第1章:人を育て、チームで未来をつくる「人間中心の経営」
KSKが経営において大切にしているのは、一人ひとりの成長と、人と人とのつながりです。経営理念「敬天愛人」のもと、「人間中心の経営」を掲げ、人材育成や健康経営、エンゲージメント向上など、社員が成長し、力を発揮できる環境づくりに力を入れています。
その考え方を象徴する取り組みの一つが、新入社員教育です。新卒社員は入社後、東京技術センターで5か月間の集合研修を受けます。特徴的なのは、研修時間の約6割を技術力ではなく「人間力」を磨くための教育に充てていることです。ビジネスマナーをはじめ、社会人として周囲と関わりながら主体的に仕事を進めるための力を体系的に学び、技術力についてはその後のOJTも通じて継続的に磨いていくという考え方です。
また、当社では「チーム」で行動することも重視しています。新入社員も研修段階からチームを組み、日々の業務だけでなく、地域でのボランティア清掃などにもチームで参加しています。さらに、年2回実施する広域清掃活動には社長や相談役も参加し、社員と一緒に地域の環境美化に取り組んでいます。活動内容を社内報で共有することで、こうした企業文化を社内へ広げています。
そして、この「チーム」という考え方は社内だけに閉じたものではありません。当社では、お客様先などでともに働くビジネスパートナーも同じチームの一員と捉えています。健康経営やエンゲージメント向上の取り組みにおいても、考え方に共感するビジネスパートナーとともに活動し、チームとしての一体感を高めてきました。
人を大切にし、人を育て、立場や所属を越えてチームとしてともに取り組む。当社が長年培ってきたこの企業文化は、人的資本や健康経営に加え、現在進めているサステナビリティへの取り組みにもつながっています。
第2章:これまでの環境活動を、環境経営へ
KSKでは、ISO14001に基づく環境マネジメントシステム(EMS)を導入し、本社や東京技術センターを中心に環境方針を定め、廃棄物の分別処理、節水などの環境負荷低減活動を継続してきました。地域での清掃活動を含め、身近なところから環境に配慮した取り組みを積み重ねてきたことが、現在の環境経営の土台となっています。
近年では、気候変動への社会的な関心の高まりやGHGプロトコルなどの新たな枠組みに加え、取引先を含むサプライチェーン全体で脱炭素へ取り組むことの重要性も高まっています。こうした変化を受け、これまでの環境活動に新たな知見や考え方を取り入れながら、GHG排出量の把握や削減へと取り組みを広げています。
また、現在の3か年中期経営計画では、3本柱の一つとしてSXへの取り組みを位置付けています。そのKPIの一つとしてグリーン調達を推進し、標準PCを環境に配慮した製品へ統一するなど、事業活動の中でも具体的な取り組みを進めています。グリーン購入については四半期ごとに進捗を確認し、継続的な改善につなげています。
こうした取り組みを進める中で、当社が改めて向き合うことになったのが、自社だけでなくビジネスパートナーまで含めたサプライチェーン全体のGHG排出量です。特にScope3への対応では、幅広い取引先との関係を踏まえながら、どのように排出量を把握していくかが重要なテーマとなりました。
第3章:サプライチェーンの実態を捉える、Scope3算定へ
GHG排出量の可視化を進める中で、KSKが特に重要なテーマと捉えたのがScope3への対応です。自社の電力使用などを中心とするScope1・2に加え、サプライチェーン全体の排出量をどのように把握していくか。その実現には、当社の事業構造に合った算定方法が必要でした。
当社は二次請けを中心とする事業構造で、その先には三次請け・四次請けを含む多くのビジネスパートナーが存在します。中には小規模な事業者もあり、すべてのビジネスパートナーにGHG排出量を算定してもらい、個別にデータの提供を求める方法では、各社の負担も大きくなります。当社としても、ビジネスパートナーとの関係を大切にしながら、現実的な方法でサプライチェーンの排出量を把握できる仕組みを求めていました。
そこで着目したのが、GHG排出量可視化プラットフォームC-Turtleです。選定にあたって特に評価したのが、CDP(※1)との連携と「総排出量配分方式」でした。当社では以前から、Scope3まで対応範囲が広がった場合の算定負荷を課題として捉えていました。C-Turtleであれば、CDPの開示データを活用した総排出量配分方式によって、サプライヤごとに個別の排出量データを収集する方法とは異なるアプローチでScope3を算定できることが、当社の事業構造に適していると考えました。
また、CDPをはじめとする外部評価や情報開示への対応を見据えた際に、算定したデータを継続的に活用できることも重視しました。複数のサービスを検討する中で、当社にとって実用性の高い仕組みであることが決め手となり、C-Turtleの導入に至りました。
自社だけで完結する算定ではなく、ビジネスパートナーとの関係や実際のサプライチェーン構造を踏まえながら、継続的に排出量を把握していく。C-Turtleの導入によって、当社はScope3を含むGHG排出量の可視化に向けた取り組みを本格化させています。
第4章:可視化を起点に、できることから着実な削減へ
C-Turtleの導入により、KSKではScope1・2・3を含むGHG排出量の可視化を進めています。実際に算定することで、自社の排出構造を把握するとともに、拠点ごとの状況に応じて、どのような削減施策に取り組めるのかを検討しています。
その中で当社が重視しているのが、自社で主体的に取り組める施策から着実に進めることです。当社の拠点はすべてテナント物件であり、電力契約や再生可能エネルギーへの切り替えなど、ビルオーナーや管理会社の方針によって対応できる範囲が異なります。そこで、各拠点の状況を確認しながら、自社で実行できる取り組みを検討しています。
具体的な取り組みの一つが、本社/東京技術センターにおける再生可能エネルギーへの切り替えです。同センターはテナント物件でありながら一棟を借りているため、使用する電力をある程度自社で選択できる環境にあります。地域でのつながりも生かしながら新電力会社と契約し、2026年4月から再生可能エネルギーへ切り替えました。これにより、今年度報告分では同センターの電力使用に伴う排出量がゼロとなる見込みです。
一方、テナントビルの一区画に入居する拠点では、電力会社や再生可能エネルギーの選択を自社だけで決めることが難しいため、管理会社へ今後の切り替え予定を確認するなど、働きかけも行っています。また、中期経営計画に基づくグリーン調達では、標準PCを環境配慮型製品へ統一するなど、日々の事業活動の中でも環境負荷低減につながる取り組みを進めています。
GHG排出量を可視化したことで、自社でコントロールできる領域と、ビルオーナーや社会インフラなど周囲との連携が必要な領域も見えてきました。当社では、それぞれの状況を踏まえて優先順位を付けながら、実行可能な施策を一つずつ積み重ね、環境経営を前へ進めています。
第5章:環境への意識を、組織全体の力へ
KSKがこれから目指しているのは、環境への取り組みをより多くの社員が身近なテーマとして捉え、日々の行動につなげていくことです。環境経営をさらに前へ進めるため、EMS活動なども生かしながら、一人ひとりの環境意識を高める取り組みを全社へ広げていきたいと考えています。
その背景には、社員の意識を継続的に把握する中で見えてきた課題があります。当社では半年に一度、エンゲージメントサーベイを実施しており、「SDGsへの取り組みや関心」に関する項目は、健康経営などと比較して社員の実感がまだ十分に高まっていない状況です。そこで今後は、環境への取り組みを限られた担当者だけで進めるのではなく、社員が自ら考え、参加できる活動として社内へ浸透させていくことを目指しています。
また、サステナビリティを取り巻く制度や社会からの要請は今後も変化していきます。自社だけで知識を蓄えることに加え、他社の事例や新たな知見に触れながら学び続け、自社に合った形で取り入れていくことも重視しています。C-Turtleのユーザー企業などとの交流を通じて得られる知見も生かしながら、環境への取り組みを継続的に進化させていく考えです。
人を育てることを大切にし、チームの力を高めてきた当社だからこそ、環境への取り組みも一人ひとりの意識と行動から組織全体へ広げていく。社員、そしてともに事業を支えるビジネスパートナーと力を合わせながら、当社はこれからも、人と環境の双方を大切にする持続可能な企業づくりを進めていきます。
企業紹介
株式会社KSK
株式会社KSKは、システムコア、ITソリューション、ネットワークサービスの3本柱で事業を展開する独立系IT企業です。人間中心の経営を掲げ、「エンゲージメント(企業風土)」、「人材育成(仕組み)」「CS向上(戦略)」を経営の基軸と位置付けています。健康経営やISO14001に基づく環境活動にも取り組み、再エネ化やScope3を含むGHG排出量可視化 を進めるなど、持続可能な社会づくりに貢献していきます。
【C-Turtle®】の概要資料は、こちらからダウンロードください。


https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/c-turtle/