サーバ統合型クラウド
動作するアプリケーションごとの資源をクラウド運用者が事前に割り当てておく利用形態のクラウドを「サーバ統合型」と呼びます。仮想化を用いたサーバ統合ソリューションが典型例として挙げられます。資源提供の即時性・柔軟性はあまり高くなく、「クラウドらしさ」が感じられない点もありますが、既存の運用方法をそのまま適用しやすい利点があるため、現実解として選ばれる傾向があります。
セルフサービス型クラウド
クラウド利用者が自ら資源の払い出しをする利用形態のクラウドを「セルフサービス型」と呼びます。本来の意味でのクラウド(NISTによるクラウドコンピューティングの定義参考1)はセルフサービス型に分類されます。資源の提供は素早く柔軟ですが、既存の運用方法をそのまま適用しづらい面もあります。
どちらのクラウドをご所望ですか?
クラウドの利用を検討する場合、サーバ統合型・セルフサービス型のどちらを利用するのかを、移行・運用体制まで見越して決定することが重要です。サーバ統合型を利用する場合は、これまでどおり経営サイドからトップダウンにクラウドへの移行・運用を決定して推進していくのがよいでしょうし、セルフサービス型を利用する場合は、IT部門に相応の権限を与え、ボトムアップにクラウドへの移行・運用を進めていくのがよいと考えられます。この検討をおろそかにすると、IT基盤と移行・運用体制がちぐはぐなクラウドになってしまいます。どの形態が適しているのか、NTTデータでは最適なアプローチのご提案と実現をサポートしております参考2。
表:クラウドの2形態
セルフサービス型クラウドの持つ可能性
セルフサービス型クラウドを効果的に利用することで、IT部門の主体性が向上されていきます。IT部門が単なるコスト削減の対象ではなく、経営改革の武器として考えられるようになる、そんな可能性をセルフサービス型クラウドに感じていただければ幸いです。
参考文献
- 2010年4月8日ニュースリリース
- OSSによるクラウド構築・運用のツボ(外部リンク)