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2019年9月20日技術ブログ

デジタルトランスフォーメーションの新潮流iPaaS

従来、デジタルトランスフォーメーションはCRMやBIといったSaaS、あるいはモバイル端末の活用といったいわゆるSoEアプリケーションレイヤでの変革にフォーカスされていた。しかし近年、インフラレイヤにおける新たなデジタル変革の潮流"iPaaS"が注目を集めている。セールスフォース・ドットコム社も2018年にiPaaSの有力なソリューションであるMuleSoftをラインナップに加え、この動きを加速させている。
本記事では、なぜiPaaSがCRM等に代表されるSoE領域のデジタル変革において重要なのかを解説する。
目次

1.iPaaSとは何か

近年、米国のITインフラの領域では、iPaaS(integration Platform as a Service)という新たなアーキテクチャ思想が注目されています。

iPaaSを一言で説明するならば、オンプレミス、クラウド問わず様々なプラットフォームやミドルウェアと接続可能な多くのコネクタを持ち、モダンなアプリケーションやSaaSなどとAPIベースでデータ連携を行うための包括的なプラットフォームです。インフォマティカ社のInformatica Intelligent Cloud Services、Dell Boomi、そしてセールスフォース・ドットコム社のMuleSoftなどが代表的なソリューションです。

上記のような説明を聞くと、ESB(Enterprise Service Bus)やETL(Extract/Transform/Load)といったソフトウェアを想像する方もいるかもしれません。実際、iPaaSソリューションには、そうしたソフトウェアをクラウド化するという流れを汲んでいるものも多くあります。では、iPaaSがいま米国を中心に注目を集めている理由は何でしょうか。

2.iPaaSの重要性 - デジタルトランスフォーメーションの"矛盾"にこたえる

前段でも述べた通り、システム間でデータ連携するための「ハブ」となるソフトウェアは以前からありました。それに対して、iPaaSが新しいのは以下のような点です:

- 既存システムの"塩漬け"戦略
SoRインフラとして現在も多く残っているオンプレミス上のデータベースやERP等のミドルウェア、時にはメインフレームにすら対応する多くのコネクタが用意されており、既存システムに極力改修を入れることなくデータ連携が可能になります。
- APIエコシステムの確立
SoRから連携されたデータを再利用可能なAPIとして定義することで、最新のSaaSやモバイルアプリ、オープンAPIとの連携が可能になります。また、APIの抽象化レイヤを挟むことで、アプリレイヤでの仕様変更に対しても既存システムの変更を伴わないようにシステムを設計することができます。

従来、メインフレーム等のオンプレミス基盤に構築されているSoRシステムをデジタル化するためには、クラウド等の新たなインフラへのマイグレーションとアプリケーションの改修が必要と考えられてきました。しかし、高品質が求められるSoRシステムの移行にはコストとリスクが伴うのも事実で、多くの企業の悩みの種となっています。米国でiPaaSが注目されるようになった理由には、こうした矛盾する課題に対する優れた解決策と見なされたという点があると思われます。

たとえばMuleSoftの場合は、SoR領域からMuleSoftによってAPI連携されたデータをデジタルマーケティングプラットフォームのSalesforce Marketing CloudやBIツールのTableauへスムーズに接続することが可能になり、SoRからSoEへの一気通貫のデータストリームを構築することが可能になります。

3.当社グループにおけるiPaaSへの取り組み

iPaaSは、SoRに求められる品質を守りつつ、APIを利用してSoEへデータを連携する技術と言えます。
当社グループでも、iPaaSはインフラ領域からデジタル化を推進するキー・テクノロジーと見なしており、多くの取り組みを行っています。米国のグループ企業であるNTT DATA Servicesでは、MuleSoftをはじめとするiPaaSソリューションの専門チームを有しており、すでに数十件の商用システムへの導入を行っています。また日本やヨーロッパにおいてもPoC(概念実証)等の取り組みを開始しており、グローバル規模でのオファリング構築とナレッジ共有に取り組んでいます。

著者も現在、米国シリコンバレーを拠点として、米国のiPaaSチームと協力しながらグローバルオファリングの構築に従事しています。今後も、グローバルシナジーを最大限に活かしながら、インフラからアプリケーションまでお客様のデジタル変革をトータルにサポートするための取り組みを続けていきます。

※記載されている会社名、商品名、又はサービス名は、各社の登録商標又は商標です。

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