知識発見から予測、自動化/自律化まで広範囲に広がるAI活用の実績

NTTデータが目指すのは、「ビジネス課題に対応したAI」を提供していくこと。
AIの進化における第一世代の「ルールベース」、第二世代の「統計/探索モデル」、第三世代の「脳モデル」を適材適所で組み合わせ、「知識発見」から「予測」、「知識処理(実行)の自動化・自律化」にいたるまで、すでに広範囲なAI活用の実績を有しています。

事例1【自動化】:ニュース原稿の自動生成
「AI記者」実現の可能性を検証

課題

メディア業界では、ニュース記事の自動生成に向けた動きが加速しています。しかし、既存の多くの技術はあらかじめ用意されたテンプレート文に単語や数値を埋め込むことで記事を生成しており、設計を人間に依存しています。このため複数分野に適用するのは手間がかかる状況でした。

解決策

NTTデータは日本のメディア業界の事業者と連携し、まずは比較的パターンがシンプルな気象ニュース原稿を自動生成する技術の実証実験に着手しました。気象庁が公開した過去4年分の気象電文と実際にアナウンサーが読み上げた気象ニュース原稿をセットにし、ディープラーニングによって学習を行う仕組みを構築。この方法から生成された気象ニュース原稿を評価した結果、日本語の文法は人が読んでも違和感のないレベルに達しており、意味の正しさにおいては多少の修正が必要なものの、おおむね気象電文と同じ内容の文書を作成できることを確認しました。

さらに今後、企業の決算発表やスポーツ記事などの大量のデータを伴う分野においても、新たな実証実験を進めていく計画です。

事例2【発見】:Smart ICU
重症患者の状態悪化を予兆検知

課題

集中治療室(ICU)における医療行為は、特に重度の患者を対象としているため、高度な医療機器を用いて、常時患者の容態をモニタリングしながら行われます。しかし、これらの膨大なデータ管理が手作業で行われているなどITシステムとの統合はあまり進んでおらず、さまざまなテスト結果や投薬情報と併せて医師や看護師がデータを解釈するまでに多くの時間を要するケースがありました。

解決策

NTTデータおよびスペイン子会社のエヴェリスグループは、ヴィルヘン・デル・ロシオ大学病院と共同し、ICU内の各種医療機器から得られる情報を1つのプラットフォームに集約し、患者に関するあらゆるデータの一元管理を実現。これにより集約・蓄積されたバイタルを含む各種データをもとに、患者が合併症を発症するリスクをAI技術によって発症2時間前に予測するモデルを開発しました。

こうしたAIによる症状推移予測モデルを活用し、システムが患者の合併症発症を予測すると、即時にベッドサイド端末やモバイル端末にリスク通知を行い、医師や看護師が確認することができるという「スマートアラートソリューション」を開発。通知の際に、症例の診断に必要なバイタルデータを同時に提供することで、医師がその場で迅速な診断をすることも可能になります。

事例3【自動化】:渋滞緩和
渋滞予測・信号制御シミュレーション

課題

中国・貴州省の省都である貴陽市では、経済成長や都市化の進展により市内中心部の交通渋滞が大きな社会問題となっています。

解決策

NTTデータは中国科学院ソフトウエア研究所と共同で、交通管理用のカメラを通じて収集した大規模な交通量データを分析。渋滞予測・信号制御シミュレーションを行って信号パラメーターを最適化するAIにより、中国貴陽市の観山湖区19交差点の信号機約220機を制御する実証実験を行いました。渋滞緩和および交差点における交通処理量の改善効果を検証した結果、対象エリアにおける渋滞が平均で7%、最大で26%改善され、交通処理量も平均6.7%改善したことを確認しました。

事例4【自動化】:ロボットとセンサによる高齢者見守り支援
高齢化社会における介護効率化の可能性を検証

課題

日本の高齢化は急速に進展しており、2060年には総人口の26.9%が75歳以上になると予測されています。高齢化の進展に伴って介護を必要とする人が増加する一方で、介護職員の数は不足傾向にあります。要介護者に十分なケアを提供しつつ、介護職員の業務負担を軽減する方策が求められています。

解決策

NTTデータは社会福祉法人と共同で、コミュニケーションロボットとセンサを用いて、介護施設における高齢者の見守りや、生活記録を行う実証実験を実施しました。転倒のリスクを伴う夜間の起床をセンサで検知してロボットが音声で注意喚起を行ったり、朝の起床時に健康確認を行ったりすることによって、介護現場における手厚いケアと介護業務負担軽減の実現可能性を検証しました。

さらに今後、より高精度な見守り機能の提供や、介護業務負担の軽減効果を評価する実証実験を進めると共に、在宅介護にも適用対象を広げていく計画です。

知識発見、予測、自動化と言った活用シーンすべてに対してルールベース、機械学習、ディープラーニングといった一連のAI技術活用を進めている

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