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2026.7.30

J.フロント リテイリング株式会社
すべてのステークホルダーとともに、Well-Being Lifeを実現する

――J.フロント リテイリングが進める共創型サステナビリティ経営

J.フロント リテイリンググループ(以下、JFR)は、環境・社会課題の解決と企業成長を両立し、お客様・取引先・従業員をはじめとするすべてのステークホルダーの「Well-Being Life」の実現を目指しています。百貨店・商業施設での顧客接点を生かし、循環型社会の実現やサプライヤとの脱炭素推進など、多様なステークホルダーとの共創を進めています。環境面での取り組みを支える基盤として活用しているのが、環境データを一元管理できるC-Turtleです。環境データを起点に、多様なステークホルダーとの共創を進めながら、バリューチェーン全体でネットゼロの実現を目指しています。

第1章:サステナビリティを経営の中核に据える

JFRのサステナビリティの取り組みが本格的に始まったのは2018年です。専門部署を立ち上げ、マテリアリティを特定することから始めました。マテリアリティの一つに「脱炭素社会の実現」を掲げたことで、環境への取り組みが重要な経営課題であると社内の認識ができました。
JFRがサステナビリティを経営の中核に据える考え方の根底には、大丸松坂屋百貨店の創業以来受け継がれてきた「先義後利」(義を先にして利を後にする者は栄える)、「諸悪莫作 衆善奉行」(諸悪を犯すなかれ、善行を行え)の精神があります。これは、お客様を第一に考え、社会にとって価値あることを積み重ねることが、結果として企業の成長につながるという価値観であり、サステナビリティ経営そのものの考え方に通じるものだと思います。

第2章:お客様との共創で、循環型社会を育てる

JFRが全国の主要都市で営む百貨店の大丸松坂屋やショッピングセンターのPARCOは、単に商品を販売するだけではなく、お客様とともに持続可能な社会をつくる場としても捉えることができると考えています。お客様との日々の接点を生かしながら、環境や社会に対する新たな価値を生み出していくことがJFRだからこそできる重要な役割だと考えています。
大丸松坂屋百貨店では、ファッションサブスクリプションサービス「AnotherADdress」を2021年から展開しています。国内外のデザイナーズブランドの衣服を、所有するのではなく利用するという新たな選択肢を提供することで、多様なライフスタイルに応えるとともに、衣服を永く活用し循環させることへの共感の輪を広げています。
また、百貨店の全国の店舗では、リユース・リサイクルへの取り組みとして、お客様から不要になった衣料品を回収する「ECOFF」(エコフ)という活動を2016年から実施しています。現在は、春と秋のキャンペーンに加えて、常設の回収ボックスの設置、PARCOの一部店舗と連携した開催、行政等と連携した出張エコフなど、取り組みの輪を広げ、お客様が循環活動に参加できる機会を提供しています。

第3章:共創を支える環境データ基盤

お客様とともに循環型社会を育てるためには、こうした取り組みを継続的に広げ、その成果や課題を正しく把握していくことが重要です。また、JFRが掲げる「脱炭素社会の実現」に向けては、自社だけでなく取引先を含めたバリューチェーン全体での取り組みも欠かせません。その基盤となるのが、環境データを正確に把握し、活用する仕組みです。
環境データの管理には早い段階から取り組み、Scope1・2については集計システムを活用していました。一方で、Scope3は各事業会社からExcelでデータを収集し、ホールディングスで集約する運用を続けていました。取扱商品や取引先、拠点が増える中で、Scope3の集計や確認に要する担当者の作業負荷が大きくなり、Scope1・2・3を一元的に把握し、算定効率を上げる必要性を感じていました。
また、将来のSSBJ(※1)への対応を見据える中で、データの正確性や継続的な管理体制を整備することも重要なテーマとなっていました。そこで、システムのリプレイスを検討することといたしました。当社が重視したのは、Scope3を含む環境データを一元管理できること、店舗や各事業会社の業務負荷を軽減できること、そしてデータの信頼性を継続的に確保できることです。こうした考えから、環境データマネジメント(※2)基盤としてC-Turtleを導入しました。
導入後は、環境データの収集・管理を効率化しながら、データの正確性を維持できる運用基盤が整いました。これにより、担当者は集計作業だけでなく、データ分析や削減施策の検討、取引先との対話へより多くの時間を充てられるようになっています。
C-Turtle導入の最大のメリットは、取引先の一次データを継続的に活用できる環境が整ったことだと思います。Scope3カテゴリ1では、取引先の削減努力を適切に排出量へ反映していくためにも、一次データの活用が重要になります。C-Turtleを活用することで、より多くの取引先の一次データを継続的に活用することができ、実態に即した排出量の把握と、取引先との建設的な対話が可能となっています。
また、適時・継続的に機能改善が行われていることも、高く評価しています。算定業務の中で生じた改善要望や新たなニーズにも対応してもらえるため、制度改正や業務の変化にも柔軟に対応できる環境が整っていることはありがたいです。

(※1) SSBJ:Sustainability Standards Board of Japan 国内のサステナビリティ情報開示基準を検討・策定する枠組み
(※2) 環境データマネジメント:排出量算定に必要な環境関連データの収集、統制、品質確認、報告までを継続的に管理すること

第4章:取引先との共創で、Scope3削減を進める

JFRの温室効果ガス排出量の大部分は、Scope3、その中でもカテゴリ1(購入した製品・サービス)が占めています。そのため、自社だけで脱炭素を進めるのではなく、取引先とともにバリューチェーン全体の排出量削減へ取り組むことが不可欠だと考えています。
その取り組みの一つが、主要な取引先を対象とした説明会です。説明会では、当社のサステナビリティ方針や百貨店事業の将来像に加え、脱炭素は企業の持続的な成長に向けた重要なテーマであることを共有しています。その上で、温室効果ガス排出量の算定を、削減へ向けた第一歩として提案し、取引先においても自社の現状を把握することから始めていただけるよう働きかけています。
説明会に加えて、環境に関するアンケートの実施や個別訪問も継続しています。アンケートを通じて取引先ごとの取り組み状況を把握し、それぞれの状況に応じた情報提供や意見交換を行うことで、一社一社に寄り添った支援を進めています。説明会をきっかけに排出量算定へ着手する企業や、算定方法について相談を寄せる企業も増え、少しずつ取引先との対話が広がっています。
こうした取り組みは、日頃から取引先と接点を持つ部門の担当者とサステナビリティ部門が連携しながら進めています。
また、C-Turtleを活用して把握した一次データも、取引先との対話を深める上で重要な役割を果たしています。取引先ごとの取り組み状況を把握しながら対話を進めることで、それぞれの課題や状況に応じたコミュニケーションが可能となり、より実態に即した脱炭素の取り組みにつながっていくものと思っています。

第5章:共創を広げ、Well-Being Lifeの実現へ

JFRが目指しているのは、商品の企画・調達から販売、お客様が使い終えた後までを含め、バリューチェーン全体で環境価値を高め、多様なステークホルダーの皆様の「Well-Being Life」に貢献してくことです。
その中で百貨店が果たす役割は、作り手の想いをお客様に届けること。そして、ともに未来を創る「パートナー」として、お客様がお買いものの瞬間だけでなく、愛着のあるモノを使い終えたその先の未来を紡いでいけるよう、環境や社会に配慮した新しい価値観やライフスタイルを提案していくことです。環境への取り組みを「我慢」や「制約」として捉えるのではなく、思わず「選びたくなる」「参加したくなる」体験として提供することで、お客様が自然に、そして誇りをもって歩みを進められる循環型社会へと共感の輪を広げていきます。

企業紹介

J.フロント リテイリング株式会社

J.フロント リテイリンググループは、百貨店事業では全国主要都市に「大丸」「松坂屋」を15店舗、またSC事業でもショッピングセンター「PARCO」を15店舗構えています。その他にもデベロッパー事業、決済・金融事業、卸売業などを展開しています。 

GHG排出量可視化プラットフォーム「C-Turtle®」
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/c-turtle/

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