開発手順を標準化する価値
近年、日本国内を主なビジネスフィールドとしているお客様から、お客様内部のシステム開発手順の標準化についてご相談を受けることが増えています。プロジェクトは常に新規性があるため同じ開発はありませんが、お客様の中に標準化された開発手順を持つことで生産性の改善と一定の品質レベルを維持し、失敗のリスクを下げるように工夫し続けることが重要視されています。このような活動を組織的に行い、蓄積されたナレッジとしての標準手順を策定することで、以下のメリットが得られます。
- 開発メンバ間のコミュニケーションミスや作業の分担調整コストが軽減される。
- 標準手順に基づくガイドやツールを整えることで、迅速なITサービスの提供が可能になる。
標準化には多くのメリットがある一方、標準化作業は非常に骨の折れる作業です。開発手順とは「仕事のやり方・進め方」であるため、運用されて初めて効果があります。異なる開発手順で運用していた部署、開発手順を変えたくない部署、形式化された開発手順を持たず属人化した部署も巻き込み、啓発し、時間をかけて開発手順の運用と改善を重ねていくことが不可避です。
開発手順の標準化活動は、グローバル化の波により一層重要になります。事業拠点を複数の国に展開している企業・組織、あるいは開発をオフショアや複数国に柔軟に発注するグローバルソーシングを実践している企業・組織にとって、文化や慣習の異なる人々の「共通言語」として標準開発手順を持つことは、プロジェクトの成否を決める要因の一つです。
グローバル開発標準の整備
NTTデータでは、グローバルに活躍されるお客様を最大限支援するため、世界中にNTTデータグループのネットワークを拡大し、より密接にITサービスを提供できる準備を進めています。その土台となるのがグローバル開発標準参考1です。
グローバル開発標準は、NTTデータグループが北米、欧州、中国、東南アジア、インド、日本などの開発プロジェクトを実施した経験から、地域ごとのビジネス特性を取り入れて策定した開発手順参考2と、多国籍企業のお客様への統一的なサービス提供のプロセスフレームワークから構成されています。ここで、地域ごとのビジネス特性に合わせた開発手順は、NTTデータグループ内での「共通言語」である標準開発手順をベースとして、地域の特性に合わせてアレンジした派生手順です。
NTTデータは、グローバルでビジネスを広げるお客様、国内のビジネスを主力とするお客様のそれぞれに、最適なITサービスを提供できるパートナーを目指しており、グローバル開発標準の整備によって、この取り組みが加速できると信じています。
Local Methodologies
- 注地域によっては開発手順の標準化を進めている段階です。