NTT DATA

DATA INSIGHT

NTTデータの「知見」と「先見」を社会へ届けるメディア

絞り込み検索
キーワードで探す
カテゴリで探す
サービスで探す
業種で探す
トピックで探す
キーワードで探す
カテゴリで探す
サービスで探す
業種で探す
トピックで探す
2024年4月15日トレンドを知る

「つなぐ」力で社会課題解決に挑む!新規ビジネス創出の取り組み(前編)

人口減少や超高齢社会に伴って深刻化している介護問題など、社会課題の深刻化が進むなか、デジタル技術の進化を活かして企業・業界の枠を超えた解決策を共創することが求められている。
ソーシャルデザイン推進室では業界の垣根を超えて企業や行政をつなぐことで、共創パートナーの皆さまと新たなエコシステムを構築し、社会課題を解決する新規事業を創出していく。ソーシャルデザイン推進室が特に解決に取り組む社会課題や、その取り組みにかける想いを全2回に渡ってご紹介する。
目次

ソーシャルデザイン推進室について

コロナ禍をきっかけに、行政、民間企業がそれぞれ情報を持っていながら互いに連携できていない“IT(情報)の分断”が浮き彫りになりました。これを受けてNTT DATAは、社会課題解決ビジネス創出を目的とするソーシャルデザイン推進室を2020年10月に創設。「情報が分断している社会を変えたい」という想いを原点に、行政と民間を「つなぐ」ことで6つの社会課題テーマについてその解決ビジネス創出に取り組んでいます。

ソーシャルデザイン推進室には社内外の“顔”となって、各テーマの取り組みを発信するエバンジェリストがいます。二人のエバンジェリストに、特に注目する社会課題とどのように解決してよりよい未来を導こうとしているのかを聞きました。

異業種パーソナルデータ連携基盤

特に注目している社会課題

すべての社会課題の根底には、人口減少があると考えています。人口が減少する社会では様々な課題が表出してくるでしょう。そのような社会の中で、今の社会の豊かさをどのように維持するのかを考える必要があり、その解決策の一つとして、世の中に発生し得る様々な無駄を排除していきたいと考えています。無駄を改めて効率化できる仕組みを作ることが、豊かさの維持に繋がると考えたとき、特に重要なデータがパーソナルデータです。無駄をなくして効率化を図るためには、ありとあらゆるデータを使うことが大事ですが、これまで十分に活用できなかったパーソナルデータが特に重要になると考えています。

どのように解決していくか

私たちの個人情報は、様々な場所に保管されており、それらを実際に使おうとするには、それらを印刷したり送付したりしています。このような無駄を省くために、データを企業間や官民の間で流通できるようにし、いわゆる添付文書などを用意しなくてもよい社会、証明書を取りに行かなくてもよい社会を導きたいです。こうした取り組みを、まずは医療の分野から進められないかと考えています。

社会課題解決にかける想い

私がこの問題に取り組み始めたのは、2014年に遡ります。当時は娘が中学受験の頃で、勉強しろとばかりいう私の話を聞いてくれなくなりました。私もそんな小言を言うだけではなく、何か娘にしてあげられることはないかと考えました。人口減少の世界に生きる娘が、今と同じ幸せを感じられるためには、社会の無駄を省いて、データに基づいて社会が運営され、少ない人口でも豊かさを享受できるようになってもらいたい。そのためには、データが流通する基盤が必要だ。特にパーソナルデータが流通することで、働き方も、教育も、生活も変わるだろうと思い、この問題に取り組むようになりました。

仕事をしながら介護をしている“ビジネスケアラー”をサポートする事業(ケアサポ構想)

特に注目している社会課題

超高齢社会に伴って深刻化している「家族介護者の仕事と介護の両立困難」に注目しています。現在の介護現場では、「地域単位で高齢者を支える仕組み(地域包括ケアシステム)」が構築されていて、「要介護者を支えるケアマネージャー」が、基本サービスで構成されている「保険サービス」と、多様なニーズに応えられる「保険外サービス」を組み合わせたサービスプランを作成し、各事業者がそのプランに基づいてサービスを提供することになっています。しかし実際は、ケアマネージャーの多くは稼働がひっ迫していて、ひとりひとりのニーズを事細かに拾いきれないこと、要介護者の多くは全額自己負担となる保険外サービスを使いたがらないこと等から、保険外サービスの活用はなかなか進みません。結果、保険サービスだけでは対応しきれない部分を、家族介護者が対応せざるを得ないケースがしばしば生じています。経産省調査によると、ビジネスケアラーの生産性は、そうでない人に比べて約3割低下することが示されています。2030年には、家族介護者の4割がビジネスケアラーとなり、ビジネスケアラーの離職や労働生産性の低下に伴う経済損失は約9兆円と推計されています。

どのようにして解決していくか

“地域”の仕組みと共存する形で、“職域”に「ビジネスケアラーを支えるサポーター(ケアサポ)」を新設し、ビジネスケアラーが仕事を休みながら対応せざるを得ないことを、本人に代わって対応してくれる信頼できる保険外サービスに繋ぐことで、「ビジネスケアラーの仕事と介護の両立(社会価値)」と「保険外サービスの市場拡大(経済価値)」の実現をめざします。「ケアサポ」は、ビジネスケアラーに対して、(1)質問&相談、(2)親の実態の見える化、(3)サービス提案・手配、(4)親の様子の定期報告等のメニューを提供します。これらのメニューは、個別にサービス提供に取り組んでいる事業者との協業により実現していきます。また、「ケアサポ」は、自社の持続的成長に向けて、「社員の仕事と介護の両立」を支援している事業主経由でビジネスケアラーに届けます。
現在、ケアサポ構想のサービスデザインと並行して、本構想に共感してくださる企業との共創体制の構築を進めています。

社会課題解決にかける想い

実は、私自身もビジネスケアラーです。つい最近まで元気だった広島在住の両親が、昨年末に、同じタイミングで疾病を発症したため、両親を東京に呼び寄せて、治療を受けてもらう決断をしました。親が退院した現在も、それぞれの病院付き添いや様子伺い等で、日中に仕事を抜けざるを得ない状況があります。裁量労働ワークスタイルを駆使しながら、なんとか仕事を回していますが、職場に迷惑を掛けて申し訳ない・・・という気持ちは拭えません。とはいえ、私のケースは特殊でもなんでもなく、職場を見渡すと、40代後半の同僚の多くが、親の自立支援や介護に何らかの形で関わっています。
このプロジェクトに着任した当時は、“世の中にとって解決すべき社会課題”として「家族介護者の仕事と介護の両立困難」を捉えていたわけですが、“自分にとっても解決すべき課題”となった今は、「ケアサポ構想の実現こそが、自分自身、そして両親の幸せに繋がる」という確信をもって、さらに熱い思いで取り組んでいます。

終わりに

ソーシャルデザイン推進室では民間と行政を「つなぐ」役割を果たしながら、社会課題解決ビジネスの創出をより一層推進していきます。

NTTデータがめざす社会課題解決についてはこちら
https://www.nttdata.com/jp/ja/trends/socialdesign/

金沢大学、立教大学、北陸銀行、NTTデータが共同で、地域活性化を支援する特別講義を実施

https://www.nttdata.com/global/ja/news/release/2023/072800/

ソーシャルデザイン推進室のご紹介(テレビ東京「巨大企業の日本改革3.0」放送ダイジェスト版)(youtube.com)

https://www.youtube.com/watch?v=-e2CuWV9mwc

あわせて読みたい:

お問い合わせ