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2024年3月5日展望を知る

デザインファームと語る、データ駆動とCXの関係性

市場競争は激化の一途を辿り、企業は変革が求められている。現在、企業変革の議論の中心となるのはどのようなデータを取り扱うかだ。これまでは勘や経験に一部頼っていたビジネスが「データ駆動」を活用することで予測の精度が上がる可能性について、経営層から現場の担当者まで幅広く技術の進歩を実感している。

CXの体験設計もまた顧客が何を望んでいるのかを考える予測であり、データ駆動との掛け合わせが期待できる領域である。

本記事では、「データ駆動とCXの関係性と未来」をテーマとした、ビジネスの変革や成長を支援するデザインコンサルティングファームである株式会社mctのジョナサン・ブラウン氏と株式会社NTTデータのデザイン&テクノロジーコンサルティング事業本部長・谷中のトークセッションについて紹介する。
目次

株式会社mctはインサイトに基づく製品・サービス・ビジネスのデザイン、カスタマーエクスペリエンスの継続的改善、デジタルトランスフォーメーションの支援を行うデザインコンサルティングファームです。同社は、各分野でCXに取り組んでいる企業とのトークセッションを定期的に開催しています。

本記事では、「データ駆動とCXの関係性と未来」をテーマとして、株式会社mctのジョナサン・ブラウン氏と株式会社NTTデータのデザイン&テクノロジーコンサルティング事業本部長である谷中と実施したトークセッションの概要について紹介します。

1.ミッションクリティカルなシステムにこそデザインは必要

はじめに、谷中が所掌する事業本部の組織名称の変更について触れられました。
デザイン&テクノロジーコンサルティング事業本部は、2023年7月1日に「デザイン」という名称を追加しました。データ活用を中心とした先進テクノロジー起点の未来構想に加えて、徹底的なデザイン思考、ユーザー視点での顧客体験価値を重視したビジネス価値創出の推進を意図した追加です。テクノロジーのポテンシャルをフルに解放するには、ユーザー側から見た時のテクノロジーの風景を、テクノロジーを提供する側が理解できていることが重要であると語られました。

また、ミッションクリティカルなシステムにこそデザインは必要であることも触れられました。システムが大規模であるほどに、時間が経過するとともに「しっかりと動く」ことの優先度が上がってしまい、当初は構想に含まれていた顧客や従業員の体験が段々と置き去りにされることがあります。使う人の立場にたったシステムをデザインし、要件定義・設計・製造・試験・適用といった大きなスパンを経ても文脈を引き継いでいく重要性が語られました。

2.本質的な価値を生成するデジタルアーキテクチャのあるべき姿

次に、データ駆動型経営によるCXへの影響が触れられました。データ駆動を実現する上で必要となるプラットフォームやソフトウェアのひとつとして、NTTグループが開発した大規模言語モデル(LLM)である「tsuzumi」が話題に上がりました。OpenAIのような大量のパラメータ・リソースでできている超大規模言語モデルと企業や地域が独自に作るLLMが存在し、これらを適切に使い分けることや組み合わせることの重要性について語られました。

3.データ駆動がもたらすCXの変化

次に、データ駆動が魅力的なCXへとつながっているユースケースについて触れられました。例えば、電気自動車であるTeslaについて、エモーショナルな点も含めて購入前から購入後までの緻密な体験設計がされているといった例をお互いに紹介しました。

4.海外では既に進んでいるデータ活用やデザインの内製化、日本における状況

そして、データ活用やデザインの領域における、海外と日本との比較について触れられました。
NTTデータのサービスデザインチームである「Tangity」が各国で活動している状況をインプットとして、各国のプロジェクトのスピード感・テーマ・手法の特徴について語られました。

5.ツールは民主化を促進するが、時代の変化に柔軟に対応するためには優れたエキスパートも必要

そして、一般社員へのデザイン思考の普及と優れたデータサイエンティストやデザイナーの必要性について触れられました。テクノロジーは日々進化し新しいものが出てくるため、対応するにはやはりエキスパートが必要です。企業が長期的なプランを作るときや差別化を図るようなプラットホームを作ったりするためには、エキスパートがますます重要になるということについて語られました。

6.「顧客に近づくための競争」では、組織的なアプローチ、人材育成、デザインが鍵

終わりに、今後企業が競争の中で生き残るために必要となる取り組みについて触れられました。

第一に、トップダウンとボトムダウンの両方の組み合わせです。トップダウンで全体の基盤と大きなグランドデザインをきちんと作った上で、それを起点に様々なユースケースを実践していくようなプロセスを進めるのが良いことが語られました。

第二に、人財育成です。現在、データサイエンスの内製化が始まり、それに続いてデザインの内製化という流れが出来つつあります。テクノロジーとデータサイエンスとデザインが全て連なりながら、企業の中でますます非常に重要な人材として位置付けられてきていることが語られました。

第三に、デザインの観点です。闇雲にテクノロジーを入れるのではなく、きちんとユーザー視点で使いやすい形のものにしていくことの重要性が語られました。

7.終わりに

本記事では、トークセッションを一部抜粋して紹介しました。詳細については「CX Talk」を併せてご覧ください。

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