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2023年7月4日事例を知る

DXのプロが導く“共創型”次世代リーダー育成プログラム「デジタルサクセス®・アカデミー」

多くの企業でDX(デジタル・トランスフォーメーション)の成果が問われる今、デジタル技術を活用して事業やサービスのあり方を変え、新しい価値を生み出せる人財の育成が課題となっている。こうしたニーズを視野に、2022年10月より開講した共創型人財育成プログラムが「デジタルサクセス®・アカデミー」(※)だ。“DXのプロ”として企業のデジタル変革をサポートしてきたNTTデータのデジタルサクセスCOE室長 小林大介がプログラムの特長について解説する。

(※)

「デジタルサクセス」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標(登録番号 第6341812号)です。
https://enterprise-aiiot.nttdata.com/service/digital_success
「デジタルサクセス・アカデミー」は、2022年10月よりNTTデータとNTTデータユニバーシティが共同で提供しています。
デジタル人財を育成する業界横断の共創プログラムを提供開始

目次

DX推進のカギを握る“自ら考えて技術を活用できるデジタル人財”

企業におけるDX推進の成否は、その企業のデジタル人財育成力にかかっているといっても過言ではありません。近年、DXに取り組む企業は増えていますが、成果創出の観点では成功している企業ばかりではありません。新しいシステムやデジタルツールを導入する企業は多いものの、それを社員がビジネスの現場で十分使いこなせず、活用の前後のプロセスが停滞しているケースが散見されます。自社のビジネスや業務の課題をどのようにとらえ、その課題を解決するためにシステムやツールをどう使うのか。これらを戦略的に考え、デジタル変革を進めることが必要です。

市場環境においても、IT・デジタル化の進展によって、多くの業界で新規参入者や新サービスが生まれ、ユーザーニーズの多様化が進んでいます。予測が難しい環境変化の中で、企業には柔軟かつスピーディな対応が求められています。今までとは異なる視点で自社の事業や業務をとらえ直し、デジタル技術の活用を前提にビジネスモデルやプロセスを変革していかなければなりません。

そこで重要になってくるのがデジタル人財の育成です。自ら主体的に考えてデジタル技術を活用できる人を企業内で育て、増やしていく。こうした人財育成の重要性は、NTTデータがDX推進を支援している全ての顧客企業に共通した認識でもあります。

一過性の学びを超え、実課題の解決策を考える実践型プログラム

すでに多くの大企業では、デジタル人財の育成強化に向けて、階層別に全社員が参加する集合研修などを実施しています。ところが、どうしても一過性の研修で終わってしまい、現場での実践機会がなく、学びが定着しないとの課題が浮上しています。また、新システムの「操作説明会」は実施したものの、実際の使い方は各現場に任せるばかりで、全社レベルでなかなか活用が進まないケースも見られます。さらには、社内受講者は共通するマインドの持ち主が多く、既存のビジネスモデルを刷新するような発想や意見が出にくいなどの側面も指摘されています。

NTTデータはこうした課題を抱える幅広い業界の企業に対して、デジタル変革を通じたビジネスの成功、成果創出をゴールに全方位的な支援を積み重ねてきました。デジタル・データ活用を起点とした事業や業務の変革構想立案から、変革に必要な社内外データの分析、データ活用を支えるシステム・ツールの開発・導入、変革を推進する人財育成と組織の整備などです。これらのナレッジを融合し、NTTデータ社内のデータサイエンティストやコンサルタントの育成プログラムを汎用化したものが、独自の人財育成プログラム「デジタルサクセス・アカデミー」です。

「デジタルサクセス・アカデミー」では、複数企業が参加する「共育・共創の場」を提供しています。6カ月におよぶ育成プログラム期間を通じて、座学によるインプットにとどまらず、各社の実際のDXテーマに沿ってチームで課題の解決に取り組んでいくプログラムです。

受講者はまず、スキルの自己評価からスタートし、所属組織の上長を交えて成長計画を作成。講師のもとで体系的にデータサイエンスやデジタル変革の取り組み・方法論について学びます。その後、異なる企業のメンバー同士でチームを作り、DX推進における自身の課題を共有し、ディスカッションを重ね、他者の異なる視点やアドバイスから気づきを得ていきます。受講者は自身のスキルアップを確かめながら、実課題の解決の方向性を実践的に検討できます。

図:「デジタルサクセス・アカデミー」の全体像

図:「デジタルサクセス・アカデミー」の全体像

学びを経て触発し合い、ビジネス機会を広げていく

もう一つ「デジタルサクセス・アカデミー」で重視しているのは、受講者が育成プログラムの中で得た学びを各企業の現場に持ち帰って活用すること。プログラムでの学びの実践を通じて一人ひとりが成果を出せるよう手厚くサポートしています。

育成プログラムの講師役は、日々顧客企業と向き合っているNTTデータのコンサルタントやデータサイエンティストです。彼らはプログラム期間を通じて受講者のメンターとして定期的な面談の場を設け、個々の受講者の要望に応じてアドバイスします。受講者がプログラムの中で「これは有効だ」と思える知見を得たとしても、それが実際の業務の現場でそのまま使えることはほとんどないからです。各企業の現場でデジタル技術を有効に活用するためには、多様な企業との協働経験をもつ講師陣の的確なアドバイスが役立ちます。

また、受講者が気軽に意見交換できるコミュニティ機能をオンライン上に設け、デジタル活用に関する疑問や悩みを企業の枠を超えて相談できる環境を提供しています。また、6カ月のプログラムの最終段階では、デジタル活用を通じた新しいビジネスアイデアを各チームで考え、プレゼンテーションを互いに評価し合うコンテストを実施しています。

育成プログラム修了後も企業間の人財交流は継続しますから、受講者同士が互いに触発し合える関係を維持し、業界を横断するような共創ビジネスの可能性を広げてほしいと考えています。

体系的に学び、実践を通じてできることが広がった

「デジタルサクセス・アカデミー」は、2023年3月に第1期生の育成プログラムが修了したところです。さまざまな業種・業態の企業から、若手社員だけでなく、初めてDX推進組織に配属されたリーダー層にも参加していただきました。図らずも幅広い年次の方々が意見交換を重ねることで、「共創の場」としての効果が高くなったと感じています。

これまで手探りでDXに取り組まれてきた受講者が多く、改めて体系的にデータサイエンスの手法を学んでいただきました。そして、異業界の企業に所属する受講者とともにリアルなケーススタディやディスカッションを通じて課題解決に取り組みました。その結果、「今まで知らなかった視点や考え方に触れて、非常に学びになった」「データサイエンスの根拠を示して提案することで、社内のメンバーに納得感をもって動いてもらいやすくなった」などのコメントをいただいています。

また、講師役を務めた私たちは、受講者の上長の方々とも各メンバーの成長や組織としての向上に向けた意見交換を行いました。その過程で、「デジタルサクセス・アカデミーを通じて本人の積極性が増した」「社内で活発に情報発信を行い、新しい提案をするようになった」などの評価をいただき、当初期待していた以上にプログラムの手応えを感じています。

受講者の声

自ら課題を設定する意義に気がついた(IT部門・入社2年目)
当社の場合、若手に任される業務の多くはすでに課題が明確に示されており、解決策を考える段階からスタートします。今回の研修では、どこに課題があるのか「自分で仮説を立てる」ところから取り組めて、とても新鮮でした。データサイエンティストの業務は、まずは仮説を立て、関係者と目的意識をしっかりすり合わせて協働することが大切だと知り、大きな学びになりました。

初学者に寄り添った的確なサポート(情報部門・入社2年目)
新卒で情報部門に配属され、ずっと手探り状態でしたので、自分のレベルに寄り添ってプログラムの内容を調整してもらえて本当にありがたかったです。研修の前半ではデータ分析の手法を基礎からじっくり時間をかけて学べ、後半のチーム実習では課題に対する根拠を持ったアプローチの手法を数多く学ぶことができました。今後、現場部門と業務を進める際に役立つと思います。

課題感が異なる若手の意見が刺激に(企画部門・入社2年目)
異業界の同年代メンバーとの交流を通じて、視野が広がりました。会社によって課題感が異なり、A社の課題がB社では逆に強みになるなど、新鮮な発見の連続です。講師の方々が紹介してくれた参考書や勉強方法も役立ちました。企画部門に在籍していますので、社内で必要になるデータの整備や分析業務を具体的にイメージした上で、企画立案やマネジメントが進められると考えています。

DXは業務課題を深く知ることだった(戦略部門・入社11年目)
社会人になって10年以上経つと、研修や実習を通じて新しいスキルを学び直す機会は少なくなります。その意味で、データドリブン経営を推進させる部門に異動して日が浅い私にはとても有益な研修プログラムでした。デジタルを活用して現場で質の高いアウトプットを出してもらうには、分析者の視点に立ち、業務の課題を深く把握することが必要だと腹落ちして理解できました。

日本のデジタル変革の牽引役を輩出し続ける

「デジタルサクセス・アカデミー」は、今後も継続して日本企業のデジタル力の底上げに着実に貢献していきます。2025年までに、約30社、延べ1,000人以上のデジタル人財の育成を支援していく計画です。そして、その1,000人が業務を通じて社員のロールモデルとなり、さらに多くのデジタル人財を育てていくプラスの循環が生まれることを期待しています。

今回の第1期生に関しては、データサイエンスを中心に育成プログラムをつくり込みました。しかし、企業が求めるデジタル人財はデータサイエンティストだけではなく、ITスペシャリストも必要です。さらには新しい商品やサービスを、アジャイルに開発するプロジェクトマネージャーも求められるでしょう。今後はより幅広いデジタル人財が育成できるよう、プログラムを拡充していきます。2023年度は昨年度に実施したデータサイエンス・ベーシックコースを10月に開講する予定です。また同じく10月に、DX・データ活用を組織内で推進するリーダー層向けのビジネスリーダーコースを新規に開講する予定です。

企業のデジタル変革は、一部の飛び抜けて優秀な人財によって実現されるものではありません。各企業のあらゆる部門にITやデジタルを使いこなせる人を増やしていく取り組みが重要です。デジタル人財が社内の様々な部門で活躍できるようになれば、日本企業の競争力はさらに高まりますし、ひいては日本経済そのものの成長につながります。デジタル社会を牽引していくNTTデータグループとして、この部分を陰ながら支えていくことができればと考えています。

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