Tele-ICU 複数のICUをネットワークで接続し、遠隔からのモニタリングによる診療支援を実現

はじめに

現在、国内にはICUが約17,000床ありますが、集中治療専門医は約1,850名で、専門医が十分でない医療機関では、外科・内科系医師が重症患者に対応しながら成り立っている状況です。重症患者の治療は昼夜を問わない手厚い医療体制が必要であり、医師の長時間勤務や精神的負担の一因となっています。
こうした状況を受け、集中治療専門医が常駐する支援センターと複数の医療機関のICUをネットワークで接続し、患者のバイタル情報やリアルタイム映像、電子カルテ情報を共有することで、遠隔での診療を支援する遠隔ICUシステム「Tele-ICU」(読み:テレ アイシーユー)」が注目を集めています。

図1

概要

Tele-ICUは、支援センターと連携先施設間をネットワークでつなぎ、映像を含めた患者情報の共有、Web会議が行えるシステムです。

ひとつの支援センターから複数のICUを支援する仕組みで、支援センターの専門医がリアルタイムに患者データをモニタリングし、連携先施設の担当医と治療方針の相談・助言を行える機能を備えています。

図2

メリット・効果

医療の質の向上、医師の負担削減

支援センターの専門医は、リアルタイムで患者情報をモニタリングしながら治療方針の助言・相談を行えるため、医療の質の向上、医師の負担軽減が期待できます。

働き方改革の推進

患者情報等の伝達プロセス効率化や連携ミス等のインシデント防止により、労務効率の改善やタスクシフト・タスクシェアによる働き方改革の推進が期待できます。

COVID-19対応

遠隔での治療により、人との接触機会削減、専門医不足のカバーなどの効果が見込まれます。

地域格差の軽減

遠隔支援の実現により、地域の専門医不足と医療提供にかかる地域間格差の軽減に寄与します。

システム導入期間とコストの低減

データ連携に加え電子カルテなど連携先施設のシステム画面を共有する仕組みを併用することで、連携先施設から出力するデータの種類を抑え、システム導入期間とコストの低減を図ります。

注釈
  • 特定集中治療室管理料(5,211床)、救命救急入院料(6,411床)、ハイケアユニット入院医療管理料(5,412床)を算定している病床の合計であり、平成30年7月1日時点(「中医協総-2-1 元.9.11」)のもの。