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2026.3.4技術トレンド/展望

ソブリンの基本的な考え方と企業が直面するリスク

クラウドや生成AIの活用が急速に広がる中、「データをどこで管理し、誰が最終的に統制しているのか」という問いは、もはや現場のIT課題にとどまらず、経営課題へと昇華している。データの保存場所だけでなく、運用体制や技術基盤への依存構造まで含めた設計が求められていると言える。本記事では、「ソブリン(デジタル主権)」の概念と、企業が直面するリスクを整理する。
目次

1.ソブリンとは何か

近年、「ソブリン(Sovereign)」という言葉を耳にする機会が増えています。ソブリンとは本来、「主権」や「最終的な決定権」を意味する言葉です。テクノロジーの文脈においては、「データやシステムを、誰が最終的にコントロールできるのか」という問いを指します。

ここでいう“コントロール”とは、単に操作できるという意味ではありません。

  • データの保存場所を自社で選べるか
  • 第三国からのアクセス要求にどう対応するかを決められるか
  • 法制度の変更があった際に、自社で判断し対処できるか

といった実質的な統制力を持てているかどうか。これがソブリンおよび”デジタル主権”に関する基本的な考え方です。

2.なぜ今、注目されているのか

ソブリンが注目を浴びるようになった背景として、次のような要因を挙げることができます。

図1:ソブリンが注目されるようになった4つの要因

特に生成AIをはじめとするAIの台頭は、デジタル主権の議論を一段と加速させています。AIは大量のデータと計算基盤に依存するため、その基盤をどの国の管理下に置くかが戦略課題となります。AIをどこで動かすのかという問題は、「自らが事業をどこまでコントロールできるのか」に直結するのです。

3.ソブリンを考えるうえで重要な3つの視点

ソブリンを考えるうえで重要な視点について、以下のように3つに整理することができます。

図2:ソブリンの基盤となる3つの視点

重要なのは、これらを個別に考えるのではなく、「3つの主権を横断的に考慮できているか」という視点です。

4.グローバルでの異なる考え方

ソブリンの捉え方は、国や地域によって大きく異なります。各国・地域は、それぞれ異なる価値観と法制度のもとでデジタル主権を設計しています。

図3:グローバルで異なるデジタル主権の捉え方

日本企業にとっての課題は、「海外依存の構造を抱えながらも、説明責任を果たせる設計をどう実現するか」にあります。

5.企業が直面する具体的なリスク

こうした背景のもと、企業は次のようなリスクに直面しています。

  • 海外クラウド利用時のデータ開示要求
  • SaaS利用に伴うログ・監査証跡の国外管理
  • 生成AI利用時の機密情報の越境処理
  • サプライチェーン経由での侵害リスク(自社が直接契約していない企業やソフトウェア経由で被害が広がるリスク)

これらは単なるITの問題にとどまりません。法務、外交、事業継続、コンプライアンス、そして経営責任に直結する課題です。ソブリンを考えない企業は、気づかないうちに“統制不能な依存構造”を抱えることになりかねません。

6.おわりに

本記事では、ソブリンの考え方や注目される背景、グローバルでの捉え方の違い、そして企業が直面する具体的なリスクについて整理しました。データ主権は、単なるデータの取り扱いやデータセンターの立地の問題ではなく、運用体制やガバナンスまで含めた全体設計が重視される時代になりました。だからこそ、ソブリンにまつわる問題は個別の製品導入で解決できるものではありません。事業特性やグローバルな法規制環境を踏まえた、総合的な設計が必要です。

NTT DATAでは、お客さまの事業特性や各国規制を踏まえ、

  • セキュリティおよびガバナンス体制の設計支援
  • グローバル法規制に関する知見の提供
  • 統合型MDR(複数のセキュリティ監視を統合し、継続的に脅威を監視・対応するサービス)(※1)

など、一気通貫した支援を提供しています。また、GRCサービスの一環として、戦略立案コンサルティングやGRCツール導入支援も提供しています。(※2)

今後も市場のトレンドを的確に捉えながら、事業継続と競争力を支える現実的かつ成熟度の高いサービスを提供してまいります。

(※1)UnifiedMDR® for Cyber Resilience

https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/unifiedmdr/

記事の内容に関するご依頼やご相談は、こちらからお問い合わせください。

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