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2022.4.5業界トレンド/展望

withコロナ時代にショッピングセンターが勝ち残るには?SCビジネスフェア2022からみえた3つのポイント

2022年1月26日から28日にショッピングセンター関係者が集まる展示会『SCビジネスフェア2022』が開催されました。昨年は新型コロナウイルス感染症対策としてオンラインでの実施になりましたが、今回は例年通りパシフィコ横浜での開催となりました。本記事では、各ブースの展示内容や関係者の声から見えてきた、ショッピングセンター(SC)が勝ち残っていくために必要な3つのポイントについて紹介します。

NTTデータのマーケティングDXメディア『デジマイズム』に掲載されていた記事から、新規事業やデジタルマーケティング、DXに携わるみなさまの課題解決のヒントになる情報を発信します。

ショッピングセンター(SC)のいま

日本ショッピングセンター協会が発表した2021年12月のSC販売統計調査では、前年同月比売上高は+6.0%で11月に続き前年実績を上回る結果となりました。しかし、1月の新型コロナウイルス第六波の影響により、都心部の商業施設では飲食店を中心に営業時間の短縮を迫られるなど、回復の兆しに水を差される格好となりました。

そんな中withコロナ時代において勝ち残るSCの在り方が、ブースの展示やデベロッパー関係者の声から浮き彫りになってきました。

ポイント① “直接売上につながりにくい業務”のデジタル化の加速

慢性的な人手不足に加えてコロナ禍の影響もあり、業務の効率化は業界を問わず企業にとって悩みの種となっています。

SCも例外ではなく、とくにテナントがSCのデベロッパーに行う売上報告は、毎日営業終了後の限られた時間で行う必要があり負荷の高い業務となっていました。このような背景から、売上報告業務は比較的早い段階からデジタルやITが活用されていた領域といわれています。SC向けのソリューションベンダーの製品群には、売上報告が基本機能として提供されていることが多いのもその現れです。

今回のSCビジネスフェアでもこうした課題の解決につながる展示が多数見受けられました。例えばリゾーム社の売上報告ソリューションは、テナントが紙で出力した精算レシートをOCRとAIを使って自動で読み取る仕組みを提供しています。デベロッパーが売上報告のチェックにかかる時間を150分の1にした例もあるとのことです。

売上報告といったバックエンドの業務は、ミスが許されず正確性が求められるものの、接客や店舗づくりのようにSCの価値創出や魅力向上、ひいては直接的な売上向上にはつながりづらいといった側面をもっています。しかし、近年の働き方改革で従業員のさらなる生産性向上が求められる中、このような「人間がやらなくてよい業務」は、今後もデジタル化が一層進む領域です。このように定型業務に充てていた時間を削減して、SCの価値向上につながる業務に充てることが、勝ち残るSCをつくるための第一歩となります。

売上報告支援のソリューション

ポイント② 来館時のお客さまデータの多面的な収集・分析による顧客理解の深化

ふたつめのポイントとして、来館したお客さまの行動・購買データを収集・活用する展示も目立ちました。

RCTジャパンのブースでは、館内の人の流れを計測・可視化し、お客さまの混雑状況を把握するピープルカウンターが大々的に展示されていました。新型コロナウイルス感染症の感染予防目的をきっかけに導入が進んできたとのことですが、もともとこれらは人流を把握してテナントの誘致やマーケティングに活用する目的で開発されたものです。

最新のプロダクトは、人数だけでなく性別・年代まで高い精度で計測ができ、POSの売上データと連携することで買上げ率や購入金額が把握できるだけでなく、買い上げに至らなかったお客さまも定量的に捉えることができるとのこと。

また、JR西日本グループのWESPOや阪急阪神グループのSポイントのように、デベロッパーが会員制度やポイントプログラムを提供するのも同じ理由からです。お客さまの購買状況の把握にはじまり、スマホアプリとビーコンを活用した来館・回遊分析、来店後のショップ評価など様々なデータを収集しています。

このようにデジタルを活用してお客さまのデータを多面的に収集・分析することによって、顧客理解をさらに深めようとする試みが進んでいます。お客さまのインサイトをより解像度高く把握できることで、テナント誘致、店舗づくり、接客、キャンペーンなど館の価値向上、ひいては競合との差別化につながると考えられます。

人流把握ソリューション

ポイント③ ターゲットを明確にした、一貫性のあるマーケティング戦略

出展されているデベロッパーの方を中心に、SCの直面している課題についてもお聞きしました。最もよく耳にした声は、人口減少によってお客さまの絶対数が減っていることに加えて、新型コロナウイルス感染症の影響によって来館されるお客さまが減ってしまったことです。都心部で激減してしまった通勤・通学途中に立ち寄っていたお客さまを呼び戻すなど、既存のお客さまにふたたびリアル店舗へ足を運んでもらうことが課題と認識されています。

そして、ふたたび来館いただいたお客さまと長期的な関係をつくり、ロイヤルカスタマーとして長いおつき合いをすることをめざしたいとのこと。その一方で、理想的なロイヤルカスタマーのお客さま像が明確にできていないとの声も聞かれました。中には、新規顧客の獲得と既存顧客との関係向上のどちらに主眼をおくのか社内でもまとまっておらず、マーケティングの方針が定まっていないと悩まれているご担当者もいました。

業務効率化と顧客理解がSCの生き残りに重要であることはこれまで述べた通りですが、これらの効果を最大化するには、基本となるマーケティング戦略が必要です。ある大手都市型SCデベロッパーは、ロイヤリティプログラムを活用した購買分析、来場者アンケートによる商圏・顧客分析を行い、入居テナントへの営業支援に活用しているとのことでした。これは、同社が標ぼうしている既存顧客とのエンゲージメント強化が、戦略として現場に浸透しているからに他なりません。

デベロッパー各社のブース

勝ち残るSCに必要なソリューション

このようなSCが勝ち残るために必要な3つのポイントに対して、私たちNTTデータのブースでもそれらを強く意識したサービス・ソリューションを展示していましたので、簡単にご紹介します。

NTTデータ CAFISソリューションの展示ブース

まず、「デジタルバックオフィス」サービスは、テナントの売上報告業務だけでなく、SCデベロッパーのバックオフィス業務の効率化までをソリューション+BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)によって一気通貫で実現する、他社にはないサービスです。このサービスによって、デベロッパーは売上管理関連のコスト削減と付加価値の高いコア業務に注力することが可能となります。

バックオフィス業務効率化の全体像

また、レジ無しデジタル店舗出店サービス“Catch&Go”や、アバター遠隔接客ソリューション”どこでもお店”といった店舗・接客のデジタル化、CAFIS PittやCAFIS Explorerといった自社スマホ決済・ポイントソリューションなど、商業施設の顧客体験変革とともに、顧客理解をさらに深めるお客さまデータ収集・活用のソリューションもご提供しています。

オフラインでのソリューション活用事例

勝ち残りに必要な「攻め」と「守り」のデジタル活用

まだまだ不透明な状況のつづく新型コロナウイルス感染症。リアルがビジネスの中心となるSCにはこれからも影響が続いていくものと思われます。この難局を乗り越えるには、業務効率といった「守り」のデジタル化と、データドリブンによる顧客理解・マーケティングへの積極的な活用といった「攻め」のデジタル化の両面が必要になります。この「攻め」と「守り」のデジタル化で足腰を固め、戦略にもとづいた一貫性のあるマーケティング施策を実行できるSCが、今後も生き残っていくのではないかと考えます。

NTTデータのソリューション


デジタル店舗運営サービス「Catch&Go®」
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/catchandgo/

デジタル接客サービス
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/remote-sekkyaku/

自社スマホ決済ソリューション CAFIS Pitt
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/cafis_pitt/

ポイント・顧客管理SaaS CAFIS Explorer
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/cafis_explorer/

クラウド型総合決済プラットフォーム CAFIS Arch
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/cafis_arch/

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