CX
Customer eXperience

世の中の潮流同様、自動車業界もプロダクトから顧客体験へと中心価値がシフトしつつあります。
NTTデータの強みである、ビジネス・サービスデザイン力、広範囲なデジタル技術力、変化に強いスピーディな開発手法により、多様なサービス提供からそれを支える顧客管理・分析等のプラットフォーム構築まで、新たなカスタマージャーニーの創出と実現に貢献します。
クルマは革命的なプロダクトとして、人々の生活を支え続けてきました。
現代において、プロダクトには製品そのものの機能的価値の高さだけではなく、人々の体験や行動ひいては社会に影響を与える、いわば「情緒的価値を生み出すこと」が求められつつあります。
自動車業界でも「CASE」というトレンドが、「クルマづくり」のみならず「ビジネスモデル」にも「カーボンニュートラル実現」にも大きな変革を引き起こし、今後製造業としての市場に加え、クルマを活用するモビリティサービス市場を形成しながら情緒的価値が重要視されていくと考えられます。
このような新しい世界の実現には2つの重要なポイントがあります。
NTTデータではこのポイントに対し、これまで長きにわたり様々な分野で「しくみ」を提供してきた私たちだからできる、”業界を超えてより良い社会を実現する「つなぐ力」”と、”広範囲で高度な「デジタル技術力(つくる力)」”で貢献します。
私たちは新しい自動車市場の成長の鍵として、「CX」、「MX」、「EX」※という3つの戦略領域を設定し、取り組みを始めています。
※CX:顧客接点関連サービス、MX:自動運転を主軸とするモビリティサービス、EX:EVを主軸とするエネルギーサービス
製造ITイノベーション事業本部
第一製造事業部
統括部長 布井 真実子
様々な業界で、大規模クリティカルシステムから個人向けサービスまで多様な企画・開発を手がける。
現在は自動車業界のDXを専門とし、先進技術を駆使した顧客体験をScaledAgile手法で次々と提供したり、幅広い業界経験を活かした異業種コラボレーションビジネスを仕掛けたりと、新しいモビリティ業界の実現に挑戦中。
自動車業界は「100年に一度の大変革の時代」と表現される通り、世の中で起こる「ユーザーの価値観変化」、「技術革新」、「脱炭素化」などのトレンドが、「クルマづくり」、「ビジネスモデル」、「カーボンニュートラル」に変革を引き起こしています。
この変革はクルマを活用する(≒移動する)フェーズに深く関係しているため、移動を軸にしたサービスや新たな市場(=モビリティサービス市場)を形成することが想定されます。移動には、観光や小売などの移動の目的から、不動産やエネルギーなどのインフラまで、さまざまな業界が関係しています。これらの業界を横断・連携しながらサービスを提供することが市場形成のポイントになると考えられます。
さらに、モビリティサービスは、従来の製造・販売・アフターサービスの在り方にも影響を与えます。例えば新サービスに必要なデータ取得の為に、サプライチェーンのソフトウェアファースト化が進んだり、ディーラーがクルマを売る以外のサービスを提供する場になったりと、新たなサービス提供に適応するような変化が加速するでしょう。
このような従来領域の変化や新技術を搭載したクルマは、モビリティサービスを更に発展させていきます。結果、新旧の領域は相互に影響を与え続け、様々な業界を巻き込みながらスパイラルアップしていくと考えられます。
クルマは専門的な手続きが必要な高額商品であり、ディーラーで試乗して購入することを中心としたビジネスモデルが長く続いてきました。しかし、Webでの事前情報収集が当たり前になったことで、リアル店舗を訪れる機会は次第に減少し、そこにコロナ禍が重なったことで、製品情報だけでなく、商談ー試乗ー購買に至る全ての全顧客体験のオンライン化が加速しています。加えて、モノコトシフト、すなわち所有より体験を重視する価値観変化により、カーシェアやリース、サブスクリプションなど、所有しない利用形態が普及し始めています。
これからは、従来のように店舗でのクルマ購入にビジネスの中心を置くのではなく、モビリティを活用してどのような体験ができるか、すなわちどのような付加価値を提供できるかが重要となるでしょう。その為には、自動車業界内にとどまらず周囲と連携したサービスの検討が重要となります。すでに、観光・小売・交通などさまざまな業界と連携した新しいサービスの試みが始まっています。このことは、業界を超えた新しいマーケットが生まれる可能性を示しています。
2015年12月のパリ協定において合意された温暖化対策の新しい枠組みを起点に、脱炭素への取り組みがグローバルに加速しています。国内でも、2020年10月に国会において「2050年カーボンニュートラル宣言」を行い、従来の燃費規制からクルマの製造から廃棄・リサイクルに至るライフサイクル全般での対応へ焦点が移りつつあります。
これを実現する大きな潮流がEVシフトです。EVに変更することでプロダクトとしてCO2低減を図れるだけではなく、EVの充電池を電力供給に活用することで電力供給や再生可能エネルギーの促進に寄与したり、バッテリーライフサイクルの管理により再利用を促進したりと、生産から利用終了後まで、総合的にカーボンニュートラルへ寄与することが可能になります。 一方で、各国の業界団体によるEV普及率の調査報告*1によると、欧州11%、米国2.9%に比べて、日本は0.9%と大きく遅れていることがわかります。EVの普及に向けては、充電インフラなどの基本環境の整備だけではなく、EVを利用したくなるような付加価値を上げる取り組みが重要と考えられます。
クルマの安心・安全を実現するADAS(Advanced Driver-Assistance Systems:先進運転支援システム)やAD(Autonomous Driving:自動運転)の技術は進化を続け、条件付きの自動運転である「自動運転Level3」の実用化を目指して業界全体で競っている状況です。メーカー各社は、時にはM&Aや他業種との技術連携を行いながら、競争力の源泉となるソフトウェア技術の強化に取り組んでいます。その一方で、クルマに搭載されたセンサーのみでは、死角に隠れた歩行者や、センサーで検知できない位置の状況を把握することができず、コネクティッドカーから得られる情報や、周辺インフラの持つ情報と連動しながら自動運転を実現する「インフラ協調型自動運転」の技術開発も進められています。
このように、クルマの競争力がソフトウェアの質に左右される状況においては、ソフトウェアアップデートや外部とつながるクルマづくりの重要性が増大します。また、EVシフトにより、クルマに必要な部品数が大幅に減少することから、ハードとしてのクルマづくりはコモディティ化しやすいと見られています。これらの要素は、ハードウェアへの組み込みを重視した従来のサプライチェーンから、ハードウェアとソフトウェアを分離し、ソフトウェアに注力できるサプライチェーンへの変革の必要性を示しています。
従来領域とモビリティサービス領域の相互変革を促進する為には、自動車・観光・小売・不動産・エネルギーなど多様な業界が協力して横断的な仕組みを構築し、情報連携や一貫したコントロールを行えることが重要です。例えば、EVを普及させる為には、全国の利用しやすい場所に充電ステーションを設置し、混雑状況と電欠状況を照らし合わせながらナビゲーションしたり、電力需給状況に合わせて充放電タイミングをコントロールする必要があります。真の意味で顧客視点に立ち、より良い社会を実現する為には、このような協調的な連携が不可欠と言えます。
例)自動車業界×エネルギー業界の連携業界横断のサービス提供には、多様なデータ活用も重要な要素となります。クルマから取得できるコネクティッドデータ、顧客行動データ、地理学データ、関連業界のIoTデータなどを総合的に活用することでユーザーの行動変容をうながし、新しい価値を創出し続けていくことが重要です。例えば、個人の移動データ、信号機などの交通インフラの制御データ、移動経路におけるイベントや事故などのリアルタイムデータを組み合わせると、精度の高い交通渋滞予測と緩和措置を提供でき、ユーザーが自然と渋滞を回避しながらCO2排出量を削減するといったことが可能となります。
例)自動車業界×エネルギー業界の連携NTTデータは長年、公共・金融・法人全ての分野において多くの事業領域を熟知し、常にニュートラルな立場で最適な組み合わせによるサービスやシステムを提供してきました。このような、業界を超えてより良い社会を実現できる「つなぐ力」と、広範囲で高度なデジタル技術力を活用し、新しい自動車市場においても3つの戦略領域にて貢献していきます。
世の中の潮流同様、自動車業界もプロダクトから顧客体験へと中心価値がシフトしつつあります。
NTTデータの強みである、ビジネス・サービスデザイン力、広範囲なデジタル技術力、変化に強いスピーディな開発手法により、多様なサービス提供からそれを支える顧客管理・分析等のプラットフォーム構築まで、新たなカスタマージャーニーの創出と実現に貢献します。
CASEに代表される先進技術は、より安心安全な移動や移動時間の有効活用を可能とするだけではなく、労働人口の減少による物流ドライバー不足など社会課題の解決にも寄与します。
NTTデータは、最新の技術研究により、インフラ協調型の自動運転実現に貢献し、コネクティッドデータを活用した社会課題解決など新たな価値創出を目指します。
EVシフトが進む一方で、電欠リスクや割高感、電力需給への影響など、ユーザーが真にメリットを享受できる状況にはまだありません。
NTTデータは、インフラ整備からスマート充電やV2Gなどのエネルギーマネジメント、EVの特徴を活かしたMaasまで、業界を超えたビジネス・サービスデザインから社会基盤開発に至る総合力で、EV普及とカーボンニュートラルに貢献します。
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レポートを読む2023年4月27日
2023年4月21日
2023年2月10日
自動車業界では近年、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動化)、Shared and Service(シェアリング/サービス)、Electric(電動化)といった「CASE」と呼ばれる領域での技術革新が進む。消費者の価値観がモノからコトへシフトしていることもあり、クルマは単に製品としての価値を提供するだけではなく、人々の体験や行動ひいては社会に影響を与えうる、いわば「情緒的価値や環境的価値を生み出せるもの」へとなりつつある。自動車業界、特にEVシフトの未来を展望する。
IoT カーボンニュートラル AI・データ&インテリジェンス モビリティ 電力・ガス・水道 Innovation Conference
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フォルクスワーゲングループ傘下の自動車メーカーSEAT(セアト)は2019年、DXの推進を目的とする新たな取り組み、「SEAT:CODE」を設置した。NTTデータは戦略的パートナーとして、SEAT:CODEの組織づくりやプロセスの構築などを支援。ビジネスとテクノロジーを融合させた視点から、様々な施策をサポートしている。SEAT:CODEはエンドユーザー向けアプリの新規開発など多くのプロジェクトを推進し、大きなビジネス価値を創出しており、世界各地で同様のDX拠点の展開を進めている。SEAT:CODE成功の舞台裏と今後の展望について、プロジェクトを担当したNTT DATA DeutschlandおよびNTT DATA Spainの社員が解説する。
クラウド ワークフロー 製造 モビリティ
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ビッグデータの活用がさまざまな領域で本格化している。位置情報を活用して地域活性化をめざす、あるいは健康ビッグデータを用いて健康度を可視化し生活習慣の改善に役立てる。こうした先進事例を紹介しつつ、ビッグデータとデジタルツインの将来を考える。デジタルツインの発展をめざす上では、次世代ICT基盤構想「IOWN」(アイオン:Innovative Optical and Wireless Network)の役割も大きい。ビッグデータ活用の先進企業であるナイトレイの石川豊氏、アクシオンリサーチの佐藤友美氏と、NTTデータの吉田英嗣が語り合った。
デジタルツイン AI・データ&インテリジェンス IoT 医療・ヘルスケア モビリティ Innovation Conference
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