっていない”と感じたことが、転職のきっかけです。

私は新卒でNTTデータに入社したあと、クレジットカード会社のシステムを担当する部署に配属となり、次期基幹システムの開発に向けたプランニングに参画していました。現行システムの設計書等が残っていない中、ホスト内のプログラムのアセンブラを読み込んで機能構造を整理し、ロジックを綺麗に整理してドキュメントに落とし込む作業からスタートしました。ここでエンジニアとしての基礎が身に付いたと思っています。

ところが、仕様書を整理し、設計への理解が深まっていくと、「この処理は本当に正しいのだろうか、お客様のビジネスにとって最適なのだろうか」という問題に行き当たったのです。お客様も課題があることは認識しているものの、何故そのような状態になっているのか、どのような判断のもとそのような機能になっているか分からず「現行のままで」という形に落ち着いてしまいます。システムは一見複雑なようでいて、自分がプログラムした四則演算通りにしか動きません。そのころのNTTデータにおいては私のような一介のシステムエンジニアの立場では、ビジネスの課題そのものを問うことができないと痛感しました。

次期システムをより良いものにするために、ボトルネックとなっていたのはビジネスサイドのルールです。当時の組織体制の中で自分の市場価値を引き上げるには、そこに関与できる仕事をすることが近道になる。そんな展望もあって社内公募でNTTデータ経営研究所(※1)に移ったことが、コンサルタントとしてのキャリアの始まりでした。

※1…1991年に設立したNTTデータ100%出資のグループ企業。政府・官公庁や企業、社会そのものに向けた提言を行う調査研究・コンサルティング業務を実施し、社会性の高いテーマに取り組み続けることを強みとしている。

優秀なメンバーとともに働く中で感じた至らなさと、得られた課題解決への自信

――NTTデータ経営研究所はどのような環境でしたか?

当時のNTTデータ経営研究所は、より上流の課題解決を担う組織をつくるべく、新たに立ち上がって間もない時期。外部のコンサルティングファームから来た方もたくさんいて、さまざまな文化が入り乱れていました。部署ごとにカラーが異なり、出身企業ごとにスライドのつくり方からして違うけれど、みんながむしゃらに働くのは共通しているという刺激的な場所でした。

のちに大手アパレル企業を立ち上げる同僚をはじめ、ちょっと変わり者で非常に優秀なメンバーがそろっていました。そんな優秀な方たちが私の考えに対して、さまざまな角度から意見をくれる。「どうしてそんなものの見方ができるんだ」と驚くことばかりでしたが、逆に私も彼らに新しい視点を提供できた。そうした場としての価値が、非常に高かったですね。

――そこで、コンサルタントとしての考え方の基礎を身に付けたのですね。

その過程では自分の至らなさを感じる場面も多かったです。システム開発の経験を活かせる場面はあったものの、それまで感覚的に判断していた「その結論が本当に正しいかどうか」を、コンサルタントとして論理的に示す必要があったんです。

大変勉強になった一方で、そうした論理性が身に付いたことで、私生活では妻から「理屈っぽくなった」と言われるようになりました(笑)。

――その後渡邊さんは、NTTデータ経営研究所から外部コンサルティングファームへ移ります。そこにはどのような想いがあったのでしょうか?

プロジェクトを終え、チームメンバーがこぞって転職をしていくタイミングで、私も刺激を求めて新しい環境へ進むことを選びました。何よりもコンサルティングビジネスが楽しかったので、コンサルティングの能力をもっと伸ばし、幅を広げることが目的でした。

NTTデータ経営研究所での5年間でマネージャーも経験。起業のプロセスや新規事業の構築に従事し、短期間で業界の状況をキャッチアップして、課題解決していくことを繰り返してきました。一通り与えられたお題に対する答えは出すことができるという自信がついたことで、今度はすでにある企業の再編や事業の再生などを通して、大きな枠組みを動かしてみたいと考えるようになったんです。

選んだのは、戦略の策定を実行まで落とし込めるNTTデータへのカムバック

――企業の課題や事業再生という大きな枠組みに向き合うコンサルタントとして働く中で、どのようなスキルが身に付きましたか?

もっとも実感しているスキルとしては、「なぜなのか」を説明できるようになったことですね。課題に向き合い、考えることを通して、その答えが人によって違うということも理解できるようになりました。コンサルティングは誰かの悩みを解決するために、その固有解を求める仕事です。ですが、「手が痛い」という悩みの解決策が外傷であるとは限りません。神経や脳に問題があるときは、会社で言えば頭脳である経営システムにメスを入れる必要があるのです。

その答えに向けて課題を分析するためには、とにかく「なぜ」を問い続けていく必要があります。当初は格好良い枠組みに基づいて課題を整理できる先輩に憧れて、戦略に関する書籍を読み漁って既製品のフレームワークを探していた時期もありましたが、綺麗に整理することはできません。結論を出すために正面から問題を整理し、自分なりに課題を構造化して正しいと思われる論理を積み上げていく。そのように汗をかくことが思考の本質であると理解できたのは大きな収穫でした。

――コンサルタントとしての成長と活躍を経て、NTTデータへ再入社を決めた背景にはどんなきっかけがあったのですか?

私がNTTデータでお世話になった先輩から、「ペイメント領域の戦略チームをつくりたい。参加しないか」と声をかけてもらったことがきっかけです。20年近く前の同僚たちとは継続した付き合いがあり、定期的に飲みに行く間柄。お互いの近況は理解していました。私はコンサルティングが好きですが、ショートタームでプロジェクトが進み、一定の結論を出して次の案件へ進む、という慌ただしさからは逃れられません。特定の領域にフォーカスして、もっと深く戦略を検討し、その実行にも腰を据えて取り組みたいと思っていたタイミングということもあり、すべてに携わることができるNTTデータに戻ることを決意したんです。

NTTデータ経営研究所に出向したときから、自分の能力には自信がありませんでした。でも、私には元気があります (笑)。だからこそできるだけ市場価値が高いところに身を置き続けたいと考えて、キャリアを歩んできました。コンサルタントも長く経験したいまだからこそ、NTTデータに戻れば、面白いビジネスができるはず。もっと付加価値を出せるという大きな期待と魅力がありました。加えて、退職後も長く付き合いのある方たちと一緒に働けることに、自然体になれる居心地の良さも感じていましたね。

―――

より市場価値の高い役割を求めて、NTTデータのシステム開発からNTTデータ経営研究所のコンサルタント、そしてグループ外のコンサルティングファームへと活躍の場を広げていった渡邊。その経験と知見を「戦略と実行」という形で活かすべく、再びNTTデータに戻ることになりました。後編では、渡邊が担う法人分野とペイメント事業における戦略のあり方、そしてカムバック人財としてのキャリア観に迫ります。

※掲載記事の内容は、取材当時のものです