
NTT DATA Technology Foresight 2021 技術の将来展望がビジネスの未来を拓く
NTT DATA Technology Foresightとは
NTT DATA Technology Foresightは、先進技術や社会動向の継続的な調査から、技術が主導する今後3~10年の将来変化を予見したトレンド情報です。情報技術がもたらす社会変化の方向性を予見する「情報社会トレンド」と、情報技術の現状を整理し未来を予見する「技術トレンド」によって、将来の進むべき道を解き明かします。

IST01
ITの融合
IST02
個の追求
IST03
規範の探求
TT01
進化を止めないAI
TT02
複雑化するIT基盤
TT03
ソフトウェア主導の拡大
TT04
データ駆動の進展
TT05
変わる未知への試行
TT06
高まる非接触の価値
Case Study
技術が生み出すこれからの将来変化を予見し、具体的な取り組みを進めています

自然言語処理のビジネス活用を革新するドメイン特化BERT
昨今の大規模AIモデルは、圧倒的な性能の向上を実現しており、さらなる大規模化の競争が起きている一方で、その性能を活かした新たな適用先の模索も行われています。自然言語処理の分野では、BERTと呼ばれる言語AIモデルのビジネス活用が検討されていますが、専門用語や業界特有の言い回しにより十分な効果を発揮できない場合もあり、事業ドメインに特化した最適化を必要とする場合があります。
NTTデータでは、2020年7月に金融業界に特化した言語AIモデルである「金融版BERT」を開発しました。「金融版BERT」は、NTT研究所が日本国内最大規模の日本語テキストデータで学習し構築した「NTT版BERT」をもとに、NTTデータが独自に整備した金融関連のテキストデータを追加学習させた言語AIモデルです。金融分野の専門用語や特有の文脈を含む文書を解析する際に、業界に特化した辞書やルールを構築する必要がなくなり、AI構築の工程を短縮しつつ、高精度の結果を得ることが可能になります。
今後は、金融業界だけでなく、他のドメインに対しても最適なBERTを容易に作成できる基盤の構築を目指しています。各ドメインのデータ収集からモデル構築までを行う基盤を開発し、スピーディに実ビジネスに適用できる環境の整備を目指していきます。

セキュアに学習データを統合するデータコラボレーション技術
データ主導ビジネスの価値増大に伴い、部門や企業を越境したデータ利用とAI活用が、サービス全体の最適化と機会創出をさらに進めています。一方で、機密情報の漏洩に対する懸念も高まっており、セキュリティに配慮したデータ収集技術が求められています。
NTTデータでは、学術機関と共同研究を行い、複数の組織間で情報を秘匿しながらも互いのデータを統合し高精度なモデルを構築する「データコラボレーション技術」の開発に取り組んでいます。 本技術は、機密情報を含むデータを非可読な中間表現に変換することで、セキュリティを担保しながらデータの集約・統合を実現します。その結果、より多くのバリエーションや特徴を考慮したモデリングが可能となり、より高精度なAIモデルの開発が期待されます。また、他の分散学習方式と比較し、計算リソースと通信回数を抑えた方式を採用することで、導入の敷居を下げ、ビジネスでの活用を容易にしています。
NTTデータでは、今後増えると予見されるクロスインダストリーでのデータ活用を加速させるため、コラボレーション技術の開発と展開に積極的に取り組み、新たな価値創出を実現していきます。
本データコラボレーション技術は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務の成果を活用しています。

NTT DATA Technology Foresightコンセプトムービー
